小説
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11





「んんー…疲れたぁ…」

盛り上がった二次会も終え、ぐったりとホテルのソファーに身を投げれば全くだと我愛羅が椅子に腰かける。

腕相撲大会は我愛羅の優勝で決まった。
綱手との勝負の前に散々試合をし疲れていた我愛羅ではあったが、チャクラを封じた綱手に負けるのは男としても里長としても恥だという理由で余力を振り絞り試合に挑んだのであった。
初めは綱手が優勢であったが、粘り強く耐えた我愛羅が優勝をもぎ取り会場は非常に沸いた。
綱手は悔しがっていたが、結局はサクラを頼んだぞとようやく我愛羅を認め、満足そうに酒を煽った。

それからはランダムでの腕相撲大会が繰り広げられ、結局サスケもサクラも交ざり合い、男女別での大会になった。
因みにサクラも女子の部で決勝まで進んだが惜しくもテマリに敗れ、男女ともに砂隠の姉弟が優勝を飾った。

「でもすっごく楽しかったわ」
「そうだな」

だが正直腕の感触がない。
嘆く我愛羅にサクラは吹き出し、じゃあお風呂でマッサージしてあげるわよと備え付けのバスルームを覗き、わあ!と声を上げる。

「温泉!」
「ああ、普通のバスルームよりこっちの方がいいだろう」

首元を緩めつつ答える我愛羅にうんと頷けば、満足そうに口の端を上げ口付てくる。

「…ボタン取ってあげようか?」
「積極的だな」
「だってあなたさっきからモダモダしてるんだもの」

くすくすと笑いながら我愛羅の肩に額を当てれば、思った以上に腕の感覚がなくてな…と情けない声が返ってくる。
まぁそれだけ一生懸命だったのだろう。
サクラは健闘した我愛羅を労わるように口付けながらボタンを一つ一つ外していく。

「うーん、やっぱり我愛羅くんは男らしさよりも色気よね」
「褒め言葉として受け取っておく」

シャツを脱ぎ捨てた我愛羅の胸元に手を当て撫で擦れば、くすぐったいと背を抱かれ服に手をかけられる。
指先で脇腹や背をくすぐられながら下着を外され、笑いつつしがみ付けばそのまま口付られ浴室に押し込められる。

「我愛羅くんズボン!」
「おぉ、忘れてた」

相変わらずどこか抜けてる我愛羅に笑いつつ、桶に湯を汲み下穿きを脱ぎ戻ってきた我愛羅の顔面に汲んだ湯を投げつける。

「…お前…」
「あはははは!」

昔と何一つ変わらない油断した姿にサクラが笑い崩れれば、いい加減にしろと頭から湯を掛けられぎゃあと叫ぶ。

「あーもう、腕疲れてるんでしょ?洗ってあげるわよ」
「イタズラするなよ」

釘を刺してくる我愛羅にはいはいと頷き返し、猫のような茜の髪を洗ってやれば心地よさそうに目を閉じている。

「ねえ」
「ん?」
「見て!猫ちゃんの完成ー!」
「…お前な…」

どう?
泡で作った自信作の猫耳を自慢すれば、だからイタズラをするなと猫耳を流してしまう。

「あー可愛かったのにー」
「お前にも作ってやろうか?」

じとりと見つめられ、私はウサギがいいなと答えれば面倒臭いと返される。

「というよりもそもそも無理だろう」
「まぁね」

笑いながら頷けば、全くと呆れられるが謝罪しつつも体を洗ってやれば機嫌は戻ったのか、それ以上諫言が零されることはない。

「じゃあ腕のマッサージしてあげるから手出して」
「ん」

若干筋肉に熱が籠っているのを確認しながらチャクラを流し込み、ゆっくりとマッサージしてやる。

「いかん…寝そうだ…」

呟くと同時にかくんと頭が揺れ、必死に目を瞬かせる我愛羅に思わず笑う。
じゃあ湯船に浸かっとく?と体の泡を流してやり尋ねれば、そうすると湯船に浸かり腕だけ差し出してくる。

「痛いところある?」
「…ない…」

ぼんやり返ってくる声にそう、と頷きながら労わってやれば、縁に腕を乗せた我愛羅はすっかり寝落ちており笑ってしまう。

(これじゃあ本当に猫みたいね)

