小説2
- ナノ -


5




「あっ…っ、ぅ、ん…!」

我愛羅に連れられ戻ってきた一人暮らしのアパートで、サクラは扉を開けるや否や我愛羅に唇を奪われた。
そうして抱え上げられながら狭い部屋を進み、リビングと一緒になっている寝室もといベッドの上に縫い付けられる。

「はぁ…サクラっ…」

シュッと、乱暴にネクタイを解き、首元を緩める仕草の何と色っぽいことか。
サクラは口付けとは別に吐息を荒げながら溢れる唾液を飲み下し、上体を起こして我愛羅の首に齧りつく。

「が、我愛羅くんっ、あっ…ふぅ、ん、んむっ…」

背中を支えられながら、上体を丸めた我愛羅がサクラの唇に噛みつくように口付る。
互いの呼吸が肌を撫でる感覚をくすぐったく思いながら、それでももっともっとと背中を撫で、髪を掻き乱せば唇だけでなく頬や目尻、瞼、鼻先にと絶えず顔中に口付けが降ってくる。
自然と荒くなる呼吸に酸素が足りないと訴える体。思わず顔を逸らし喉を晒せば今度はそこに唇が落ちてくる。

「あっ…熱い…」

砂漠の熱さとも違う、真夏の太陽の焦がすような熱とも違う。
身の内からじわじわと燻っていた熱が全身に回り、指先さえ痺れさせるほどの熱量がどっとサクラの全身に押しよせてくる。

「あっ…我愛羅くん、我愛羅くんっ…!」
「サクラ…好きだ、サクラ、サクラっ…!」

ネクタイを放り投げ、乱暴にシャツを脱ぎ捨てた我愛羅の体躯は闇の中でもしなやかに蠢き、雄の色気を存分に醸し出す。
サクラは自分を被食者に感じながらも熱い掌に促されるままドレスの肩紐を落とし、真新しい靴を床に落とした。

「好きだ、サクラ…」
「私も…私も、好き…大好き、我愛羅くん、大好きっ」

抱き合いながら何度も口付合い、慣れない服をもどかしく思いながら互いにそれを脱ぎ捨てていく。
サクラとて恥ずかしさはあった。こんな性急な行為など経験したことがなかったからだ。
けれど体が欲しいと叫ぶのだ。囁くのではない。全身で、本能が、この男を欲しがれと焚き付けてくるのだ。それに抗う術など、サクラは持っていない。

「ああ…綺麗だ、サクラ…すごく…本当に、綺麗だ…」
「んんっ…!やだ、恥ずかしいっ…」

ベッドに押し倒され、繋がれた手を握りしめれば強く抱きしめられる。
そうして露わになった鎖骨に、肩に、二の腕に、指が這わされ唇が落とされ、泡立つ肌と高ぶる神経に身悶えれば慎ましい二つの乳房をそっと包まれる。

「サクラ…可愛い…」
「んっ!うっ、んんっ…」

ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて口付られながら、我愛羅の舌が谷間をなぞり、浮いた肋の溝を撫でてくる。
早急な手順ではあるが力加減は優しく、包まれた乳房もマッサージを受けているようで心地好い。それでも他の部位を絶えず舐めまわされ口付られれば興奮し、サクラの乳首も膨れ上げっていく。

「綺麗な形をしているな…可愛い」
「やっ…は、ずかしいってば…」

我愛羅の言葉に一々反応し、顔を朱に染めるサクラに我愛羅は口の端を上げる。
けれど指の腹でそっと乳輪を撫でれば途端に細い腰は跳ね、口元からはもどかしげな声が溢れてくる。
本当ならこのままここに吸い付き、齧り、舐めまわしたい。けれどそれをぐっと我慢しながら乳房を愛撫し続け、唇で肌を愛撫し続ければサクラの足がぎゅうと我愛羅の体を挟み込む。

