無機質に響く機械音。

「あっ、あぁっあぁあっん!!」


力が入らない足はぶるぶると震えていて、性器をかたどった機械をくわえこんだそこからは愛液が溢れてシーツに染みをつくっていた。


「ひゃっ・・・あぁっあ…、っ!」

「3回目。」


意地の悪い笑顔で赤也が呟いた。
ベッドの上で終わらない刺激に身をよじりながら、私は涙目で赤也に助けを求める。


「あか・・・っん、赤也ぁ・・・っ!!」

「気持ち良さそうっスねー。A先輩?」


赤也は椅子に座って、私がよがっているのをただ視姦している。
赤也によく見えるようにとM字に開かれた足。
その足首と手首をくっつけるように縛られて、私は仰向けに赤也のベッドに横たわっている。
内股はすでにびしょびしょに濡れて光沢を放っていた。
赤也が見ていると思うとひくひくといやらしく膣が収縮する。
拘束具である赤也のタオルも、私の愛液と汗でしっとりと濡れ始めていた。





赤也は私の可愛い後輩で私のかっこいい彼氏だ。
赤也の家に遊びに来ていた今日、赤也がふと思い出したように私に言った。


「A先輩、俺の誕生日は?」

「9月25日。」

「身長は?体重は?好きな食べ物は?」

「168cm。61kg。焼肉とお寿司?」


私がすらすらと答えると、赤也はがっくりと肩を落とした。


「やっぱり…」

「赤也?どうしたの?」

「先輩は俺のこといっぱい知ってるのに、俺、A先輩のこと全然知らないっス!」

「それは…」


私たちは付き合ってまだそんなに経ってるわけじゃないし、体重なんて言えないし、赤也は覚えるのが大の苦手だし。
知らないというよりも、覚えていない項目の方が多い。

私は記憶をたどりながら、赤也にそう告げた。


「A先輩のこともっと知りたいっス!!」


赤也は可愛いなぁと内心ひっそりと思いながら、私は赤也の質問に答えていった。
赤也は数学のノートを開いて新しいページに書き込んでいく。


「数学のノートに落書きしてるの見つかったら、真田にまた怒られるかもよ?」

「いいんスよ別に。これ見ながらだったら数学頑張れるし。」

赤也はへへっと笑うと、私の頬にキスをした。


「だいたいこんなもんだね。」


ぎっしりと埋まったページを満足そうに見ながら私は頷いた。


「まだ知りたいことあるんスけど。」

「え?なに?」


赤也の方を見た瞬間、ガバッと視界が反転した。
背中を床に打った痛みに詰まらせていた息をもらした。


「痛いよ…。赤也…?」

「ねえ、A先輩って連続して最高何回イけるんスか?」


え?と目を見開いて赤也を見れば、至近距離で真面目な赤也と目が合い、どくんと心臓が跳ねた。
急に照れた私に気をよくしたのか、赤也はさらに顔を近付けてにやりと笑う。


「ほら、教えてくださいよ。A先輩。」

「ちょ、…赤也っ!」

「あれ?自分のことなのに知らないんスかぁ?」


必死に抵抗したが、ぎりっと手首を掴む力に顔を歪めることくらいしかできなかった。


「赤也…いいかげんにしないと怒るよ!?」


その瞬間、赤也の目が赤く光った。
舌なめずりした赤也に息も飲み込むようなキスをされた後、すぐに下着だけにされてベッドの上へ引きずり上げられる。
力を入れれば入れるほど自由を奪うタオルで手首も足首も痛い。

あまり慣らさずに突っ込まれた機械がただ快感を与えるだけの無機質な動きで私の中を暴れ回る。


「あ…ぁぁぁっ!!」

「4回目。」


赤也が上に乗ると、ベッドはぎしりと音をたてた。


「A先輩どうっスか?」

「あぁんっあっか、や…っあぁやだぁっ!!もう苦し…っ」

「まだ限界じゃないっスよね。腰浮いてますよ?A先輩エロい。」

「あっうっあぁぁっ・・・っんぁあっ、あぁっ!!赤也っ!赤也ぁっ!!」


私を制すように、カチリと赤也が親指を動かして、機械のバイブレベルを一つ上げた。


「あっ!?は…あぁぁっう!んっあっあぁっ…ぁ…!!」

「5回目。」


ぴゅくっと透明の愛液を噴き出して私はイった。
はあはあと深呼吸をして余韻に浸りたいのに、連続して震えている機械がそうはさせてくれない。
ずっとイっているかのような感覚に、ただ息と声だけを荒げて身悶えていた。
意識が飛びそうになるとタイミングを見計らったように赤也がバイブのレベルを下げるため、意識があるぶんだけ苦しくて仕方ない。


