*R-18 お姉さま向け
柳が鬼畜です。優しくて爽やかな柳が好きな方は回避して下さい。



















「あっ…ぅ…!」


ぞわぞわと覚えのある感覚が何度となく下腹の辺りから背中へと抜けた。
自然と脚をすり合わせるとそんな私を蓮二は鼻で笑った。
不自由な両手で身を捩らせていたせいで、せっかく旅館の女将さんが綺麗に敷いてくれた布団のシーツは皺々になっていた。


「…や…、蓮…二…。」


弱々しく言うと目じりからシーツに涙が伝った。
楽になろうと横に寝返りを打てば浴衣が大きくはだけて足が露わになった。
そこに本来あったはずの下着は蓮二に取られてしまい、今は代わりに紺色の帯が食い込んでいた。
そこそこ長い帯とは言え、首から胸、両手、腰から股の下まで巻きつければ、首が苦しいに決まっている。


「は、…、ぁ…苦し…、て」


首が締まらないように体を捩れば違う場所が締まるわけで、私は息も絶え絶えにしばらく布団の上で這いつくばっていた。
酸素不足で頭がぼんやりする。
声を出すのも苦しくて、顔は熱くなるばかりだ。
それなのに刺激は敏感に拾ってしまい、腰から下の力が抜けて立つこともできない。
蓮二は何をするでもなくその様子を見ていた。
悔しさと恥ずかしさに私はシーツに顔を埋めた。


「………っ」


このサディスト、と心の中で悪態をついてみたがそんなドSな彼氏と付き合っているのは紛れもなく自分だ。
私は逃げるのが得意なので手首を縛られることくらいなら今まで何度かあったが、首を絞める必要は絶対になかった。
これは蓮二の趣味の悪い性癖だ。
自分がどういう状態になっているのかはわからないが、蓮二が縛り方にも詳しいなんて聞いてない。
あまり知りたくもなかった。

伸縮性のある太い帯のおかげで肌は痛くないが、背中に回された腕が痺れてきた。
震える肺で呼吸をして、冷ややかな顔で私を見下ろしている蓮二を睨むと、蓮二は帯の途中を手首に絡めて思い切り引っ張った。


「うあっ!くっ、…!ぁ…っ!」


帯を後ろに引かれて背中が弓なりにしなった。
首が苦しくて腰を後ろに引くと、股の間の割れ目に帯が摩擦するように食い込んで盛大に喘いだ。
後ろに反った首をするりと蓮二の長い指がなぞる。
そのまま顎にたどり着くと自分の方へ顔を向けさせた。


「俺が悪趣味だとか、考えていたか?」


歯を食いしばって声が出ないように耐える私に、わざと息を吹きかけるようにして蓮二が耳元で低く囁いた。


「では、これで喜んでいるお前は更に悪趣味だな。」

「なん、蓮…二、ん…!は…ぁあ、ッ…!」

「色が変わっているぞ。」


蓮二はつうと食い込む帯周りを五本の指先でいやらしくなぞった。
それに合わせてぎゅうっと帯を締め付けてしまう。
隙間から溢れた愛液を蓮二が指ですくって私の口に入れた。
むりやり歯をこじ開け、咥内を乱暴にかき回される。
飲み込むことを許されずに唾液が布団に落ちた。
びくっと足が震えた。


「蓮…二……、」


蓮二は私の口から手を引き抜くとようやく帯を引っ張っていた手を離し、自由のきかない私の体を仰向けに転がした。
浴衣がはだけた私の姿を上から下までじっくり見ている。


「は、…はぁ…、はぁ…。蓮二…も、解いて…。」

「やはり旅館の浴衣では風情がないな。すぐに肌が見えるよりも長襦袢や足袋があった方がいい。布団もなく閉め切った六畳間の畳の上で着崩す方が気分が乗る。」


私にはお構いなしに蓮二はぺらぺらと独りごちている。
蓮二、ともう一度縋るように名前を呼ぶと蓮二はようやく私を見た。


「ああ…すまない。すっかり萎えてしまったがお前はそういうわけではなかったな。」


蓮二はそう言うと鞄からバイブを取り出してきた。
電源をつけてから強弱をランダムに設定する。
強くうねり出したバイブに私は首を振った。


「蓮二…!それやだ…っ!」

「なんだ。先日のことをまだ根に持っているのか?」


口に出すのもおぞましい。
大体そういうものは行為の補助として楽しむ程度に使うのが多分正しいはずだ。
勝手に改造するものじゃないし、ましてや気を失うまで使うものじゃない。
逃げようとする私の方足を抱え、蓮二はすっかり湿ってしまった帯を横にずらすとバイブの先端をその場所に押し付けた。


