小説
- ナノ -






い「そういえばさー、あんた我愛羅くんに対して不満とかないの?」
サ「どういう意味よ」
い「ほら、あの人無口じゃない?だから意思の疎通ができないとか、休日時間が合わないとか、家事手伝ってくれないとか、そういうのないの?」
サ「んー…そうねぇ…」
サ「あの人無口に見えるけど結構喋るし、家事は率先して手伝ってくれるし、休日は割と重なるよう努力してくれるわね」
い「へー…案外マメね」
サ「見た目から想像できないかもしれないけど、結構優しいし紳士的なところもあるのよ」
い「じゃあ特に不満はないってわけね」
サ「あー…でも少しだけ」
い「あるの?」
サ「不満っていうわけじゃないんだけど」
い「何よ」
サ「その…ちょっと…あの人すごい床上手でさ…」
い「え?!マジ?!」
サ「うん…だから、その…ちょっと悔しいのよね」
い「たまには意趣返ししたいってこと?」
サ「うん。何かいい案ないかしら?」
い「そうねぇ…」
い「下世話な話だけど、誘うのはどっちからなの?」
サ「最近は私の方が多いかも…」
い「へー、ぞっこんじゃん!」
サ「う、うるさいわね!仕方ないでしょ、あの人が上手いからいけないのよ!!」
い「何その言い訳!あーでも床上手ならよかったじゃん。下手だと苦痛だし」
サ「それはまぁ…そうなんだけど…」
い「とにかく!我愛羅くんがムラムラ!とくればいいわけね?!」
サ「い、いや、何もそこまでいかなくても…!」
い「だーいじょうぶ!この山中いの様が風影様のハートをバッキューン!って撃ちぬく姿に仕立て上げてあげるわよ!」
サ「うえぇ…なんか不安…」

シカ「なーんかいのの奴企んでんな」
チョ「まあいんじゃない?好きにさせとけば」
シカ「ったく、めんどくせーことにならなきゃいいんだがよ」
ナ「おーいシカマルー。会議終わったってばよー」
シカ「おぉ、ご苦労さん」
我「内容は書記がまとめているから後で書類がまわってくるだろう」
シカ「我愛羅もお疲れさん」
我「ああ。…ところでサクラと山中は何をしてるんだ?」
ナ「なーんかいのが絶好調だってばよ」
シカ「あー…何かお前に一泡吹かせようっていう会話だったような…」
我「俺にか?」
ナ「あ?お前なんかしたの?」
我「…心当たりはないが…」
チョ「悪いことじゃなさそうだからきっと大丈夫だよ。いのも悪い子じゃないし」
我「そうか。まぁサクラも不満があれば言うだろう」
シカ「結構どっしり構えてんだな」
我「狼狽えたところでどうにもならんからな。なるようになるさ」
ナ「んじゃあ暫くサクラちゃんはお預けだな!」
我「煩い」


−inデパート−

い「ねぇ、コレとかどうよ?」
サ「いっ?!そ、そんな短い丈のスカートなんてもう履けないわよ!私幾つだと思ってんの?!」
い「いーじゃない!あんた百豪の術使えるんでしょ?」
サ「そ、そうだけど…やっぱり嫌よ」
い「ふーん…じゃあ敢えてのカッチリ系でいく?」
サ「何でメイド服?!」
い「だってチアは嫌なんでしょ?」
サ「ていうかコスプレ以外で何か無いの?!」
い「え?じゃあ勝負下着買いに行く?」
サ「直球すぎる!」
い「あとはそうねぇ…着物とか?」
サ「ま、まぁそれなら…でも突然着物だとおかしいわよね」
い「それもそうね。あとはちょっとセクシー系の服とか」
サ「あんたみたいにお腹出すの?」
い「あーら、もしかしてデコリーンちゃんのお腹にはたーっぷり脂肪が乗ってるのかしら?」
い「あん?!あんたほどじゃないわよいのブタ!」
い「じゃあ行けるわよね」
サ「う…せ、せめて肩だしぐらいで…」
い「えーつまんなーい」
サ「つまんなくない!」
い「あ。サクラ!チャイナドレスあるよ!」
サ「いっ?!さ、さすがにそれはちょっと…」
い「何でよ。これなら下手な格好するより遥にグッとくるにきまってるわ!」
サ「だ、だから私そんなに若くな…」
い「はいじゃあコレお買い上げー!」
サ「にゃあああああ!だから着ないってばあああ!!」


ナ「んんー…!疲れたぁ…」
シカ「だいぶ書類捌きもまともになってきたな」
ナ「やっとかよ…つか我愛羅は?」
シカ「サイが図書館に連れてったぜ。誰かと違って読書家らしいしな」
ナ「嫌味かよ」
シカ「誰とは言ってねえだろ。心当たりでもあんのか?」
ナ「うわ、うーぜえー…」

