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大人になった恵くんと猿くんの話。(ネタ枠)

猿くんと恵くんの小ネタが増え続けているので、この際一気に会話文だけでも放出してしまおうと思いました。
ですので『小説』ではなく『小ネタ集』になります。全て会話文です。
書きたいところだけを抜粋して書いた感じですので、特に脈絡などはありません。そして読みづらかったらすみません。
お時間がある時にでもよろしくお願いします。。



*猿くんが五輪選手に選ばれ、実際にメダルを取った瞬間。

記者「猿渡選手おめでとうございます! この喜びを誰に一番に伝えたいですか?」
猿「そうですねー。最初は家族かなぁ、なんて思ったんですけど、やっぱりアイツですかね」
記者「アイツ、と申しますと?」
猿「じゃあ、すんません。ちょっとカメラ借りますね。おーい! ケーイ! 見てるー?! メダル取ったぜー!!」
記者「浅学で申し訳ありません。けいさんとは一体……?」
猿「ああ、オレのダチです。プロゲーマーの恵。同級生なんッスよ」
記者「え?! あの、先日結婚発表をされた“恵さん”ですか?!」
猿「そうそう! いやー、マジ驚きっすよね! まあオレは知ってたんですけど」
記者「ご存知だったんですか?!」
猿「そりゃダチなんで。つーわけで、恵! 約束通りメダル取ったからな! 帰ったらまた一緒に飯食いに行こーぜ!!」

 って映像が全国区に流れて、思わずテレビの前で項垂れる恵くんいるし、その後色んな局から所属事務所に電話かかってきて「お前どういうことだよ!」って総ツッコミされて「めんどくせ〜〜〜! あのクソ猿〜〜〜!」って悪態つく恵くん見たい。


*帰国した猿くんにインタビューをすることになった恵くん。(WEB限定動画)

「えー……。というわけで、猿渡選手おめでとうございます」
「んぐっふぅ!」
「なに笑ってんだよ」
「いやだって、お前から“猿渡選手”って言われると変な感じだなぁ、と思ってよ」
「しょうがないだろ。今回はインタビューなんだから。開始早々「クソ猿」とは呼べないだろ」
「あー、うん。まあ、今言っちゃったんですけどね」
「今のは説明するために言っただけだから。ノーカンです」
「Fuuu! OK! そうきたか! いいよいいよ! それでこそ恵だ!」
「殴りてぇ〜!」
「だははは! 出てる出てる。本性出てるって。ちゃんと繕わないと」
「うぜ〜〜〜! やっぱり断ればよかったこの仕事〜」
「だははは! えー? ってかなんで? なんで受けたの? お前こういうの苦手じゃん」
「……奥さんが、お前に『おめでとう』って伝えてきて。って言うから……」
「あら。あら〜〜〜! そうだったのね! ありがとう! 嬉しいわ! あたしの気持ち受け取って!」
「すみませんカメラ止めてください」
「あーーーー! グーはダメ! グーはやめてください! 腹パンはダメです!」
「顔と腹とケツ、どれがいい?」
「タイキック?! タイキックなの?! イヤだわ! ケツにもシールド張らなきゃ!」
「マジでエイムするぞテメエ!」
「フレンドリーファイアすることに一切の躊躇なしってどういうことよ! あたしたち親友でしょ?!」
「ちょっと何言ってるか分かんない……」
「うそだろ?! そこで首傾げる?! あたしちゃん泣くわよ?!」

 ここで「そろそろインタビューしてください」というテロップが入る。

「……うん。だってさ」
「え?! 丸投げ?!」
「なんか話したい事ある?」
「ねえねえねえ、そんな投げやりなインタビュー受けたことないよ?」
「じゃあ、コレ。質問一覧載ってるから、好きなの答えて」

 手にしていた進行表兼質問一覧表をそのまま渡す恵。

「え? そんなファミレスのメニュー表渡されるみたいなノリで来られましても?」
「違うんだって。大体予想出来るんだよ。俺は。お前がどう答えるか。だから、逆にお前が答えやすいやつどれかな、って考えた時に、もうめんどくせえからお前に任せよう! と思って」
「ちょっと待てや! 本音が出てる!」
「だって『現地の思い出は?』とか聞いても『英語聞き取れなかったから分かんねえ』だろ? それか飯の話」
「おお。よくわかったな。マジでそれなのよ」
「だろ? あと、他の選手との関りも、お前真面目なエピソードより、飲み屋での話とかが真っ先に思い浮かんできて言葉に詰まるだろ?」
「そうそう。合宿でのこととかな。面白かったぜ? 恵には話したっけ?」
「俺は聞いてるけど、電波に乗せられないから。あれは、ちょっと。他の選手の名誉とかがあるから……」
「うーん。オレには?」
「必要?」
「必要ですけどぉ〜?! まあいいや。じゃあオレが答えられそうなやつね。そうねえ……。これかな」

