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 急遽貰った休みが明けた翌日。アタシは気合を入れなおし、センパイが待つ本丸へと足を踏み入れた。が、そこは先日とはまた違った意味で緊迫した空気が漂っていた。

「あ、あの……皆さん、どうかしたんですか?」

 いつもなら出迎えてくれるセンパイの姿がないことも不思議だったが、何よりこの空気だ。基本的に本丸は審神者の性質に左右される。というのをセンパイから聞き及んでいる。だからこの本丸もセンパイみたいに明るくて賑やかなのが常なんだけど、今日は全然そんな空気じゃなかった。

「ああ……夢前様、おはようございます」
「長谷部さん、おはようございます。あの、センパイはどこに?」

 昨日は一日お休みを貰った。その間に私は改めて刀剣男士のことを勉強し、『覚悟』とか『気合』とか、いろんなものを新たに決意してきたのだが、そんなのじゃ足りないぐらい今の空気は重い。大広間に集う皆の顔は沈鬱で、焦っているようにも、怒っているようにも、悲しんでいるようにも見えた。

「それが……その……主は、今不在で……」

 長谷部さんらしくない途切れ途切れの返答に首を傾ける。そういえば、陸奥守さんの姿も見えない。思わず近侍でもある小夜くんの姿を探せば、彼は険しい表情で誰かと連絡を取っていた。

「はい……はい。では、よろしくお願いします」

 ガチャ、と通話の切れる音がする。最近では見ることの減った子機を台座に戻すと、小夜くんは改めて皆へと向き直った。

「武田さんが後程来てくれるそうです。それまでの間、出陣、遠征、演練は控え、内番のみにします」

 そういえばセンパイが教えてくれた。有事の際には審神者の次に皆を指揮する権限を持つのは初期刀だ、って。その次が年長者、または実力者となっている。って。だからセンパイも陸奥守さんもいない時は小夜くんがその役割を担っているのだろう。彼はいつになく硬い雰囲気で皆の前に立っていた。

「夢前さん、せっかく来てもらったのに、ごめんなさい。主は今、本丸にいないんだ」
「そ、うなんですか。えっと、じゃあアタシは執務室にいるんで、もし何かあったら声を掛けてくださいね」

 もし軍議が始まるならアタシは邪魔ものだ。だから引っ込んでいようと廊下に出ようとしたが、小夜くんに止められる。

「いえ、待ってください。出来ればこの後来る政府の方にあなたのことも指示してもらいたいから……居心地が悪いかもしれないけど、ここにいてください」
「は、はい……分かりました……」

 おずおずと、誰かの邪魔にならないよう隅っこの方に座る。周囲を見回せば、本丸のムードメーカーである鶴丸さんも乱ちゃんも、今剣くんも黙って座っていた。

「夢前様、事情を詳しく説明できなくてすみません。ですが、俺達もまだ何も分かっていないのです。どうか暫くの間ご辛抱を」
「あ、いえ。はい。大丈夫です。アタシのことは気にしないでください」

 気に掛けてくれる長谷部さんだけど、彼が「何も分かっていない」ということは結構ヤバイことなんじゃないかと思う。だってセンパイが皆に黙ってどこかに出ていくなんて考えられない。あれだけ皆を大事にし、大事にされているセンパイだ。もし黙って出て行こうとしても絶対に誰かに見つかって声を掛けられるか、ついて行こうとするに決まっている。でも、今ここにいないのはセンパイと陸奥守さんだけ。あの二人が勝手に、誰にも何も言わずにどこかに消えるだなんて、どうしても思えない。

 そうして待つこと数十分。ゲートに反応が起きた瞬間刀たちは大広間を飛び出し、アタシも慌てて後に続いた。

「武田さん!」
「小夜、長谷部、事情を詳しく説明してくれ」

 ゲートから出てきたのはアタシも数日だけどお世話になったことがある武田さん、という政府の役員さんだ。だけど彼は今まで見たことがないくらい怖い顔で小夜くんたちを見下ろした。

