小説
- ナノ -





ちょっと成長して

兄「お父様、お母様はもともと木の葉のくノ一なんですよね?どうして砂隠にいるんです?」
我「あー…それはだな…」
サ「お母さん戦利品なの」
我「語弊がある言い方はやめなさい」
サ「うふふふ」
兄「(本当昔から変わらないなこの二人…新婚でもあるまいし)」
呆れる息子

妹「お母様はいいなー。お父様みたいな方が旦那さまで」
サ「いくら娘でもお父様はあげないわよ?」
妹「じゃあ私一生結婚できない気がするわ。だってお父様より素敵な男性きっといないもの」
サ「じゃあお母様は世界一の幸せ者ね」
妹「いいなー」
我「(入るにはいれない…(照)」
旦那自慢する妻。
因みに我愛羅くんは部屋に入ろうとしたのだけれど入るに入れずそのまま立ち聞き状態。(笑)
そのうち息子がきて何してるんです?って
ちょっと呆れた視線を向けられる。




大人女子会
い「あんたんとこって本当昔のままよねー」
サ「何がよ」
い「だって未だに一緒に寝てるんでしょ?」
サ「お風呂も一緒に入るわよ?」
い「…子供たちからなんか言われない?」
サ「仲良しね、って言われるぐらいかしら」
い「(逞しく育ってんのね…)」
遠い目をするいのさん。




我「サクラ、あれ取ってくれないか」
サ「はい、これね」
我「ありがとう」
サ「ん」
我「サクラ」
サ「あれならあそこよ」
我「そうか」
サ「あ、我愛羅くん!」
我「ん、」
サ「わ、ありがとう!」
妹「(夫婦の以心伝心って本当すごいわよね…いいなぁ)」
パパと以心伝心したい妹ちゃん

妹「お父様」
我「ん?」
妹「(じーっ)」
我「…?(何なんだ?)」
妹「はぁ…(やっぱり無理か…)」
我「?!(なぜ溜息?!)」
妹「ごめんなさい、お父様…(トボトボ)」
我「?!?!(何がごめんなさい?!何かしたのか?!)」
独り解決する妹と放置される父親。兄「お前何したの」
妹「何がよ?」
兄「お父様へこんでたぞ」
妹「何で?」
兄「何かわからんけど謝られた。俺は何かしたのだろうか。それともあの子に何かあったのだろうか。って母様に相談してた」
妹「お父様…!!(キュン!)」
兄「いいから事情説明して来い阿呆」
案外仲のいい兄妹。

我「反抗期とは違う気がするのだが…」
サ「まぁこの時期子供は多感だから」
我「それはそうだが…俺は父親らしくないのかもしれん」
サ「大丈夫よ。子供たちはあなたのことを尊敬しているし、大切に思っているわ。それに私がいるじゃない」
我「…あの子たちは俺の宝だ。勿論お前も」
サ「ん」
サ「何かあれば私があの子たちと話をするわ」
我「苦労をかける」
サ「何言ってるのよ。母は強いのよ?」
我「…そうだな」
サ「任せときなさい」
我「(サクラが妻で本当によかった)」
いつまでも円満な夫婦。
妹「お父様、さっきはごめんなさい!」
我「?!」
妹「実はお父様と以心伝心というか、目と目で会話というか、そういうのができないかな、って思って…」
我「そうだったのか…至らぬ父親ですまない」
妹「そんなことないわ!お父様は世界で一番素敵だもの!」
我「俺にとっても、お前は宝だよ」
妹「…!!(キュン!!)」
我「けれど、俺は人の心が読めるわけじゃない。お母さんともそうだ。本当は分かってやりたいが、わかってやれないことの方が多い。だから何かあったら言ってくれ。風影としてではなく父親として、お前の相談に乗れればいいと思っている」
妹「お父様…!」
娘も虜に