サイ「幸せそうでよかったよ」
我「?」
サイ「サクラのことさ」
我「ああ…」
サイ「僕は里の護衛で式には行かなかったからさ。彼女が元気そうで安心した」
我「その節はいらん心配をかけた」
サイ「まぁもう随分と昔の話だから。怒ってはないから安心してよ」
我「そうか…」
サイ「ところで今日はどうするの?サクラの実家に泊まるの?」
我「ああ、今日お義父さんたちは温泉旅行に行ってるらしいから宿を取っている。そろそろサクラを迎えに行かねばならんな」
サイ「どこにいるか分かるの?」
我「感知型だからな。チャクラを辿ればいい」
サイ「成程。便利だね」

い「あ。ほら、旦那様が迎えに来てくれたわよ!」
サ「う、うるさいわね!」
我「終わったのか?」
サ「うん、あなたは?」
我「俺も問題ない」
サイ「それじゃあ僕はこれで失礼するよ。またね、サクラ」
サ「あ、ありがとうね、サイ」
い「じゃあ後は上手くやんなさいよね!」
サ「うぐっ…!」
い「じゃあね我愛羅くん!サクラのことよろしく!」
我「ああ、またな」
サ「(いのの奴…余計なことを…)」
我「…?帰らないのか?」
サ「え?!あ、う、ううん!何でもないの!さ、私たちも帰りましょう!」
我「(何か隠しているようだが…まぁいいか)」

−夕食後−
サ「あの、我愛羅くん先にお風呂入ってくれる?」
我「別に構わんが…(何かあるのか?)」
サ「(ど、どうしよう…本当にコレ着て引かれたりとかしないわよね?!)」
我「(今日はやけにソワソワしているな…)」
我「では先に入るぞ」
サ「う、うん!ゆっくりでいいからね!」

−サクラ入浴後−

サ「…正直コレはないわ…(鏡で確認中)三十過ぎてなんちゅー格好してんだか…引かれたらやだなぁ…でも買ったなら着なきゃもったいないし…行くしかないか!しゃーんなろー!!」
我「(布団の上で読書中)」
サ「が、我愛羅くん(襖の隙間からチラリ)」
我「何だ?」
サ「そ、その、引かないでくれる?」
我「は?」
サ「だ、だから!絶対に引かないでくれる?!」
我「何だかよく分からんが善処しよう」
サ「善処じゃなくて約束してほしいの!」
我「…分かった。お前がどんな格好をしていようと何を口走ろうと引かないと約束する。これでいいか?」
サ「むぅ…ちょっと投げやりなのが悔しいけど…約束だからね!絶対だからね!」
我「分かったから早く来い」

サ「ど、どうかな…(赤いチャイナドレス着用)」
我「…」
サ「(ま、まさかの無反応?!)」
我「そ…だ…」
サ「え?」
我「それは…反則だ…(真っ赤)」
サ「て…(照れたあああああ!!!)」
我「っ…」
サ「(やった!やったわよいの!我愛羅くん超照れてる!首まで真っ赤よ!)」
我「そ、それより何故そんな格好を…」
サ「え?!えーっと…か、可愛いかなぁって…」
我「そんなもの着ずともお前は可愛い」
サ「(おふぅ…!)」
我「そ、それよりその…(チラチラ)」
サ「うん?」
我「いや…」
サ「(ピーン!)」
我「(ソワソワ)」

サ「もしかして…ドキドキしてる?」
我「!!(ビクッ)」
サ「んふふー、ちょっとだけなら、見せてあげてもいいわよ(太ももチラチラ)」
我「うっ…(目逸らし)」
サ「(うわー!久々にこんなに狼狽えてる彼見たわ!たのしー!!)」
我「あ、あまり煽るな」
サ「えへへー」
我「…(しかし色っぽいな)」

サ「(あー、ちょっと溜飲が下がったわ)」
我「サクラ」
サ「うん?」
我「その格好で俺の前に出たと言うことは、つまりそういうことでいいんだな?」
サ「…んん?」
我「けしからん格好をしおって。襲ってくださいと言っているようなもんだぞ(じりじりと詰め寄る)」
サ「え、えぇっと…」
サ「(いや、まぁ確かにそういう作戦だったんだけどさ…いざ目の前でそういわれると…)」
我「拒否権はないぞ。そんな格好で俺の前に現れたお前が悪い」
サ「え、えーっと…お手柔らかに?」
我「…無理だな」
サ「え、ちょっと…!!」
我「いただきます」
サ「あ、ちょっ、ダメ、そこは…!」