「はい。実は――……」

 武田さんと揃って聞かされた事実に言葉が詰まる。だって、そんな――どうして、センパイが、行方不明なんかに――。

「やっぱりぼくもついていけばよかった……! もしみずのさまのおんみになにかおきているのだとしたら、ぼくは……!!」
「落ち着け、今剣よ。そなたが取り乱したところで水野殿は戻っては来ん。今は何が起き、何をすべきなのか。冷静になる時だ。焦ってはならん」
「ですが岩融……!」

 今剣くんと岩融さんの声が一層不安を煽る。センパイは『一時的に預かっているだけだ』と言っていたけれど、彼らはセンパイのことを考えてくれているらしい。でも、中にはそうじゃない刀もいるみたいだった。

「あの者も我らの主同様夜逃げしたのではないのか?」
「ふん。どうせ弱い人の身だ。我々を扱えず、泣き帰ったのだろうよ」
「判断材料が少ないとはいえ、あまりいい出来事じゃないよね。この本丸、もしくは審神者が狙われているなら僕たちにも危険が迫る。楽観視は出来ないな」
「ていうか俺たち巻き込まれすぎじゃないですかー? 嫌になるんですけど、本当」

 コソコソと、だけどしっかりと聞こえてくる声にムッとする。何コイツら! これが神様の言うこと?! 神様なんだから、もう少しどっしり構えて、審神者の一人や二人ぐらい自分たちの手で探してみせよう、っていう気持ちぐらい見せろっつーの!! そう思って睨んでやれば、予想外の人物が口を開いた。

「コレ、お前たち。あまり恥を晒すではない。我らの神格を落とす気か」
「……三日月さん……」

 以外にも声を上げたのは『三日月宗近』だった。しかもセンパイの刀じゃない方の。確か彼は『預かっている刀たち』の中で一番偉い立場にいたはずだ。そんな人が注意すれば陰口を叩いていた刀たちも静かになる。

「すまんな、皆のもの。我が同胞の発言、あまりにも不適切であった。許せ」
「……次はないと思え」

 チキッ、と聞き慣れない金属音がして視線を向ければ、長谷部さんは自分の刀の柄に手を掛けていた。他の皆もそうだ。各々が自らの手に刀を握っている。危うくここが戦場になるところだった。
 それに気づいた瞬間全身に鳥肌がたつ。
 こ、怖すぎる……。

「一時とはいえ我々は世話になっている身だ。恩を仇で返すような発言は控えよ」

 三日月さんの凛とした声が辺りに響く。不満を漏らした刀たちは居心地悪そうに身を寄せ合っていたが、そうじゃない刀たちは次々に声を上げ始める。

「けどよぉ、一体どこに消えたってんだろうな。お前さんたちの主は」
「今までこんなことはなかったのかい? 職務に嫌気がさして現世に戻る、とか……軽い家出をする、とか」
「おいしゃんと歌仙の言いたいことも分かるけんど、俺はそうは思わん。水野さんはしっかりとした人ばい。勝手に出かけるとは思えん」
「ああ。博多の言う通りだ。主はこのように黙ってどこかにお隠れになるような方ではない。お前たちの主と違ってな」

 さっきのこと、やっぱり許せないんだろう。長谷部さんが不満を口にした刀たちを睨むようにして皮肉を言う。途端に刀たちのムッとした空気が伝わってきたが、武田さんが両手を叩いたことでその意識は消えてなくなる。

「気持ちはわかるが、落ち着け、長谷部。お前さんたちもだ。一時的にとはいえ世話になっている身だろう。もうちっと考えて発言しな。神の名が廃るぜ?」

 センパイが一人いないだけでこの本丸はこんなにもギスギスとして居心地が悪くなってしまうんだ。それだけ審神者という存在は刀剣男士たちにとって大きいものなんだ。改めて理解する。

