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あとがき



 *あとがき*


 長々とお付き合い頂き、本当にありがとうございました。『目指せ脱喪女?! 喪女審神者奮闘記』これにて完結でございます!!

 いやー、長かった……。長かったですねぇ……。途中色んなジャンルに嵌ったりスランプに陥ったり一次創作したりと浮気しまくったおかげで完結にかなり時間がかかりましたが、どうにか終えられることが出来て本当によかったです。

 今作は色んな意味で“異色”の話、そしてオリジナル設定が濃い話になりましたが、楽しんで頂けましたでしょうか。ぶっちゃけ個人サイトだから出来るシリーズだと思っております。(笑)

 一応日記の方ではポツポツ言っていたのですが、水野シリーズはずっと『陸奥守×水野』を推しておりましたので、今回ようやく落ち着く形に持って行くことが出来てほっとしました。まあ途中かなり悩みましたけれども。

 あとはですね、このシリーズを書く時に考えていたのが、今までずっとフォーカスを当てて来なかった水野の【リア恋事情】そして【水野の過去】に関して掘り下げよう。と思っておりました。そして同時に【水野と神様たちの関係性】や【水野を取り巻く環境・育った環境・家族】についても一度しっかりと描写をしておきたかったので、今作では沢山リアルの世界の描写も織り込みました。

 おかげで途中「ここほんまにいるか?」みたいなグダグダに感じたシーンもあったかと思います。ですが人間って簡単に変われる生き物ではないと思うので、前に進んだりやっぱり戻ったり、明るい顔の裏で沢山のことに傷ついた過去があるけど、それでも前向きに生きて行こうとする水野を書けてよかったなぁ。と思います。

 さてさて。そんなわけで毎シリーズ恒例の【補足コーナー】に入りたいと思います。


 ・まずは今回の敵となった『小鳥遊』と【悪神】について。

 最初に語らせて頂きたいのは、終盤で退場したメイン悪役と思われていた女性、小鳥遊についてです。本名でも審神者名でもありません。後々出て来る『明日香』も偽名です。
 彼女は割と不遇と言えば不遇な家庭環境にいたのですが、そこに付け込んだ悪神のせいにより性格がめっちゃくちゃ歪みました。スーパー自己中女です。
 世界の中心は自分じゃないと許せないタイプ。ガチの地雷女系ですね。男はアクセサリー。刀剣男士はブランド品。そんな感じで見ていました。その癖「自分を愛してくれない者はいらない」と言うタイプ。本当に面倒くさい。
 これには両親の愛情が不足していたのが原因ですが、結局姉と弟を消そうとも「自分は二人の代わり」という気持ちが心の奥底にあったので常に「自分を一番に愛してくれる誰か」を求めていたことになります。でも実際に恋をされても愛されても相手を信じ切れなかったので『幸せ』を得ることは出来なかったんですよね。どこまでも自業自得なタイプ。
 なので水野とは正反対なんですよね。水野は家族(祖父母・両親・兄)にとても愛されて育ったので。だから『愛されている女』は天敵なんだと思います。
 見た目とか性格とか関係なく、自分が家族から与えられなかったものを与えられているだけで憎悪の対象になると言いますか。だから今回の事件、完全にとばっちり感あったのですが、最終的には積み重なった代償を自分の命で払った感じですね。

 実際、陸奥守が額を撃ち抜いた『水野の身代わり』は彼女です。だから大和守の『主の仇』発言は間違いではありません。どんなに見た目が変わろうと絶対に「主の仇を取る」と思い続けて来た大和守により最期を迎えました。(ただ自分の主が愛した人を殺した、という業にも繋がるからこの主従しんどい。ってなるのですが)
 勿論天国にはいけません。仕出かしたことが仕出かしたことなので。

 そして彼女と共に消えたタクシーの運転手さんは既にお亡くなりになっております。契約者以外の人間が『魔のモノ』に触れたら命を奪われるので、もうどうにもならないです。本当にただただ可哀想なおじさんでした。ごめんね。