 質問一覧表を恵に見せながら指で示す。

「あー……。じゃあ猿渡選手に質問です」
「はい」
「メダルを取った瞬間のお気持ちは?」
「やったぜ! って感じでしたね」
「もっと他にねえのかよ。出番が来るまでとかどうだったんだよ。すごい選手いっぱいいただろ」
「ああ、そうな。ホントさぁ、すげえ選手がいっぱいいたんだよ。言葉は分かんねえけどさ、すごいフレンドリーに接してくれた人もいてさ。強敵、っつーよりももっとこう……いい感じの……ダチじゃないけどさぁ。嫌いになれねえなあ、みたいな」
「ライバル的な?」
「うん。そんな感じ。でも、殺意ある感じじゃなくてな?」
「スポーツで殺意を抱くな」
「言葉の綾ですぅ〜! いやでも、やっぱすげえな! って思ったけど、同時に『負けらんねえな!』って思ったよ。やっぱり」
「お前意外と負けず嫌いだよな。でもそうじゃなきゃ五輪の選手にも選ばれなかっただろうし、練習に打ち込んでるお前は素直に格好いいと思ったよ」
「マジで?! ありがと!」
「うん。じゃあこのチームでよかったな、って思ったこととかある?」
「あー、やっぱり楽しく競技に打ち込めたことじゃねえかな。あんまりこう、ギスギスすることがなかったからよ」
「喧嘩とかしなかったのか?」
「うーん……。ケンカ……は、ねえな。普通に話し合いとかは、結構したけど、大体リーダーが真面目に、ちゃんとみんなの事引っ張ってくれたし。オレはほら、どっちかっつーとムードメーカーだから、あんまりギスギスしねえようにはいろいろしたけど、元々そんなに仲も悪くなかったし」
「ふぅーん。えーっと……ああ、そろそろインタビュー終了だって」
「カンペ丸読みだな」
「慣れてないからな。もう初心者の俺を呼んだ時点でこの企画は破綻してるんだよ」
「だははは! お前もうちょっと自信持てよ〜。普段ゲームする時はもっと堂々としてんじゃん」
「お前なぁ、インタビューとゲームを同じくくりに入れようとするんじゃねえよ。どう考えても俺素人だからな?」
「やー、でもさぁ、カメラ向けられるとオレも緊張しちゃうけど、お前がインタビュアーだったから、なんか普通に、緊張せずにいられたわ」
「俺はお前が来るまで借りてきた猫みたいだったけどな」
「だはははは! お前意外とそういうとこあるよな」
「でもマジでメダル取ってきたのは凄いと思うよ。おめでとう」
「ん! サンキューな。あ、そだ。メダル。はい。持ってみ」
「そんな簡単に渡していいのかよ……」
「いいよ。だって恵だもん。雑に扱ったりしねえだろ?」
「まあそうだけどさ……」

 って感じでカメラ回ってるのにすごい『仲良し感』『友人感』が伝わってくるインタビューに視聴者も「こんな適当なインタビューなのに不快じゃないのがすごい」とか前向きに捉えられてたらいいな。


*その後なんやかんやあって某大型動画配信サイトの公式チャンネル(恵の所属ゲーム団体の)で、二人で動画を上げることになった恵くんと猿くん。

「えー……。どうしてこうなった」
「だはははは! 開口一番それかよ!」
「だってお前とゲームするのはさぁ……。プライベートな時間なら別にいいんだよ。慣れてるし」
「うん」
「でもさぁ、『仕事』ってなるとこう……違くねえか?」
「まあなぁ。オレらってあんまりこう、お互いに『仕事』っていうジャンルでは関わってこなかったからな」
「うん。お前腐ってもアスリートだし」
「腐ってねえです。まだまだ現役です」
「言葉の綾です〜」
「知ってます〜。分かってます〜。で? 今回オレは何のゲームをすればいいわけ?」
「今回は、初めての試みってこともあって、とりあえず『体験版をしよう』って話になりました」
「体験版! なんの?」
「これ。来月発売予定の、FPSゲーム。特殊部隊の一員として参加するゲームで、結構リアルに作り込まれてるっぽい」
「へ〜。でもさあ、恵は知ってると思うんだけどさぁ、オレあんまりFPS得意じゃねえんだよな。大丈夫なの? 動画的に」
「まあ体験版だし、プロのゲーマーじゃねえし。いいんじゃね?」
「お! じゃあ恵くんよろしく! オレを助けてね!」
「ああ。楽に逝かせてやるよ」
「そっち?! あなたがキルする方なの?!」
「一発で仕留めてやるから安心しろください」
「こんな友達見たことねえよ」
「いいからやるぞ。はい、コントローラー持って」
「うーい」