「とにかく、小夜の話によりゃあ出かける前に不審な点は見当たらなかったんだろ?」
「はい。主はいつも通りでした。前日に僕たちが検非違使に遭遇していたので、その報告書をまとめている間に出かけられたのは事実ですが、ゲートに不調が起きたとか、主の様子が変だったとか、そういうのはなかったです」
「ふむ……なら出かけた先で何らかの事件に巻き込まれた、という線が濃いだろうな。全く……本当に何で次から次へと変なことに巻き込まれるんだぁ? 水野さんは」

 聞けばセンパイは以前もこうした変な事件に巻き込まれたことがあるらしい。それでもあんなに毎日楽しそうに、責任もって仕事をしていたというんだから相当肝が据わっているというか、凄い人なんだなぁ。と実感する。

「俺も携帯に連絡を入れてみたが返信はなし。いつかの事件の時みたいにメールは返ってくるし、通話も留守電ばかり。はあ……こうなりゃ“アイツ”を連れてくるしかねえかなぁ……」

 武田さんは嫌そうな顔で肩を落とし、控えていた太郎太刀さんも綺麗な顔をはっきりと分かるぐらいに顰めた。

「やはり、呼ぶしかなさそうですか?」
「こうなりゃ呼ぶしかねえだろ。榊さんは急遽入った神主の仕事で忙しいみたいだし、これ以上頼ってもいられん。背に腹は代えられん、という奴だ。太郎、悪いが呼んできてくれねえか」
「……分かりました。命令とあらば、承りましょう」

 めっちゃくちゃ嫌そうな空気を出しながら太郎太刀さんは一旦本丸を出ていく。一体誰を連れてくるんだろう。
 十分ほど待っていると、再びゲートが開いて太郎太刀さんが戻ってきた。

「お待たせ致しました」
「こんちはッス!! 新人の金剛寺ッス! よろしくお願いしまッス!!」

 うっわ濃ゆ!!
 新人の『金剛寺』と名乗った男の人は野球部みたいなテンションで挨拶してくる。ていうか全身だけでなく顔つきまでゴツイ。怖いというかゴツイ。
 確かに武田さんもガタイがいいけど、何ていうか武田さんは子供っぽい顔してるからそこまで圧を感じない。でっかいテディベアみたいな感じ。だけどこの人はダメだ。圧が凄い。何か、強風が吹いてる。多分顔面から。

「あー……気持ちはわかるが聞いてくれ。コイツはこんなんでも一応実力はあるんだ。実績がないだけで」
「ッス! 自分まだ新人なんで! すんません!」
「ああ……いや、うん……まぁ、いいんだけどよ、ちょっとボリューム落とせ。な?」
「うッス」

 武田さんが顔事目をそらしている!!! えー、ちょ、どんだけモンスター新人なんだっての。えー……アタシよりヤバイ系? いや、アタシは全然ヤバくないし! 超素直で可愛いし!! センパイみたいにまだ頼りにはならないかもだけど、ここまで暑苦しくはないし!!

「えー、改めて。コイツは金剛寺つってな。俺が面倒見ている新人だ。ただの新人なら連れては来ねえんだが……コイツは所謂ダウジング的な能力を持っている」
「ダウジングって……あの、二本の金属の棒を持って、何か地雷とか、そういうの当てるアレですか?」
「そう、それ。それの人探しバージョンだと思えばいい」

 へえ〜。ようは人探しのプロ、ってことか。ていうかそれなら公務員じゃなくて探偵になった方がよくない? その考えが顔にでも出ていたのか、武田さんが補足してくる。

「つってもコイツは霊力を辿って人を探すんだ。どっちかっつーと探偵、っていうより警察犬に近いな」
「ふぅーん……霊力で探すから政府の、審神者の役員になった、ってわけか」
「そういうこった」