よく寝る子だから猫。
だったらこの人はやっぱり猫ねと思いながらマッサージを終え、泡を流してから自身も髪と体を整え湯に浸かる。

「それにしても本当気持ちよさそうに寝てるわね」

額から汗を流しながらも寝入る姿に苦笑いしていれば、かくんと頭が動いた後ゆっくりと瞼が開いていく。

「起きた?」
「…ん…?」

寝ぼけ眼の我愛羅の頭を撫でてやれば、ぎゅうとサクラにしがみつき熱いと呟く。

「やだ逆上せちゃった?!」
「ん…」

反応が鈍い我愛羅の背に腕を回せば、眠いと返ってきて起きなさいと背を叩く。

「逆上せてはないが…」
「よかった」

柔らかなタオルで水分を拭き取っていると、心地好くてなと返ってきてまぁそれは同感だわと頷く。

「でも寝るならベッドで寝ましょ」

ぼんやりする我愛羅の手を引けば、お誘いか?と問われおバカと返す。

「どうせ今日は寝ちゃうでしょ?」
「いやいける」

ぐっと拳を握る我愛羅にまったく、と呆れる。

「寝たら怒るわよ」
「寝ない。今ので少し冴えた」

鼻の頭に唇を落とされ、じゃあ誘ってあげると口付てやれば特別景品だからなとベッドに押し倒される。

「優勝したんだから景品は俺のだろう」
「あはは、まぁね」

特別景品。
サクラは我愛羅に優勝したら何でも一つだけ言うことを聞いてあげると言っていたのだ。

「じゃあ言うこと聞いてあげる。何がいいの?」

楽しげな瞳を見つめ返しながら問いかければ、我愛羅は口の端を緩めると部屋に届いていた一つの箱を持ってくる。

「これを着てほしくてな」
「え?あ、ドレス?」

披露宴で着た純白のドレスを広げる我愛羅に問いかければ、うんと頷き押し付けてくる。

「…まさかこれ着てするとか?」
「何のために白を選んだと思っている」

にやつく我愛羅に呆れたが男心とはそういうものなのかもしれない。
そう思うことで何とか呆れる心を昇華し、ドレスを手に別室に行こうとしたところではたと気づく。

「もしかしてこのために着やすい構造にしたの?!」

ドレスの種類は様々だが、サクラのドレスはどちらかと言えば着やすいタイプだとスタッフから言われていたのだ。
まさかこのためじゃないだろうな問いかけるが、さぁなと返され非常に疑わしい。
だが言うことをきくと約束してしまったのだからしょうがない。
サクラは別室でバスローブを脱ぐとドレスに着替え我愛羅の前に立つ。

「理由はともあれ着てあげたわよ」
「ああ、本当によく似合ってる」

満足げな我愛羅にしょうがないわねと頬を緩め、そのまま口付てやれば最高だな、と零される。

「最高?」
「ああ」
「ふふ、じゃあ許してあげる」

口付けながらゆっくりとベッドに押し倒され、広がる裾がするすると足を滑っていく。
あしらわれた薔薇が広がる様が美しいが、入り込んだ腕の動きに沿って動くさまが妙に厭らしくも感じる。

「ん…ぁ…」

優しい愛撫を受けながら至る所に唇を落とされ肌を撫でられ、徐々に胸が高鳴っていく。

「綺麗だぞ、サクラ」
「ん…」

深く入り込んだ舌を絡め合わせ、太ももを撫でる指を邪魔しないように我愛羅の腰に擦りつければ臀部へと指先が移っていき閉じていた目を開ける。

「ん…あ、ねぇ…」
「うん?」

鎖骨に舌を這わせていた我愛羅の背を抱きつつ呼びかければ、何だと返される。

「あの、ね…その…」

太ももをくすぐっていた指先を掴み、視線を彷徨わせるサクラに再度どうしたのかと問いかければ、サクラは恥ずかしそうに胸板に額を押し付けぼそりと何か呟く。
だが上手く聞き取れずもう一度と言えば、だから、と赤い顔が我愛羅を恥ずかしそうに見上げてくる。

「今…その、はいてないの…」

だから、汚れちゃう。
零された言葉に我愛羅は固まり、サクラは羞恥に耐えれず顔を覆う。

「そ…それは…一大事だな…」

何が一大事なのか。
混乱する我愛羅も徐々に顔を赤く染めていき、駆けまわる心臓にはくはくと酸素を求めてしまう。
もじもじと足を摺り寄せるサクラに心臓を撃ちぬかれながらも、じゃあ汚れる前に脱がせるかと裾を持ち上げたが、すぐに厭らしい男心に火がつき目を細める。