「や、だ…!もう、ちゃんと、触って…!」

吐息を荒げながら、涙目で訴えられて没落しない男がどこにいる。
我愛羅はあっさりと理性を投げ捨てると唇を開き、望まれるまま主張する乳首へとむしゃぶりつく。

「はううぅっ…!!」

ぢゅう、と痛い位に吸い上げられ、けれど次の瞬間には舌の腹でゆっくりと丁寧に舐められる。
ざらついた舌の表面が、張りつめ、尖った乳首を撫でまわし、時には先を尖らせ抉ってくる。それだけでたまらない快感が全身を痺れさせ、サクラの唇からは濡れた声が溢れ出す。

「ああっ!やっぁあ…それ、だめぇっ…!」
「んっ…」

嬲られる度にじんじんとした痛みとも快楽ともつかない感覚が広がっていく。挟んだ体はダメと言う言葉に応える気はないようで、飽きることなくサクラの乳房に吸い付いている。

「ひんっ、やっ…!はぅ…」

ようやく唇が離されたと思っても、すぐさまもう片方を口に含まれ転がされる。
そうして先程まで吸い付かれていた乳首は指の腹で転がされ、時にはぐりぐりと押し込められ抓まれる。
気付けばサクラの下腹は痛いほどに疼き、下着を濡らすほどに愛液が溢れていた。

「はあ…サクラ…すごいな…お前の愛液で下着が透けてるぞ」
「え?!うそ、やだっ…!」

我愛羅のからかうような言葉に足を閉じようとするサクラだったが、両足を抱えられ担がれ、阻止される。

「足…綺麗だな」
「んあっ!?やだ、どこ、舐めてるのよぉ…」

熱く湿った舌先が、ツゥと足首からふくらはぎまで、そうして膝裏までたどり着くと舌先でくすぐってくる。
そのもどかしい愛撫に身悶え、シーツの海を泳げばますます我愛羅は執拗にそれを繰り返す。

そうしていつの間にか下着を足から引き抜かれ、隠す間もなく担がれていた足を開かされる。

「あっ!だめっ!」

慌てて掌で隠そうとするが、その手はあっさり捕まれ縫いとめられる。
思わず視界に入れてしまったソコは茂みまでぐっしょりと濡れており、下着を取り去ったことで女の匂いを色濃くさせる。

恥ずかしい…!
思ったか口にしたかも定かでなく、ぎゅっと目を閉じるサクラの目尻に唇が落とされる。
それは徐々に角度をずらし頬を撫で、涙の跡を辿るようにそこを滑り、そうして唇へと重なってくる。

「サクラ…本当に、すごく可愛い…いやらしくて、そそられる…」
「んんっ…そんなこと、言わないでっ…」

我愛羅に可愛いと言われる度に切なく胸が締め付けられ、いやらしいとからかわれれば下腹がキュンと疼きだす。
何ていやらしい体なのだろうと思わずにはいられない。だがそれでも、この体は我愛羅を欲している。

「ひゃうっ!」

何の前触れもなく我愛羅の指が熱く濡れた秘所へと宛がわれる。だがそれはゆうっくりと閉じられた割れ目をなぞるだけで、時折くしゅくしゅと柔らかな茂みの感触を楽しむように指の腹で撫でまわす。

(ああ…!触って、触って触って触って!!もっと、もっと奥…!そこばっかりじゃいやっ…!)

じんじんと疼くのは何も女壺だけではない。その入り口の少し上、隠れた花芽がじんじんと疼いて仕方がない。
自分で慰める時はそこばかり撫でていた。けれどいつもはこんなにも全身が高ぶっていない。もし今そこを弄られたらどうなってしまうか。知りたいような知りたくないような。
震える体はそれでも快楽に忠実に、尚且つ男を誘うように花開いていく。

「ぁあ…我愛羅くんっ…」

もう我慢できない。そんな蕩けた表情と声に我愛羅は渇いた喉を潤すように唾液を飲み下し、割り込ませた体を落とし足を大きく開かせる。
白い太ももも僅かに色づき、男にとっての花園からは溢れる愛液と女の香りが色濃く匂い立つ。それはまるで媚薬のように我愛羅の下腹を痛いほどに張りつめさせ、理性を剥ぎとっていく。