 だけどどこをどう見てもヤクザにしか見えない。坊主頭に厚い胸板。背も高いし、筋肉モリモリだ。しかも厳つい顔してるし。……確実に子供に泣かれるタイプだわ、これ。

「つーわけで、この本丸の審神者が行方不明になったらしい。お前さんの能力で彼女がどこにいるか、分かるか?」
「はい。やってみます」

 軽く頭を下げた金剛寺さんは小夜くんに近づき、「あの」と声を出す。

「何でもいいんで、審神者さんがよく身に着けている奴とかありますか? キーホルダーとかライターとか、何でもいいんですけど」
「え……主がよく身に着けているもの、ですか……? うーん……何だろう……」

 そういえば、センパイはあんまりアクセサリーとか着けてないなぁ。ポーチのファスナーにはキーホルダー付けてたけど、今ここにあるかは分かんないし。ていうか出て行ったなら多分持って行っているだろう。化粧道具は女の必需品だし。
 よく着ているカーディガンはあるけど、知らない男性に衣服を触られるのは嫌だろう。っていうかアタシなら最悪捨てる。だって気持ち悪いじゃん。
 だけど向こうはそんなことお構いなしらしい。悩む小夜くんに「じゃあ」と何でもないように告げる。

「ハンカチとか、そんなのでもいいです。服とか下着とか、」
「下着ィ?!?!」

 これにはアタシも含め、センパイの刀たち全員が反応した。それはそうだろう。下着だなんて絶ッッッ対、思っていても口に出していいものじゃない!!!

「テメエ何言ってんだ! 斬るぞ!!!」
「兼さんの言う通りだよ! セクハラ案件だよこんなの!!」
「ちょっと武田さん?! 何でこんな人連れてきたんです?!?!」
「待て! 落ち着け! お前、このバカ! 前にも言っただろう!! 女性が審神者のところでは禁句だって!!」
「あ、すんません。でもやらしい気持ちとか全然ないんで」
「そうじゃねえんだよおおおおお!!!!!」

 叫ぶ武田さんと畳に額を押し付け「すみませんすみません」と謝る太郎太刀さん。……うん。苦労してるんだろうな。何となくだけど、察した。

「でも下着が一番分かりやすいんスよ。洗濯しても割と早いサイクルで」
「うわーーーー!!! バカ!! もうこれ以上喋るじゃねえ!!」
「すみませんすみません本当にすみません」

 うーわー……。コイツ絶ッッッ対モテない。絶ッッッッッッ対モテない。断言出る。絶ッッッッッッッッッ対モテない。
 つーか常識で考えてみれば分かるじゃん……。こんなの男性が相手でもセクハラだっつーの。呆れるアタシとは違い、刀剣男士の皆はまだ怒っている。

「政府の人事部はどうなってんだ! 性格とか吟味してねえのかよ!!」
「幾ら何でもこれは酷いぞ。流石の俺でも引く」
「ああ。エロ爺太刀だなんて時に罵られる俺達ではあるが、俺達とて弁える時はあるぞ」
「鶴丸と鶯丸はちょっとお黙りなさい。話がややこしくなります」
「とにかく、ハンカチでいいんですよね? それなら僕がとってきますから、これ以上話を変な方向に広げないでください」

 小夜くんが釘を刺しつつ廊下を駆けて行く。とここで再びゲートが反応した。

「こんにちは。水野さんはいるかい?」
「あ? あ、鳩尾さんじゃないですか。どうしたんですか?」

 武田さんが挨拶をしたのは『みぞおちさん』と呼ばれるお爺さんだった。彼の傍には歌仙さんが立っており、その後ろには蜻蛉切さんと山伏さんが荷車を曳いていた。

「武田くんか。久しいね。今日は水野さんに骨董品を譲る約束をしていたんだが……彼女はいないのかい?」
「それが……その、今は不在でして」
「おや。可笑しいね。彼女が何の連絡もなしに約束を無下にするなんて……ちょっと考えられないな」