妹「やっぱりお父様が世界で一番だわ!!大好き!!」
我「そうか…(ほっ)」
兄「…仲直りしたっぽいね」
サ「そうね。安心したわ」
兄「母様はいいの?」
サ「何が?」
兄「アイツいつまでたってもお父様にべったりだけど」
サ「いいのよ。だってあなたたちは私たちの宝ものだもの」
サ「それに家族の仲がよくて悪いことなんて何もないわ。素敵なことよ」
兄「…そうだね」
サ「それにあなたも妹想いのいい子でよかったわ」
兄「そんなんじゃないよ。ただお父様が可哀想だなって思って…」
サ「はいはい」
兄「…(母様には勝てる気がしない。お父様もだけど)」
仲のいい親子

サ「仲直りできたみたいでよかったじゃない」
我「ああ。あの子も少しずつ大人になってきているんだな」
サ「そうよ。子供の成長なんてあっという間なんだから」
我「…いつか嫁にいくのか…」
サ「どこまで先のこと想像してるのよあなた」
項垂れる旦那に呆れる妻。でも笑ってる。

サ「ま、何にせよそのうちあの子たちもここを離れて独り立ちするんだから、私たちはそれまでの間あの子たちにできることをしないとね」
我「そうだな…」
サ「もちろん二人でよ?母親の私一人だけじゃ教えられないことがたくさんあるんだから。それは父親であるあなたの仕事よ」
我「そうだな」
サ「頼りにしてるわよ、お父さん」
我「ああ、全力を注ぐさ」
サ「うふふふ。頼もしい旦那さんで私も安心だわ」
我「俺もしっかり者の妻をもらえてよかったよ」
サ「…愛してるわ」
我「…俺もだ」
歳を重ねて好きよりも愛が強くなる夫婦。

サ「久しぶりに一緒にお風呂入る?」
我「そうだな。そういえばマツリにもらった入浴剤があったか」
サ「本当?じゃあ入れようかしら」
我「確かお前が好きな香りだったはずだぞ」
サ「わー楽しみー」
兄「…今日は長風呂になりそうだな」
妹「…そうね」
いつまでたってもラブラブな両親。

サ「体流してあげようか?」
我「随分サービスがいいな」
サ「出血大サービスよ」
我「では頼もうか」
サ「しっかり隅々まで綺麗にしてあげるわ」
我「…お手柔らかに頼む」
子供が見てることに気づいてるのにいちゃつく二人。子供は気の毒である。

サ「…我愛羅くんの体にも傷が増えたね」
我「男の傷は勲章とも言うが、油断の産物でもあるかもな」
サ「あなたが守ったものの多さでもあるわ」
我「これからも守り続けていきたいものだ」
サ「大丈夫。何があっても私が最後まで一緒にいるから」
我「…ああ」
背中を流しながらする会話じゃない

我「…何と言うか、あれだな」
サ「何?」
我「…照れるな」
サ「…やめてよ。聞いてるこっちが恥ずかしいじゃない」
我「すまん」
サ「(実は我愛羅くんの体に見惚れてたとか言えるわけない!!)」
我「サクラ?」
サ「…何でもない」
二人きりの世界。

サ「…我愛羅くん」
我「何だ?」
サ「この手は何かしら…」
我「洗ってやろうと思って」
サ「素手で洗うな!!」
我「何を言う。肌に優しくするためには素手が一番いいんだぞ」
サ「そういう問題じゃなくて!」
我「今更照れることもないだろう」
サ「デリカシー!!」
我「出奔中だ」
サ「戻ってきて」
我「アイルビーバック」
サ「あなたじゃないわよ!」
我「はい、お痒いところはありませんかー」
サ「床屋か!!」
我「風呂場です」
サ「会話のドッヂボール!!」
我「?会話はキャッチボールだろう?」
サ「…もういいわ…もっと右側お願い」
我「心得た」
夫婦の会話。