「ちょっと待っ…!ひ、っあぁ、…!っあ…ぁ!」


蓮二は何も慣らされていないそこに力任せにバイブを押し込め始めた。
ぐちぐちと乾いたバイブが割って入る感触がする。


「ぁ、あ、んぁ、ぁっ…!」


足を閉じたくても蓮二はそれを許さず、片足を更に大きく広げてバイブを進めた。
首を振って抵抗しても熱のこもっていた体は従順にバイブを受け入れる。
奥まで入れると蓮二は私の一番感じるところにぐいと押し当てた。


「あぁぁっ!ア、…!あっあ…は、やぁあっ…!あ、ぁあ、…!」


ランダムな振動にびくびくと中を締めつける。
蓮二は横にずらしていた帯をバイブに引っ掛けてバイブが動かないように固定した。
首の辺りで結んでいた帯の先を外されて私は急に増えた酸素に咳き込んだ。
はくはくと息を吸っている私に蓮二が口付ける。


「んんん…、っふ…、」


解いた帯を肩の辺りで更に締まるように結ばれる。
帯に押されてぐいぐいとバイブが奥の壁をえぐった。
連続した快感が押し寄せ腰が跳ねた瞬間あっけなくイってしまった。


「あっ、あっ、う、っんん…ん…ん!」


体を痙攣させて達している途中の私に蓮二は容赦なくバイブを足で踏みつける。


「いあああぁぁっ!!あ、あっあぁぁ…!」

「あまり叫ぶな。旅館の離れとは言え、人に聞かれたら通報されるぞ。」


蓮二は涼しげに足でぐりぐりと左右にバイブを押し込んでいる。達している状態のまま戻してくれない。
強い刺激に頭が真っ白になって私はひたすら喘ぎ声をあげた。
快感の波が緩やかになってからも蓮二は止めてくれず、続きすぎる刺激に苦しくなって涙が出てきた。


「あぁぁ、やだ…っやだ蓮二、あぁああ…っ!」


蓮二はようやくバイブから足を離して少し乱れた浴衣をしゅっと正した。
びくびくと震えている私を横目にさらりと言葉を落とす。


「A、俺は温泉に行ってくる。帰ってきて気分が乗ればまあ相手をしてやってもいいが…。しばらくは一人で遊んでいろ。」


お前には物足りないかもしれないな、と蓮二は鼻で笑った。
息が整っていない状態で蓮二に恨みの目を向けたが、蓮二はすでに背中を向けて部屋を出ていくところだった。


「ん…、っう…ぁ……。」





少し前、下世話好きな幸村に色々聞かれた時、せっかくだからと蓮二の相談した。
蓮二はサドだけど私は別にマゾじゃない。
嫌がっていても止めてくれないし、蓮二が私のことを本当に好きなのかわからない。


“馬鹿だな、そろそろ蓮二のこと理解してあげなよ。”


もしかしたら蓮二は自分の好きにさせてくれる素直な女の子の方がいいのかな。
もっと蓮二に合う人がいるんじゃないのかな。


“そうやって支配したいんじゃないか。いっそ蓮二と離れてみればわかるよ。”


「っだから…、っ、わかん…ない、て…!っ…!」


“きっともう蓮二のやり方じゃないと感じないよ。フフ…同情するね。”


そんなの私は知らない。
複雑な気分だった。
蓮二が私を支配したいってことは好きという解釈ができるから嬉しいけど、蓮二じゃないと満足できないと言う幸村の言葉はあまり信じたくなかった。
自分の将来が不安になった。
学内の人を巻き込むのは気が引けたため、蓮二を旅行に誘って、旅先の知らない男の人とほんの少し仲良く話をしてみた。
もし本当に浮気をして蓮二と別れることにでもなったら本末転倒なので、実際それだけだった。
蓮二は静かに怒っていた。多分だ。
私が蓮二を理解することはきっと一生ないから、だから、ああもう何も考えたくない。









>for ぺこたろす様

鬼畜な柳が好きだと仰っていたので鬼畜にしてみましたが…なんか色々すみませんでしたorz





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