 ・“強奪”を含めた『悪神』たちについて。

 モチーフは『七つの大罪』ですが、別に必ずこれに沿っていたわけではないです。ただ人の心に巣食いやすい欲望や感情を元に作り上げたモチーフです。つまるところ【悪心】のこと。これが育ち、所謂“悪魔”になり、それが更に面倒な力を得てまるで『神』のような存在になったことから『悪神』と表現しました。
 だからもう一つの言い方でもある『魔のモノ』に関しては、悪神でもあり、悪神の眷属、または瘴気といったそれに類するもの全般を指す言葉になります。なので悪神も『魔のモノ』も大きく分類すれば同じようなカテゴライズです。ですが特に『小鳥遊』に憑りついていた“強奪”は最も力が強かったので、数多いる『魔のモノ』の親玉として存在しておりました。
 因みに小鳥遊は“夢魔”の力を借りて未来で起きる出来事を事前に夢で見ることが出来ました。(とはいえあくまでも可能性の一つでしかない)そこで水野と自分が出会う未来を見て、水野のせいで自分の“幸せ”が壊されることを危惧し、元ブラック本丸の男(後に大蛇となる)を誑かし、自分の手駒としました。
 なので彼は初めから利用されることが決まっていたんですよね。それでも彼は小鳥遊に人生を捧げたわけです。見る目がない。
 で、後々大蛇となった彼は日本号さん、そして水野が見ていなかったため描写はしていませんが、加州と髭切により討ち取られます。

 この元ブラック本丸の男性審神者、骨喰が見た通り自尊心が高いけど、臆病者の平凡な人でした。成績は中の下と下の上を行ったり来たりしている感じ。そこまで優秀ではありません。
 ただ所持刀剣数は水野より多かったのですが、如何せん男としてのプライドが高く、見目も性格もいい刀、そして歴史ある刀は苦手としておりました。一応育成自体はするのですが、内心では顔の良さを妬んでいた男です。うん。まあこればっかりはしゃーない。刀剣男士神様だから見目がええんや……。諦めてくれ。という感じ。

 だけど骨喰は記憶がないことと、見た目に無頓着であることから「コイツは俺を内心バカにしないだろうな」という思いがあり、重宝していたところがあります。結構なクズ。
 それでも骨喰や大和守は主として慕っていました。ただ水野に救出されなかった刀たちは、黒い水に取り込まれ、鳳凰様の炎により浄化されると同時に燃やされております。一応は成仏、っていう形になるのかな。なので小鳥遊の刀も、彼の刀も、もうどこにも残っておりません。
 因みにあの黒い水は水野の本丸と小鳥遊の本丸、そして元ブラック本丸の三つを黒い水で繋げて穢れの力を強くしていた、という清らかな神々からしてみれば「お前本当ふざけんなよ」というクソ仕様でした。だからこそ水神はグロッキー状態になったのですが、どうにかこうにか首の皮が一枚繋がって生き延びました。

 逆に新人審神者狭間くんは完全なる被害者ポジションです。ただ霊力があったばかりに狙われてしまった不運な子。とても怖がりで臆病。陰気で自信がないタイプ。それでも頑張って審神者になろうと思ったらこんなことになってしまい、現在はベテラン審神者のところで必死に慣れようと頑張っています。
 ただ霊力の強さは武田さんを抜くほどなので相当です。なので刀剣男士の顕現に関しては問題ないので、ある意味水野とは反対とも言える。


 ・竜神様について。

 竜神様は喋れないのではなく、鳳凰様のような“声”と思わしき“声”を持っていないので無口なのです。喋るというよりも“音”を“文字”にして伝える感じ? だから脳内に直接響かせているので、実は聞く人によってその声というか、トーンの高さは異なります。
 ただ竜神様と鳳凰様については後々書く小話で掘り下げていこうと思いますので、ここではこの辺で止めておきます。


 ・鳳凰様について。

 こちらは今作で初めて登場させた新たなる創作神様です。物知りで豪快。典雅にして優美。けれどちょっと孤独で寂しがり屋で構いたがりの愛情深い神様です。実は竜神様より年下。ですが権能を三つも持っているので、火神の中では上から数えた方が早い序列にいます。
 鳳凰様はとにかく『命』が好きです。武神でもあるので特に勇ましい命が大好きなのですが、かと言って弱々しい命が嫌いかと聞かれたらそんなことはありません。どんな命も常に『弱肉強食』の世界にいます。花も虫も同じです。なので花も虫も人も動物も等しく愛おしく大事に思っています。
 だからこそそれらを穢す存在が大嫌いで、許しがたく思っています。
 ただ火の神様なので木々や草花には簡単に触れられませんし、それらの精霊や神々とはあまり仲良くなれません。相手にとって火の気が毒となるからです。自分より高位の位置にいる神相手ならそこまで気にしなくてもいいのですが、眷属にするのはかなり難しくなります。

