小説
- ナノ -


10




久方ぶりの休日。
常ならば忙しく書類に追われている時間に微睡むのは至福を感じる瞬間だ。
レースのカーテンが風に揺られ穏やかに膨れ上がるのを薄眼で確認しながら、閉じた瞼の裏に感じる陽のぬくもりに心が安らぐ。今日は最高の昼寝日和だ。
そのまま徐々に呼吸を深いものに変えていると、聞き慣れた足音が近づき柔らかな重みが隣に並ぶ。
そうしてそのままもぞもぞと人の懐に潜り込んできたかと思うと、だらりと伸ばした腕で背を抱いてくる。
まったく、とんだ甘えん坊である。
風に乗って漂ってくる彼女の香りに心が満たされる。
単純かもしれないが、俺の幸せはいつだって彼女の傍にあるのだ。

「…今日はいいお昼寝日和ね」

小さな声で話しかけてくる彼女にうんと頷いて、すり寄ってきた小さな体を抱きしめた。
揺らぐカーテンのだけがその場で唯一動いている物だった。


end

お昼寝夫婦。



妹「…おとーたまのおくつおっきい!」
サ「お父様だもんね」
兄「お父さまだからね」
我「それは分かったから早く返してくれ。遅刻する」

我愛羅くんのお靴で遊ぶ愛娘、妹に和む母子と和みたいけど仕事が気になる父親な。



紅を引いてるサクラちゃんに口づけて、紅の色が移っちゃう我愛羅くんに笑っちゃうサクラちゃんとか可愛くていいと思います。

サ「やだあなた、口紅移ってるわよ」
我「む…俺についてても気色悪いだけだろう。何処だ、取ってくれ」
サ「うふふ、可愛いわよ?」
我「可愛いのはお前だけで十分だ」
サ「はいはい、ありがと。ほら、取れたわよ(ちゅー)」
我「ん…(これでは意味がないんじゃ…まあいいか)」
バカップル…

わざと口紅を厚く塗って我愛羅くんのほっぺたにちゅーするサクラちゃんとか可愛いと思います。
わざと濃いキスマークつけて行ってらっしゃい♪って送り出すサクラちゃんと、気づかずそのまま風影邸にお仕事行っちゃう我愛羅くんな。
そこでテマリさんとカンクロウさんに死ぬほどバカにされればいい。

カ「我愛羅おはよ、ってぶふっ!!」
テ「っく…!!(プルプル)」
我「何だ?俺の顔に何かついてるのか?」
カ「(やっべ、くそおもしれえじゃん…!!)」
テ「(まったくサクラめ!とんでもない悪戯してくれて…笑いをこらえるのが大変じゃないか…!!)」
我「…おい、何か言え」




我「サクラ」
サ「ん?」
我「キスがしたい」
サ「ん(腕伸ばす)」
我「ん」

兄「他所でやってくんない?」
妹「本人たちは背中を向けてるから一応隠してるつもりみたいですわね」
兄「…隠せてねえよ…」

不憫な兄妹。




サ「ねぇ、我愛羅くん!今日は早く帰って来れたんだから二人目つくりましょ♪」
我「…お誘いは嬉しいんだがな、俺は明日も朝から会議があるんだ。また今度にしてくれ」
サ「うぅ…!また今度また今度っていつしてくれるのよ!私のこともう嫌いになっちゃったの…?(涙目)」
我「うっ…」
サ「女の子ほしいよぉ…(ウルウル)」
我「…分かった。分かったから先に子供を寝かしつけてくれ…」
サ「分かったわ!さー、今日は早めにねんねしましょうね♪」
兄「あーい!」
我「(サクラには勝てんな…明日も頑張れ、俺)」

こうして妹ちゃんはできましたとさ。(酷い)



サ「我愛羅くん…今日、ダメ?」
我「あー…明日は朝から国に行くための準備がだな…」
サ「そっか…じゃあしょうがないね!」

夜。
サ「はっ…んっ、ぅっ、ふぅ、ん…!」
我「(ね、眠れるかあああああああ!!!!)」
サ「ぁっ…が、らくっ…!」
我「(プツン)」
サ「ひゃっ!?」
我「クソッ、隣でそんなことされてのんびり眠れるわけがないだろう!」
サ「あっ、指、指じゃヤダぁ…!!」
我「なっ…!クソッ、今日は寝かさん!」
サ「あっ…」

最終的に寝不足になる我愛羅くんな。



我「ただいま」
サ「おかえりー」
兄「おかえりなさい」
妹「おかーりー」
我「…そして今から接待に行ってきます…」
サ「あら、それはたいへ」
妹「やーらーーー!!!おとーしゃましゃんぽいこ!てってちゅなご!!」
我「罪悪感が…!!サクラ…!」
サ「もー、あなたが泣きそうな顔してどうするのよ」
兄「エンダアアアアアアアア」
我「いやああああ」
妹「やああああああああ!!!」
この後滅茶苦茶後悔しながら接待行きました。(笑)



妹「おとーしゃまてってちゅなご」
我「ん?お散歩行くのか?」
妹「んーん!おとーしゃまとぎゅっぎゅっしたいの!」
我「…うちの子天使…!!!」
サ「はいはい」

妹「おとーしゃまちゅーしよ!」
我「ん。おいで」
妹「わぁい!」
サ「ラブラブねぇ」
兄「本当にね」
妹「おとーしゃま大しゅき!!」
我「ああ。お父様もだぞ」
妹「えへへー」
我「天使かっ…!!」
サ「はいはい」
兄「お父様涙拭きなよ 」
我「ありがとう…」
愛されパパさん。笑

サ「でもいつか『お父様の服と私の服一緒に洗濯しないでよ!』とか言われるかもしれないのよねー」
我「うぐっ…!」
兄「お母様、お父様の精神的ダメージが大きすぎるから止めてあげて」
サ「うふふふ…」
我「小悪魔めっ…(涙目)」
兄「(これも愛ってやつなのかなぁ…)」
悟る息子。




prev / next


[ back to top ]