「サクラ、本当に履いてないんだな?」
「だ、だからそう言ったじゃん!」

恥ずかしそうに胸元で手を握るサクラにそうかと頷くと、我愛羅はバサリと裾を大きく持ち上げ中を覗く。

「にゃああああ!!!!」

首まで赤くしながらスカートを押さえようとするサクラだが、見越していた我愛羅に腕を取られベッドに縫い付けられてしまう。

「…最高だな…」
「バカああああああ!!!」

口元に手を当てじっくり観察する我愛羅を罵るが、密かに興奮しているため聞こえておらず足を閉じることでしか抵抗が出来ない。
しかしそれも強引に開かされ体を割り入れられれば意味をなさず、どうせ脱ぐからいいやと面倒がらず下着を付けておけばよかったと今更ながらに後悔する。

「たまらんな」
「お願いだからもう黙って…」

泣きそうだと沈むサクラに、サービスじゃないのかと問えばバカ!!と返される。
どうやら違うらしいが、我愛羅からしてみれば何ともありがたい話ではある。
思わずごちそうさまでしたと手を合わせそうになるが、まだ食べてなかったと気付き上げた手を下す。

「まぁ折角作ったドレスを汚すのも気が引けるしな」

呟く我愛羅にほっと息をついたサクラだが、すぐさま聞こえてきた言葉に再び硬直する。

「が、敢えて汚す」
「え」

悪人面で笑う我愛羅に思わず背筋が凍れば、そのまま裾の中に頭を突っ込んできて再びぎゃあああ叫ぶ。

「待って待って!!!」
「今更だろう。何度も見てる」
「そういう意味でもなく!!って、やっ…!」

既に愛液が溢れはじめた花弁に舌を這わされ、思わず甘えた声が喉から零れ落ちる。
慌てて口元に手を重ねるも、もぞもぞと動く頭は愛撫しやすい位置を探し花弁に口付てくる。

「んっ…!ぁ、ふっ」

すっかりサクラの体を知り尽くしている我愛羅は、音を立てながら花弁を愛撫し溢れる愛液を舌先で花弁全体に広げていく。

「あ…あ…!」

びくりと震える足や下腹にも唇を落としつつ、熱が籠るスカートの中で絶えず愛撫を施しサクラの体を高めていく。

「あ、ダメっそこ、いやっ…!」

跳ねる腰を掴まれ少しばかり浮かされれば、滑りのいい裾が太腿の半ばまで落ちてくる。
思わずその裾を掴み汚さぬようたくし上げれば、我愛羅が厭らしいなと顔を上げる。

「ばっ…!ちがっ」

カッと羞恥に顔を染めるサクラに口付け言葉を飲み込むと、背中に腕を潜らせファスナーを下していく。

「脱がせるのも楽しいな」
「おばか!」

露わになった乳房に舌が這い、指先で立ち上がった乳首を捏ねられ思わず頭を抱く。
そのまま口と指で絶えず愛撫され、ちゅうと音を立てて硬くなった乳首を吸い上げられ背が反る。

「あ…もうやだ、脱がせて」

本当に汚れちゃう、と腰を浮かせれば、我愛羅はもったいないと思いつつも素直にドレスを脱がせてやる。

「もう少し楽しみたかったがな」
「十分でしょっ!」

諌めるサクラに笑みを零しつつも口付け、愛撫を再開していく。

「ん、んん…」

初めて肌を重ねた時のようにゆっくりと時間をかけ肌を撫でられ、もどかしさに体を寄せればあやす様に髪を梳かれ、思わず唇が尖る。

「焦らさないでよ」
「もう欲しいのか?」

笑う我愛羅に羞恥を煽られながらも、サクラはうんと頷くと起き上がる。

「我慢できないもん…舐めて…」


羞恥に頬を染めながらも、我愛羅の顔を跨げば今日は最高にいい日だなと笑われバカ、と返す。
流石に自分からこんな格好をすることは恥ずかしかったが、自分から動かなければ焦らす気満々でいた我愛羅に虐められていた気もする。
そんなことを考えるサクラの目下、舌なめずりした我愛羅はサクラの腰を掴むと遠慮なく舌を伸ばし花弁を撫でる。

「あっ!ぁああ!そこ!あ、いやっ…」

望んでいた刺激が与えられ思わず崩れそうになる上体をヘッドボードを掴み支えれば、震える腰を掴まれ音を立てて愛撫され、時折愛液を啜ってはごくりと飲み込む音が耳に届く。

「ぁあぁあ!だめっ、あっ!そこ…!イっちゃう…!!」

膨れ上がった突起を舌先で転がされ唇で食まれ、もうだめ、と叫ぶように告げ一気に頂に上り詰める。

「あっ…!!ぁ…はぁ…」

ヘッドボードから手を離し、腰をずらせば指先で口元を拭う我愛羅が目に入り思わず赤くなる。

「気持ちよかったか?」
「うん…」

我愛羅の上から退けば腕を伸ばされ口付られる。
伸ばされる舌に自らも舌先を重ねれば、ぞくぞくとした刺激が背中に走り果てたばかりの体がびくりと震える。

「俺もそろそろ可愛がってもらいたいんだが」
「ん…待って…」

バスローブを脱ぎ捨てた我愛羅の、硬く勃ち上がった欲望が悪戯に花弁を撫で上げ背が震える。
いつもなら避妊具を付けるが、我愛羅はもういいだろうとサクラの下腹に指を這わせる。