「あっあぁあっ…はぁ…はぁ、あかっや…あぁっん!」

「……A先輩さっきから反則しすぎっス。せっかく我慢してるのに。」


赤也は溜め息をつくようにそう言うと、機械をぐぐっと奥に押し込んだ。


「…やだっきゃあぁんっ!」

「ははっ。すっげ。今ので6回目。」


赤也は奥に押し込んだ機械をぐりぐりと動かして私の反応を楽しんでいる。
止めどなく蜜が溢れる場所に指を這わせてから舐めとった。


「やあっ!!やめてっ!あっうあっぁぁっ!」

「ここがいいんでしょ?」


ガクンガクンと身体が揺れて、私は頭が真っ白になった。


「今連続でイったっスよね?もう何回イったかわかんなくなったじゃないっスか。」

「あっあぁっ・・・」


ズルッと私の中から機械が抜かれた。
愛液がぐしょぐしょと溢れる。
赤也が手足を縛っていたタオルをほどくと、ようやく全てから解放された私の身体は力が入らずベッドにだらりと横たわった。
長時間全速力で走った後のような呼吸を繰り返す私を、赤也は見下ろすように眺めていた。


「先輩のせいで回数がわかんなくなったっス。どーしてくれるんスか?」

「はっはあっ…はあ…」

「責任取って下さいよ。Aせーんぱい。」


赤也はクッと笑うと、愛液でベトベトになった機械を私の口に押し込んだ。


「んっ…」


赤也は私の口に機械をいれたまま、足を掴むとその中心に大きく脈打つそれをあてがった。


「んんっ!?」

「先輩のせいでこんなになっちゃったんスから、ちゃーんと責任取って元に戻して下さいね。」


「やめて!」と言おうとした瞬間、すごい圧迫感に息が詰まった。


「は…すっげぇ熱い…。」

「んあっやっ…あっあっ…んくっ!」


赤也の、いつもより大きい。
それがわかると私も自然と締め付けてしまう。
赤也が叩きつけるような激しい抜き差しを繰り返すと私の身体ががくがくと揺れて、ベッドがギシギシと壊れてしまいそうな悲鳴をあげた。


「A…!」

「は、あっ…ん!やあっんぁあぅ…!」


強い強い快感の波に身体が痺れすぎてもう感覚が麻痺している。
赤也が最後に入り口から奥へと突き刺すように動くと、私は身体をびくんと痙攣させた。
中で暖かいものが広がって、赤也も達したことを知る。
そのまま二人ベッドに沈み、私は意識を手放した。








「…ん。」

「あ、先輩。大丈夫っスか?」

ぼうっとする頭で、赤也の顔を見ると額に優しくキスを落とされた。
見慣れた天井は赤也の部屋のもので、私は身体も服もきちんとされて綺麗になったベッドに寝かされていた。


「寝ぼけてるA先輩って無防備っスね〜。また勃ちそ・・・」


赤也の言葉を遮るようにガバッと跳ね起きる。
今までのことを思い出して、真っ赤になって怒りにわなわなと震えた。


「あ、赤也っ!!」

「げっ!先輩、ちょ!!」


バシバシと赤也を叩いて、抗議する。


「なにがもっと知りたいよっ!!」

「いてて!すんません!」


赤也は私の手をぱしっと取ると引っ張って、私を自分の腕の中に閉じ込めた。
「先輩、可愛すぎ。」


耳元で熱っぽく言われ、最後にふっと息を吹きつける。
生意気だと思いながらもぴくんと反応してしまって。


「……赤也。下の、あたってるんだけど…。」

「A先輩が可愛い反応するから。」

「なっ!!」

「だって先輩がすぐに落ちちゃったから、俺さっき一回しかイッてないんスよ?」


足りないっス。と赤也は笑って、必死に抵抗する私を再びベッドに沈めた。
ぼすんと風が巻きあがって、ベッドの傍にある机の上の数学のノートがぱらりとめくれた。
端の方には意味深な数字が書き殴られていた。







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