小説
- ナノ -


柔い少女


※性格の悪いカルナさん注意!



 手折りたい。この無垢な少女を。蹂躙し、凌辱し、身体の隅から隅まで味わわせたい。植え付けたい。その細い手足では己に勝つことが出来ないのだと、幼き少女に知らしめたい。

 その身に授かる令呪を以てしても、この身を制御することは不可能だろう。それほどまでの力を有していると、自尊心からではなく客観的な意見として持っている。だが少女はこのことを知らない。彼女にとって俺は自らを『マスター』と呼び、守り、慕う、体のいい玩具かもしれない。
 だが実際はそうではない。それを知ったらこの娘はどんな顔をするのだろうか。

「パパ……ママ……」

 眠る度に涙する、幼くか弱い我が主。彼女の両親が存命であれば、彼女も少女らしく無垢で愛らしい、さぞ美しい娘に育っただろう。
 だが現実は常に非情で無常だ。彼女を守る者はいなくなり、縋った先がこの俺だ。しかし彼女はそんな俺すら否定する。伸ばした腕を叩き落とし、拒否して閉じこもる。何とも面倒くさい主だ。だがそれでも。微々たる霊力しか持たぬ少女であろうとも、泣きながら喚く面倒な少女であろうとも、いつかはその身を食らいつくし、柔く白い肌に刻んでやろうと思えば苦ではない。

「覚えておけ、ジナコよ。俺はいつかお前を喰うぞ」

 涙の痕が残る目元を擦り、露になった耳元で歌うように囁く。さすれば少女は身をよじり、甘えた声を鼻から零す。ああ、そうだ。いつかこの手で手折ってやろう。その無垢なる魂に傷をつけ、一生忘れられぬ存在となってやろう。蹂躙し、凌辱し、身体の隅から隅まで俺の手で拓き、覚えさせてやろう。これが男という生き物なのだと。

「ああ……楽しみだ」

 だからその日が来るまでは、俺はお前の忠実な僕でいよう。待てと言われたら待ち、座れと言われたら座り、戦えと言われたら血を流し、守れと言われたら命尽きるその瞬間まで、お前の盾となり降り注ぐ全てからお前を守ろう。
 だが覚えておけ。いつか必ずその『代償』を払う日が来るのだと。今は無垢なる少女のまま、気ままに泣いて喚けばいい。先のことを思えば今のお前も愛いものだ。

「我が主よ。今は良い夢を見るといい。お前にとって都合のいい、少女らしい幸福な夢を」

 夢が幸せであればあるほど、現実のお前は絶望に打ちひしがれる。そして唯一縋れる相手が俺であると知り、理解し、近づいてきたところで手折ってやろう。

 明けない夜はないという。だが少女の無垢なる心を手折った時、果たしてこの娘に明日が来るのだろうか。
 幼い主に襲い掛かる更なる絶望に想いを馳せ、俺はそっと少女の髪に口付けた。



end



性格悪い没カルナさん美味しいです。


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