シカ「んで?今頃はお楽しみ中かしらー?ってやつか?」
い「まぁねん♪」
ナ「お前もいらねーおせっかいばっか焼いてんなぁ」
い「あ?何ようるさいわね。サクラからお願いしてきたんだから余計なお節介じゃないわよ!」
チョ「でもそんなことする必要なかったんじゃないの?」
い「え?何で?」
サイ「だって風影、サクラのこと話す時すごい表情が柔らかくなるんだよ」
チョ「無意識かもしれないけど、それだけ幸せってことでしょ?」
ナ「あー…まぁアイツ何だかんだ言ってサクラちゃん大好きだしなぁ…」
シカ「はっ、やっぱりいらねーお節介だったじゃねえか、なぁいの」
い「う、煩いわね!いいじゃない別に、サクラが悩んでたから私は力を貸してあげただけよ!」
シカ「へいへい。わーったよ」
ナ「あーあ。サクラちゃんのチャイナドレス見たかったなぁ〜。我愛羅マジで羨ましいってばよ」
サイ「馬子にも衣装だね」
チョ「サイ、それサクラの前で言ったら殴られるからやめときなよ」


−1ROUND終了−

我「…たまにはこういうのもいいな」
サ「も、もうやらない…(ゼェハァ)」
我「何故だもったいない。折角俺のために買ったんだからもっと着ればいい」
サ「煩い!とにかくもう着ない!」
我「何だ、汚したことを気にしてるのか?」
サ「そういうところがデリカシーないのよ!!(真っ赤)」
我「まぁ洗濯しても匂いがな…」
サ「嗅ぐな!」
我「お前のモノならともかく俺のはな…」
サ「誰もそんなこと聞いてないから!ていうかもうやめて!!」
我「この下着も捨てるのか?」
サ「にゃああああ!!拾うなああああああ!!」
我「中々にいやらしくセクシーな下着だな」
サ「あああ!!」

我「実にそそられたぞ」
サ「言うな!もうそれ以上言うな!!」
我「まぁこっちもだいぶ…」
サ「わああああ!!(奪取)」
我「あ、何をする」
サ「それはこっちの台詞よ!何匂い嗅いでんの?!」
我「いや、こっちはお前のモノだけが
サ「にゃあああああ!!バカバカバカ!!我愛羅くんのバカ!!」

我「むっ、バカと言う方がバカなんだぞ」
サ「え、ちょ、ヤダちょっと!当てないで!」
我「しょうがない。本能だ」
サ「嘘つけえええ!!今ので興奮しただけでしょ?!」
我「そうとも言う」
サ「そうとしか言わないのよ!って、あっ…!」
我「まだトロトロだな。このまま入りそうだ」
サ「うっ…我愛羅くんのバカ…すけこまし、えっち、へんたい、すけべぇ…」
我「何とでも。全部お前に対してだけだ」
サ「うぅ…(もうどうしてこんな男にほだされちゃうのかしら…)」
我「愛してるぞ、サクラ」
サ「…私も愛してるわよ、おバカ」
我「くくっ、そうか」
サ「はぁ…」

こうして二人のながーい夜は更けたとさ!さ!!
元々はサクラちゃんにチャイナドレスを着てほしいっていう私の願望から書いた話なんだが…
何か我愛羅くんが最終的にとんでもねえ変態野郎になってしまってわてびっくり。
多分この我愛羅くんならサクラちゃんの下着口に入れても違和感な…いわけあるかぁあ!!
是非サクラちゃんには真っ赤なチャイナドレスを着てもらいたい…_(:3」∠)_



我「サクラ…」
サ「なあに?」
我「キーコが死ぬ夢を見てな…」
サ「やだ、縁起でもないこと言わないでよ!」
我「ちょっと涙腺が緩んだ…(しょんぼり)」
サ「もう、最近キーコが家に来ないからってそんな夢見ないでよ…」
我「すまん」
キ「キィ」
我・サ「キーコ!」
サ「ってアレ?」
我「き、キーコ…お前…」
キ「キィ」
子「チィ」「チー」「キー」
サ「出産してたのね!」
我「ど、どこの雄猫だああああ!!!土に還してやる…!!」
サ「ええ?!ちょっと落ち着きなさいよ!」
キ「キィ?」
我愛羅激怒。の巻。

我「…今度そいつが来たら家に連れてこい…」
サ「言っとくけど土に還しちゃだめだからね」
キ「キィ」
子「チィ」「チー」「キーキー」
我「…くそ、可愛い…!」
サ「子供はやっぱり可愛いわよねぇ〜。やだ手ぇちっさーい!目ぇクリクリ〜!」
キ「キィ!(誇らしげ)」
一人目出産前の話。



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