 じゃあ何で陸奥守は平気なんや。と聞かれたら、ぶっちゃけ平気ではありません。陸奥守の場合はかなり無理をしています。

 その前に一つ語らせて頂きたいのですが、実は水野本丸の陸奥守は、シリーズ一作目。鬼崎の初期刀である『陸奥守』と同期していた頃から「目」に力がありました。これは鬼崎の初期刀である陸奥守と“リンクしていたから”だけが理由ではありません。むしろそれは副産物で、最たる原因は水野の力が「目」に宿る性質だったからです。(因みに一作目の補足で明記していますが、水野の祖母も“千里眼”という目に因んだ能力を持っています。つまり水野の家系は目に力が宿りやすい血筋)

 つまるところ『初期刀』である陸奥守は水野と竜神様の『気』だけで顕現した唯一の個体となります。故に一番その力を強く引き継いでいるんですよね。
 小夜に関しては鍛刀場(鬼崎の力が混ざっている場所)で顕現したので実は純粋に水野と水神の気だけで顕現したわけではありません。むしろ本丸内で神卸をされた時点で少なからず鬼崎の力の影響は皆受けているので、純粋に『水野と竜神様だけの力』で肉体を保っているのは陸奥守だけとなります。

 だからこそ鳳凰様の眷属にもなれたわけですが。
 これは本作中にもちょろっと書きましたが、元は「地・金」の眷属である刀が「火」の属性、更に言えば「命・戦(破魔)」の気も宿す鳳凰様の眷属に変わるのは一筋縄ではいきません。何せ本来なら相克であるはずの金の属性なので。火の眷属になることは本当に容易なことではないのです。
 が、水野の性質が火に強い「水」であること。そして刀の属性である「金」は水を生むという相生の力が作用すること。また鳳凰様の力も偉大なる真祖の火の神の分霊であり、与える力を抑えているから成功した。という異例中の異例。特異中の特異な関係だからこそ成功した『眷属例』という設定です。
 本来なら無理なことなんですが、度重なる偶然というか幸運で上手く作用した感じですね。

 そして「命」を司る神でもある鳳凰様が特別に肉体を与えたため、本科である刀から一振りだけ枝分かれした状態、所謂「平行世界の陸奥守」のような、別個体として存在することが許可された状態になっております。ようは『本科:陸奥守吉行』の影響を然程うけない、ということ。(全くではないです。縁が切れたわけではないので)(ようはFateで言うところのセイバーがアーチャーになったりランサーになったりする感じ)

 逆に言えば水野が死ねば陸奥守はいつか耐えられなくなる可能性が高いです。その場合は鳳凰様が自ら手を下すことになります。(過去そういう事例は幾つもある)なので鳳凰様は「いつか失う命と分かっていても、その時までは面倒を見てやろう」という感じで鳳凰様なりに陸奥守と水野を可愛がっている感じです。一応愛情深い神様なので。(笑)


 さて。それでは水野についても掘り下げます。

 今回新たに発覚した水野の力ですが、まず一つ目。水野の「目」は霊視が出来る他、本質や性質(霊力や神気)も視ることが出来るようになりました。簡単に言えば嘘や偽り、「迷わせる」ような術は効かなくなります。感覚として「こっちじゃない」って分かるんですよね。この力が強くなるとより正確に『過去視』が行えるのですが、コントロールが出来ないので何とも言えない感じです。
 因みにこの力、竜神様に与えられずとも覚醒する予兆は本作中にも描写しておりました。(八話の『転々』の二ページ目のお風呂でぼんやりとした何かが見えた描写)ですからこの時点で水野は結構力をつけてはいたんです。ただ竜神様が穢れにより危ない状態に陥り、深く祈ること、神のおわす御座に長くいることで無理矢理、そして無自覚に魂の神格化を進めてしまったんですよね。ですのであともう少しで魂の質が『半神』と同じになります。ようは神話の世界の神様と人間のハーフみたいな感じ。
 それから、『寵児』と『竜の子』についての違いは別の話で説明する予定なので省かせて頂きます。すみません。