 顔を顰めるのは審神者だけじゃない。歌仙さんもだ。センパイは本当に色んな人から信頼されているんだなぁ。こんなに年上で、偉い役職に就いていそうな人とも交流があるなんて……。

「お待たせしました、って、あ……鳩尾さん。こんにちは」
「やあ、小夜くん。君の主は今いないんだって? 約束していたんだが……何か聞いていないかい? 陸奥守もその時一緒にいたはずなんだが……まさか二人していないのかい?」

 みぞおちさん、の言葉に小夜くんが詰まる。それを不思議に思ったのか、みぞおちさんは皆の顔を見渡した後「ふむ」と渋い声を上げて顎に手を当てた。

「これは只事ではないね? 事件かな?」
「……はい。おっしゃる通りで……」

 武田さんの肩が再び落ちる。歌仙さんたちはお互いに顔を見合わせた後、自分たちにも話を聞かせてくれないだろうか。と本丸に上がることになった。

 そして事情を説明すること十数分――。

「…………成程。そういうことか」
「心配だね。彼女はとても澄んだ霊力を持った人だから、何かの事件に巻き込まれていてもおかしくはない」

 初対面のアタシにも丁寧に自己紹介してくれた鳩尾さんは、小夜くんの話を黙って聞くと何度も頷いた。

「私も何か力になれるといいんだが……生憎と金剛寺くんのような特殊な能力はなくてね」
「いや、お気持ちだけでもありがたいです。水野さん自身も、ここにいればそう口にしたでしょうし」

 武田さんの言う通りだ。センパイならきっとそう答えるだろう。でも、そのセンパイがここにはいない。誰もがセンパイの帰りを待っている。無事を願っている。でも、センパイから連絡が来ることはまだない。

「とにかく、今は金剛寺くんに任せるとしよう。どうかな? 何かわかったかい?」

 鳩尾さんが声を掛ければ、金剛寺さんは閉じていた目を開ける。

「いや……それが……」
「どうした。良いことでも悪いことでもちゃんと報告しろ、って教えたろ」

 口ごもる金剛寺さんに武田さんが注意すれば、彼はもごもごと言いにくそうに唇を動かした後、声を出した。

「それが、分かんないんです……分かる範囲内で霊力を辿ってはみたんスけど、万屋の途中でバッタリ霊力が途切れてるんです」
「はあ?! 何だそりゃ。どういうことなんだ?」

 金剛寺さんはハンカチを特殊な盤面の上に置き、更にその上から掌を置いて何かを追うように意識をそちらに集中させていた。詳しくは説明されなかったけど、その特殊な盤面は人を探すときに使う道具らしく、彼の家に代々伝わっている家宝のようなものらしかった。

「これで探せば、例えばどこかの本丸、あるいは店や倉庫、地下にいても探し出せるんスけど、どういうわけか万屋の店の前らへんで霊力が途切れてるんです」
「ということは、単なる誘拐ではない、ということですね」
「ッス。でも、多分死んではないと思います。もし審神者が死んでいたとしたら霊力自体辿れないので。そこはまだ、はい。大丈夫だと思います」

 センパイはまだ生きている。でも怪我をしているのかしていないのかまでは分からない。無事でいて欲しいけど、一体どこに行ったのか……。

「とにかくその霊力が途絶えている、っていう場所まで行ってみるか」
「ッス。分かりました」

 その後武田さんと鳩尾さんはアタシたちを本丸に置いて出て行った。その間に出陣、遠征、演練は禁止とし、内番だけは通常通り行うよう言い渡された。

「センパイ……」

 どうかセンパイが無事でいますように。アタシはただただ願うことしか出来ない。
 だけどその願いも空しく、一日、また一日と時間がすぎていく。そしてようやくセンパイと連絡がつき、この本丸に帰ってきたのは行方不明になってから三日も過ぎたころだった。


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