本当なら今すぐにでも滾った屹立を押し込み精を放ちたい。我愛羅は擡げる欲望と必死に戦う。
何せそれでは意味がないのだ。サクラの焦れた姿が見たい。懇願する顔が見たい。もうダメだと言うまでに蕩けさせ、己が欲しいと言ってほしい。
だからこそ己の欲望を無理やりねじ伏せると、渇いた唇を一度舐め、それから溢れる愛液ごと秘所を愛撫するように舌を潜らせた。

「んやあぁっ…!」

焦らされた挙句の愛撫はサクラに今までにないほどの快感をもたらした。
体が勝手に跳ね上がり、漏れる嬌声の大きさを制御できない。咄嗟に口元を覆っても、絶えず蠢く舌に翻弄され意味をなさずに溢れていく。
気付けば震える足が我愛羅の頭を挟み込んでおり、慌てて開けば花弁に吐息が当たり我愛羅が笑ったことが分かる。

「厭らしいな、サクラ。こんなに足を広げて…まぁおかげでよく見えるが」
「ば、バカっ!違うもん!そんなんじゃ、ひああっ!」

ビクン、と跳ねた腰から指先、足先にまで痺れるような快感が駆け抜ける。
それは普段自分が慰めている時に感じるのとは違う、目の前がチカチカとハレーションを起こし脳みそを溶かすほどの快楽だった。

「や…な、に…?」

震える足の合間、恐る恐る我愛羅を見つめれば、楽しげな男がゆっくりと舌なめずりをし、それから唇を開いた。

「へあっ?!んぎっ、いやぁあ…!」

ぢゅうっ、と音を立てて吸い付かれたのは今まで愛撫されていなかった花芽であった。
けれどそこはいつもの倍近いほどの快楽をサクラの全身に伝えている。こんなのおかしい、とサクラが訳も分からず必死に訴えていれば、下腹の内側で異物を感じる。
そこでようやくサクラは膣の中に指を入れられいることに気付き愕然とした。いつもなら自分の指でさえ違和感を覚えるというのに、今のサクラは男の指を何のためらいもなく受け入れている。

嘘、とサクラが呟く声が聞こえたのか、我愛羅は上体を起こすとツゥと糸を引く指をサクラに向かって掲げた。

「気付かなかったのか?もう二本目だぞ」
「えっ?!」

掲げられた指、人差し指と中指の間で透明な粘液が糸を引く。
その淫猥な光景にサクラが益々頬を朱に染め瞳を潤ませれば、加虐心をくすぐられた我愛羅が無意識に唇を歪め濡れた指を膣の中に再び潜り込ませる。

「あっ…」
「それと、先程見つけたんだがな、お前が弱い部分はココみたいだぞ」
「っ?!」

ぐりっ、と我愛羅の指先が膣の一点を押し上げる。
途端にサクラの腰は今まで以上に強く跳ね、目の前が真っ白に染まった。

「…はえ…?な、に…?」

ビクビクと震える下腹と太ももの間では、我愛羅が楽しげに目を細めてからもう一度、と呟きそこを押し上げる。

「ああっ!!」

今までに感じたことのないほどの衝撃。快楽と言うよりも衝撃と呼ぶに相応しいほど全身を貫く熱にサクラの下腹は益々愛液を溢れさせる。

「ココと一緒に弄られると気持ちいいだろう?相当暴れまわっていたからな」
「や、やだっ…!もうダメっ、弄らないでっ…!!」

ココ、と我愛羅が指を押し当ててきたのはサクラにとって感じるポイントである花芽であった。
これ以上触られたら飛んでしまう。期待よりもいっそ恐怖に震えるサクラではあったが、我愛羅は躊躇なくそこを柔らかく擦り上げ、同時に膣の中に埋めた指先で弱い部分を押し上げた。