 そして二つ目。「まことの言葉」について。これはそのまんまの意味。心に嘘を吐かず、常に物事に真摯に向き合い、心を込めて言葉を使うことにより言葉に力が宿るというもの。なので清らかな言葉を使い続ければ、それだけ神たちに対しても(微力ではあるものの)「神聖な力」を与えることが出来ます。ようは「バフ」。
 なので「誤魔化す」はギリセーフだけど、嘘をつくと力は弱まっていきます。(一度に失われるわけではないので徐々に徐々に、という感じ)


 ・水野の本名について。

 本名は『冬千由佳(とうせんゆか)』です。苗字は『一騎当千』という言葉から取ってきております。珍しい苗字にしたかったことと、水か冬に因んだ漢字を入れたかったので『当』を『冬』にしました。だから実のところ、陸奥守がホワイトデーのお返しとして雪の結晶のような花の形のネックレスをあげたことは水野的には「おおう?!」っていう感じでもあったんですよね。ニアピンというか。勿論当時陸奥守は水野の本名何て知らないので、マジで勘で選んでおります。そういう意味では水野本丸の陸奥守は勘が鋭い方ですね。
 因みにこれも別のお話で書くつもりですが、水野の本名をフルネームで知っているのは陸奥守だけ、名前だけなら小夜、苗字だけなら秋田が知っていることになります。(小夜は母親と話している時に傍にいたから)(秋田は実家に車が突っ込んだ時、水野が警察に名乗ったのを鞄の中で微かに聞いたから)でも全員黙っています。本名とはそれだけ大事なものなので。水野を守るための措置でもありますね。

 で、下の名前の『由佳』に関しては、苗字が珍しいものだから名前はよく聞く名前にしよう。と思い、よく見る名前を幾つか候補に入れていました。「ゆり」とか「えり」とか。その辺。ただ『姓名診断』した時に最も結果がよかったのが『冬千由佳』だったので、これに決定しました。(笑)
 はい。そういう理由付けです。


 ・水野の友人『八神颯斗』と『若宮相馬』について。

 彼らは水野にとって『初恋の男』と『初恋を捧げてきた男』という、水野の人生に欠かせない男達となっております。
 片や初恋の男、片や初めて自分に告白してきた男。なので、正直忘れられない男達ですね。だからこそ陸奥守は「羨ましい(主の心に一生刻みこまれることが確定しているから)」と呟いてしまったのですが。
 で、『八神颯斗』は明るく気さくな“いい男”です。水野のことは『性別を超えた友達』だと思っているため、そういう目でみたことはありません。
 対する『若宮相馬』は後ろ向きと言うか、自分に自信がない男。実は水野と似ているタイプですが、道を違えたためその代償を支払うこととなった可哀想な男枠です。
 ただ若宮相馬に関しては陥れられてこうなったため、自業自得とは言い難く、水野も出来ることがあれば支えてやりたい。力を貸してやりたい。と思っています。
 立場的に『当て馬』に見えるかもしれませんが、水野にとっては大事な友人であり、水野が『恋』という感情を学ぶために必要なキャラクターであり、水野の過去をより鮮明なものにするために必要なキーパーソンだったため、安易な当て馬にするつもりはありませんでした。むしろ個人的に『当て馬』なのはやっちゃんの方かもしれないです。(笑)

 彼にも春が来るといいのですがね。はい。


 因みに水野は専門学生時代にもう一人、別の男性からも告白されていますがこちらも振っております。その人のキャラクター設定も出来ていますので、そのうち何かの小話で、気が向いたら書くかもしれません。(予定は未定)


 ・『水神』の眷属になった刀たちについて。

 これは水野と二年間共に苦楽を共にした二十四振り(小夜・秋田・前田・平野・秋田・乱・五虎退・薬研・鯰尾・鳴狐・堀川・長谷部・宗三・大倶利伽羅・歌仙・和泉守・加州・山姥切・同田貫・江雪・大典太・鶴丸・鶯丸・三日月)が新たに水神の眷属に加わりました。とはいえ特別な力を与えられたわけではありません。強いて言えば火の気を持つ陸奥守に対して優位に立てる・同等に打ち合いが出来る。というだけです。なので通常の出陣には特に影響はありません。
 ただ『水神の寵児』である水野を守ることが眷属入りの前提となっているため、本丸から一歩でも外に出れば水野の警護に全力を尽くさなければなりません。またふざけた口調や態度は原則禁止となります。とはいえ水野が『許可している』のである程度は大目に見て貰えます。が、暴力を振ったらその時点でアウト。即眷属としての証は奪われますし、他の眷属たちからボコボコに制裁を加えられることになります。南無三。