サ「…前は自分でするわ」
我「…」
サ「無言の反応を返さないでくれるかしら」
我「準備万端なんだが…」
サ「何の?!」
我「俺の両手が唸っている」
サ「張り倒してやろうかしら」
我「(´・ω・`)シュン」
サ「…変なとこ触ったら怒るわよ」
我「変なとこ?」
サ「お口チャック!!」
サ「(いつまでたっても慣れないのよね…)」
我「…サクラ」
サ「な、なに?(まさか太った?!)」
我「お前の体はいつみても綺麗だな」
サ「…(撃沈)」
我「サクラ?」
サ「…ありがとう…」
我「どういたしまして?」
我「(胸、少し大きくなったな…年齢は関係ないらしい)」
助平な夫

サ「あーやっぱりお風呂はいいわねー」
我「そうだな」
サ「髪の毛乾かしてあげようか」
我「その前に俺が乾かしてやろう。風邪をひかれたら困るからな」
サ「うふふ、過保護ね」
我「大切だからな」
サ「うふふふ」
兄「風呂あがってそうそうにいちゃつかないでくれる?」
妹「あーあっつい」
我「お前たちも乾かしてやろうか」
兄「ありがとう。でももう乾いてる」
サ「それは残念ね」
兄「そうだね(棒読み)」
妹「お母様いいなぁ(ボソッ)」
兄「お前もぶれないよね」
妹「何が?」
兄「お父様にべったりなところ」
妹「お兄様はお父様のこと嫌いなの?」
兄「そうじゃないよ」
兄「尊敬してるよ。父親としても風影としても」
妹「ふぅん?」
兄「でもいつまでもお父様にべったりもしてられないだろ?俺達は忍だ」
妹「…まぁね。でもお父様がお父様である限り私は変わらないわ。風影としての立場でいるときはそれ相応の態度をとるわよ」
兄「女はすごいね」
妹「まぁね」
妹「でも家にいるときはお父様は風影じゃないわ。この家の家族の一員で私たちの父親よ」
兄「そうだね」
妹「だから私はお父様を父親としてコミュニケーションをとってるのよ」
兄「少し過剰だけどね」
妹「それぐらいじゃなきゃお父様には伝わらないわ。だって鈍いんですもの」
兄「言えてる」
妹「お兄様も素直になればいいのに」
兄「男はそういうことしなくてもいいの」
妹「強情っぱり」
兄「男は体で伝え合うからね」
妹「女にはわからないわ」
兄「だからこそそうやってコミュニケーションとるんだろ?」
妹「まぁね」
兄「家族の在り方なんてそれぞれさ」
妹「哲学ね」
我「子供たちが難しい話をしてる」
サ「成長したのね」
兄「ちょっとそこ感動するの止めてくれる。髪の毛ぼさぼさなんだけど」
妹「鳥の巣みたいになってるわよ」
我「砂漠の鳥は気性が荒いからむしられそうだな」
兄「誰が現実的な話をしろと。お父様本当天然発揮するの止めてくださいよ」
両親に遊ばれる子供たち

サ「そうよ。鳥が棲んだらご飯の用意が大変だわ」
妹「やだ、ここにも天然がいるわ」
我「その時は自然にかえすのが一番なのだろうな」
兄「ちょっと話展開するの止めてもらえませんかね」
サ「人の手で育てても野生では生きていけないものね」
妹「スルーしないでくださいます?」
我「すまん、ちょっと楽しくてな」
サ「うふふ、ごめんね」
兄「…無駄な演技力どうにかしてよ」
我「いつか学ぶことだ」
妹「こんな身近で体験する羽目になるとは思ってもみなかったわ」
兄「勉強になりました」
サ「勤勉な子供たちでよかったわー」
我「そうだな」
兄「ところで早く髪乾かしなよ。途中でしょ?」
妹「ずっとぼさぼさのまま会話するのもどうかと思うわ」
我「そうだな」
サ「会話の邪魔してごめんね」
兄「別にいいけどさ」
妹「本当天然よねー。うちの親って」
仲良し家族は今日も仲良し。






prev / next


[ back to top ]