「ああああっ!!!」

強烈な快感を覚えてしまえば止められない。どうすることも出来ない、逃がし方も分からない。
いっそ暴力的なまでの熱量に耐え切れず登り詰めれば、サクラの子宮が今までにないほど激しく脈打ち指を締め付ける。

「ああ…すごいな…ナカがうねって締め付けてくる…」
「はっ…はあ…あ、ふぁあ…」

果てた余韻が引いてくれない。
溢れる涙で頬を濡らしながら必死に呼吸を繰り返していると、膣の中から指が引き抜かれる。
そうして息を整える最中視線をずらせば、我愛羅の歯が避妊具の入れ物を破り、立ち上がった屹立にそれを被せていた。

(っ…!お、っきい…)

そそり立つグロテスクな性器を避妊具が覆っていく。
初めて見た我愛羅のソレに思わず喉を鳴らせば、気づいた我愛羅が薄く笑った。

「後で舐めてくれ」
「っ!ば、バカ…」

でもきっと自分は言われた通り舐めてしまうのだろう。アレだって我愛羅の一部なのだ。ならば愛さずにはいられない。
照れつつもサクラがおずおずと足を広げれば、我愛羅も体を割り込ませヒクつく膣の入り口に向かってそれを押し当てる。

「…挿れるぞ…」
「うん…きて…」

高鳴る胸が望むまま、濡れた膣を押し広げるように我愛羅の熱が入ってくる。

「んんんっ…!!」

慣れない感覚に逃げ腰を打つが、すぐさま押さえつけられ奥まで押し切られる。

「あうっ!」
「はっ、ぐっ…!はい、った…」

根元までずっしりと、まるで体を貫かれたような熱量と感覚を味わいながら張り込んできた屹立を包み込む。
その形と大きさと、脈打ち震えるところまで全て覚えるかのように締め付ければ我愛羅の額から汗が流れ落ちる。

「うっ…!あ、まり…締め付けないでくれ…余裕がないんだ…」
「っ!」

余裕がないということはつまり、自分の体で我愛羅が興奮してくれているということだ。
その事実がたまらなく嬉しく、サクラはつい無意識で我愛羅の屹立を締め付ける。
途端に苦しそうな声が漏れるがすぐさまそれは鳴りを潜め、獰猛な瞳がサクラを貫いた。

「すまん…!もう、無理だっ…!」
「あっ?!あ、やっ!そんな急に、ああっ!!」

腰を強く掴まれたかと思うと根元まで収まっていた屹立があっという間に抜け出て行き、けれどすぐさま奥まで押し込められる。
そのあまりにも力強い律動に腰が跳ね、縋るように目の前の体に腕を伸ばせば自然と背中に爪を立ててしまう。

「サクラ…!サクラ、サクラっ…!!」
「あっ!ああーっ、あ、ああっ!!ひあ、あぐっ、ぅんんっ!やああっ…」

汗で滑りそうになる手で必死に縋りつき、掻き抱かれるようにして抱き込まれながら唇を重ねる。
潜り込ませた舌で互いの吐息すらかき混ぜるように愛撫し合い、本能の赴くままに腰を打ち付けあう。

サクラの体だけでなく我愛羅の体にも汗が浮き、動く度に額から滑り落ち頬を撫で、顎下から落ちていく。
涙のようなそれに気付いたサクラが舌を伸ばし、必死に舐め取れば益々激しく口付られ深く膣を抉られる。
そうして濁流に飲み込まれるようにして男の体に閉じ込められたまま、サクラは再び高みへと登り詰め、震えた。

「はあ…あっ…はっ、あぁ…」
「はっ…はあ、はーっ…」

互いに荒い呼吸を繰り返しながら、余韻に震える体を抱きしめあう。
圧し掛かってきた男の重みを愛しく思いながら、絡めた足でぎゅうとその体を全身で抱き込んだ。

「…すき…我愛羅くん…だいすきっ…」

きゅうと思いに比例するように子宮が収縮し、未だ脈打つ我愛羅の屹立を締め付ければ我愛羅の唇が乱暴にサクラの唇を塞ぐ。

二人の夜はまだ始まったばかりであった。




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