 で、水野本丸の中ではもう一人の特異人物三日月は『呪術』に縁が深かったため(一作目)水野本丸の中では誰よりも『まじない』に関しては力を発揮します。故に水野のために特製の面布を刺繍したのですが、これは穢れた水に巻き込まれた時に流されたのではなく、悪神の“強奪”により奪われました。そのため水野は後々三日月に「ごめんね」と謝罪するのですが、本人は「主が無事ならそれでよし」と思っているのでさして気にしてはいません。ですが大典太同様、必要があればその手の物は幾らでも作る気でいるので、これからも『呪術』に関しては最も力を発揮する個体となります。

 そして火神の眷属・水神の眷属が二十五振りもいるだけでなく、審神者自身が半神であるうえ、権能を持つ古き神々が二柱も降臨する水野の本丸は今後政府役員から『クソヤバ本丸』と言われることになります。(※勿論ちゃんとそれっぽい呼ばれ方はちゃんとします。おふざけで呼ぶならこんな感じっていう名称)
 なので水野と接触出来る役員は『武田さん』『柊さん』『火野さん(二作目で出て来た警察と関係を持っている役員)』の三名のみとなります。その三名が何かしらの理由で連絡出来ない時だけ、別の役員が備え付けの電話に連絡を入れる形となります。

 そんな水野本丸、何だかんだ言って人や神様との縁が非常に濃いので、割と色んな審神者たちから連絡も来ますし、刀剣男士たちからはお手紙が届きます。(大体離れに隔離していた刀から)彼らは時折水野の本丸に来ては庭園を眺めに来たり、花を貰いに来たり、竜神に祈りを捧げに来ます。あとここで花を育てる楽しさを学び、新しく契約した本丸でガーデニングを始めた刀剣男士もちらほらいたりします。
 水野本丸は水神様がいるため水がめちゃくちゃ綺麗。神気も混ざっているので、自然と飲み食いするだけで浄化されていきます。なのでブラック本丸で救出された刀たちも、水野本丸で数日過ごすだけで錯乱状態は落ち着きますし、次第に元の『自分らしさ』を取り戻す個体が多いです。そこからどうなるかは個体によります。いい審神者と出会えればすぐに出て行きますが、縁がなければ長く残ることもあります。それでも水野たちが笑顔で「おかえり」と言ってくれるうえ、庭園を弄るなどの肉体を動かす時間もあるため深く悩みすぎずに済む環境になっています。そういう意味でも水野は色んな刀たちから感謝の気持ちを頂いており、それが結果的に竜神の力にも繋がっています。

 ただ水野を好いてくれる人はどこまでも好いてくれるのですが、小鳥遊のように嫌う人は憎悪のレベルまで嫌って来るので結構極振り。そういう意味では中学時代後者側が多かったので、水野は傷つきまくって鈍感になるしかなかった。という設定があります。


 ・水野の中学時代について。

 別にやっちゃんが悪いわけではないのですが、モテ男の大親友と言う名の性別を超えた友達だったがために、嫉妬の対象となり言葉でいじめられた時代です。高校は別だったため特にそういうことはなく、平和に過すことが出来ました。ただ中学時代で『鈍感ハイテンションお笑いキャラ』が出来ていたので、ずっとそのままでした。
 もしも周りに嫉妬されず、色んな人と仲良くなれていたら水野は喪女でもなかっただろうし、審神者になっても刀たちから毎回溜息を吐かれなかったかもしれない。でもそうならなかったから人の痛みには敏感にもなったし、立ち上がる強さも身に着けたし、後ろ暗い気持ちになる人たちの気持ちも分かってやれる人になりました。まあその分自己評価は低いし自分の命軽く考えちゃうクソヤバイ部分もあるのですが。それは今後刀たちが時間を掛けて矯正していくと思うので、まあ後々に期待。という感じですね。


 ・水野の肉体について。

 体型的な意味じゃないです。(笑)
 まあ体型も水野は自分で『デブ』と言うほどものすごく太っているわけではないのですが(就任時より痩せてもいます)散々子供時代に悪く言われたため、極度に自分の見た目を卑下している部分はあります。でもすっきりやせ型でもないので『モチモチ』はしております。マシュマロというよりはモチモチ。なので硬い肉体を持つ刀剣男士たちはつい触りたくなる感じです。なんていうか……。お気に入りの柔らかいブランケットやクッションを抱きしめる感覚に近いといいますか。
 まあ好き放題触ることが出来るのは陸奥守だけなんですが。(セクハラ)