「子供も欲しいしな」

トントンと指先で下腹をリズミカルに叩かれ、くすぐったさと心地よさにじゃあいいよと足を広げる。

「子供…何人欲しい?」
「何人でも。お前も含めて全員愛してやる」

落ちてくる唇の合間から零される言葉に目を細め、じゃあいっぱい頂戴と言えばお前には勝てんなと笑われる。

「ん…んん〜…ぁあ!」

ゆっくりと入り込んできた欲望が浅いところを行き来し、イイ所を太いところで擦られ嬌声が溢れる。
果てたばかりの体は貪欲に快感を拾い上げ、溢れる愛液が奏でる厭らしい音にも反応してしまう。

「あー!あ、んん、やっ…!」

広がる快楽に視界を潤ませながらも、抱かれ慣れた体はもっと欲しいと縋りつく。

「も…焦らしちゃやだぁ…」

震える指先で背に爪を立てれば、ごくりと喉が鳴る音がする。
かと思えば乱暴に引っ掴んだ枕を腰の下に敷かれ、両足を我愛羅の肩に抱え上げられる。

「サクラは奥が好きだったな?」
「ぅん、」

初めは痛みしか感じなかった奥での刺激も、今では一番の快楽を運んでくれる。
そうさせたのは他でもない我愛羅であり、早く欲しいと見つめればぐんと深く腰を突き入れられ頭が真っ白に染まる。

「あぁあーっ!!いっ…!」

ぐっと弓なりに背が反り、足先まで力が入った体をあやすように揺すぶられ、悲鳴のような嬌声が喉の奥から溢れて止まらなくなる。

「あぁああ!!だめっ!イくイくっ、奥っ…ああ!!!」

子宮を揺すぶられるように腰を揺らされ、一番奥のイイ所を亀頭で責められ再び頂に上り詰める。
こうなるともう止められない体は、我愛羅が揺さぶる度に何度も何度も頂に上り詰め、最終的には訳も分からなくなるほどに溶かされてしまう。

「今日は、一段と凄いな…!」
「ああー!!」

シーツを掴みガクガクと痙攣する体を縫いとめられながら奥を突かれ、なりふり構わず泣き叫べば深く奥を穿たれ終わりのない深い絶頂に声も出なくなる。

「ぁ…あ…」

がくりと落ちた腰がシーツの感触を覚えれば、愛液やら何やらで汚れた我愛羅の腹が厭らしく濡れ光る。
溢れる涙と汗が頬を滑る感触すらもどかしく、必死に呼吸を整えていれば下腹に手を這わされぐっと押される。

「ああっ!!」

それだけで中にある欲望がイイ所を刺激し、意図せず再び果ててしまう。

「だめぇ…気持ちいいぃ…!」

ぎゅうとシーツを掴み溢れる涙を零し続ければ、頬に舌を這わされ口付られる。

「じゃあもっと気持ちよくしてやる」

そう告げられると同時にぐりぐりと奥を穿たれ揺すぶられ、絶えず訪れる高波のような快楽に意識が飛びそうになる。
それでも必死に目の前の体に縋りつき、だしてだしてと懇願すれば一際強く揺すられた後体の奥深くに熱い飛沫を感じベッドに沈む。

「はぁ…あ…ぁ…」
「はっ…はあ…」

ガクガクと痙攣が収まらぬ体を抱きしめられ口付られ、体中を満たす充足感と幸福にとろりと溶けた眼差しを向ければ、穏やかな海が優しく凪いでいる。

「…気持ちよかった…」
「ああ、俺もだ」

与えられた賛辞に頬を緩め、うんと頷けば口付られる。

「我愛羅くん…私幸せだよ」
「そうか。俺も幸せだ」

明日からもよろしく頼む。
口付けの合間に零された言葉に目を細め、再び頷き抱き合う。

駆ける心音が耳に心地よく、聞こえてくる波の音に意識が遠のいていく。
明日も明後日も明々後日も、こんな風に幸せな日々がずっとずっと続けばいい。

この人の隣で、ずっと笑っていられるように。

「サクラ…愛してる」

聞こえてきた囁きに頬を緩め、うんと頷けば穏やかな熱がぎゅっと強く体を包み込んだ。




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