 それでも水野は自分からは平気で触るタイプなので、刀たちは触れない代わりに「触ってくれー」って甘えに行く感じになりますね。素直に甘えられない刀に関しては水野が肩を叩いたり、悪ふざけの感じで髪の毛ぐちゃぐちゃにしたり、というスキンシップを取っているので割と触っては貰っています。よかったね。(違う)

 真面目な話に戻しますが、水野の霊力は生まれながらにして水神が宿っていたため、水の性質がほぼ100%です。だからこそ鳳凰様の加護が体に現れても、火の力に優位に立てる水の気質が強いためバランスが取れていました。ただ鳳凰様の加護を受け入れることが出来たのは水野のご先祖様に『火の気質』を持つ人がいたから。その人の血が僅かとはいえ流れていたため鳳凰様の加護を受けても平気だった感じです。とはいえ鳳凰様の加護はそこまで力が強くなかったから平気なだっただけど、多分もうランク上とかだったら水野も体調崩してました。

 あと水野は陸奥守と今後交わる(ようは『夫婦の営み』)をすればするほど陸奥守の神気が流れ込むので神格化が進みやすくなります。なので定期的に竜神様が火の気を食べることになるのですが、この程度であれば逆に竜神様にとっては質のいいおやつと言うか、栄養素、栄養補助食品? みたいな感じになるので、竜神様にとってはいいことです。ただ水野の肉体が神様寄りになるのでやりすぎには気をつけなきゃいけない……のですが、気をつけられるのかは陸奥水次第なのでそこは謎です。(笑)


 ・水野これから現世に行けるの問題。

 これに関しては『現世には行けるけど、色んなものが予期せず見えるから嫌になっちゃう可能性大』っていう感じですね。あとは神格化が進めば進むほど現世に行くと体がだるくなります。高山病とか低気圧で起こる不調に近いです。だから周囲の人の目に映らなくなるとか、そういうことにはならないので大丈夫です。


 ・そういえば鳳凰様がプレゼントしてくれる予定の琥珀どうなったん。問題。

 これは後々別の小話として用意しますので今回は割愛させて頂きました。すみません。


 ・増えた刀剣男士について。

 水野は『霊力は少ない』ままなのですが、現在は魂の神格化が進んでいるため『竜神様の神気>>>一作目の刀剣男士たちに与えられた神気>>>>>水野本来の霊力』という感じなので、ぶっちゃけ『神気』の方が多いです。しかもこの『竜神様の神気』は竜神様に力がつけばつくほど増えていくので、結果的に水野の神格化が進んでしまうんですよね。
 なので刀剣男士たちにとっては霊力よりも神気の方が体に馴染みやすいので、太刀でも大太刀でも槍でも薙刀でも問題なく出陣は可能になります。が、実のところ水野は太刀・大太刀・槍・薙刀は一切自分の力で手に入れていないという……。(光忠も元々は鬼崎が送り込んだ刀。ただ呪術は掛けられていないうえ、本人も知らないので光忠はずっと『水野に呼ばれた』と思っている)
 いつか自力で呼べるといいですね。というお話。


 ・今後刀剣男士は増えるのか問題。

 増えます。増やします。今まで増えなかったのは、実のところ水野の刀たちが『これ以上ライバル増やしたくない』という気持ちが強すぎてもはや『祈り』や『願い』となって新たな刀剣男士を弾いてたんですよね。でも今回水野が陸奥守と結婚したため『主は陸奥守の妻』という認識になり、刀を弾かなくなります。ので、増えます。(笑)
 ただ一気に雪崩のようには増えないので、そこはぼちぼち増やしていこうと思います。


 大体こんな感じでしょうか。陸奥水の話や、他の設定を含んだ話は番外編といいますか、短編として別途上げていこうと思います。

 他にも何か気になることがあればお答えしますので、ご質問があれば拍手から送ってください。

 それでは途中休載も挟みましたが、シリーズに最期までお付き合い頂き本当にありがとうございました!!m(_ _)m
 陸奥水に幸あれ〜。(笑)


clap←完結記念に何か一言でも頂けたら嬉しいです。




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