 そして始まるゲーム。が、すぐに操作に慣れた恵くんに対し猿くんはというと、

「恵さん。恵様」
「なに」
「オレ今どこにいるか分かんない」
「マップ見ろや!」
「マップ見てもどこにいるか分かんねえんだよ! 恵ちゃんどこ?!」
「ああもうお前そこ動くな! 俺が行くから! 敵が来ても打ち合わずに物陰に隠れるか逃げろ!」
「りょ!!」

 そして見つける恵くんと変なところにいた猿くん

「お前何してんの?」
「どこだろうね。ここ」
「マップの外れも外れだよ。これがマジの軍隊だったらお前懲罰ものだぞ?」
「単独行動しちゃった的な?」
「世話が焼ける奴だな本当……」

 この後ミッションが始まり、更には敵に見つかる二人

「ああああ! 見つかった見つかった見つかった!」
「バカ! いいから早く隠れろ!」
「あ! 待って! 殺された!」
「はあ?! 俺が殺す前に殺されてんじゃねえよ!」
「だから何でお前がオレをキルすることが前提なんだよ?!」
「楽に逝かせてやるのが戦友だろうが!」
「嬉しいけど説明してくれなきゃただの殺人鬼だよぉ!!」

 ここでコメントに「ツンデレか?」「ツンデレですね」「ある意味友達思い」とかのコメントが増える。

「お前早すぎるだろ(唖然)」
「いや、オレもビックリだわ。あんなすぐ死ぬ?」
「リアル設定だとは言うけどさ。撃たれたら死ぬのも普通だけどさ。それにしても早いって」
「いや〜、プライベートでもこんな『お前嘘だろ?』みたいな顔した恵くん見たことないや。仕事になるとやっぱり違うね!」
「お前下手くそすぎて話にならねえわ」
「辛辣!!」

 その後も数度に渡ってプレイするのも、大体猿くんが死ぬ

「ねえねえ。絶対この辺にオレの屍ゴロゴロ転がってるよね」
「字面だけ見ると恐ろしいよな。屍がゴロゴロ転がってるって」
「でも事実だもんな。お前はうまいからいいけどさぁ、オレ全然出来てねえもんな」
「何人殺したんだっけ」
「えー、三人ですぅ。恵くんはぁ?」
「十五人」
「五倍!! 五倍の差! すごくない?!」
「お前が下手なだけだと思う」

 その後体験版を終了し、改めて話し合う二人

「反省点。なんかある?」
「オレちゃん死にすぎ大問題」
「もうこれはただの技術面と慣れの話だと思うから、しょうがないと言えばしょうがない部分ではあるんだよな」
「お。意外。フォローしてくれるんだ」
「言ってもFPS初心者だからな、お前。俺みたいに日頃仕事でプレイしてるわけじゃないし、サッカー出来ない奴にプロと試合しろ。って言っても無理だろ」
「あー。そりゃそうだ」
「まあ、数えきれないほどバカバカ言った俺だけど、ヘルプに間に合わなかった回数も多かったから、そこは反省しないといけないしな」
「そこでオレのせいにしないあたり、お前いいやつだよな」
「うん。好感度上げとこうと思って」
「はい下がった〜! オレちゃんからの好感度が今下がりました〜!」
「別にお前からの好感度が下がったところで痛くも痒くもないんだよなぁ」
「ひっでえ! じゃあお前、嫁さんからの好感度が下がったらどうすんだよ」

「死ぬしかない」

「愛が重い! いや待って。死なないで。死ぬのはダメ。死ぬのはダメよ」
「でも気持ち的には死ぬし、ゲームとか絶対出来ない。そういう心境になれない。もう目の前真っ暗だし、お前の声も言葉も耳に入ってこない自信がある」
「そこは自信持たないで? もっと前向きに生きよう? オレちゃん頑張って支えるから。ね?」
「まあ、実際、本当に、マジのマジで奥さんからの好感度が下がった時は、俺はお前に助けを求めに行くと思う」
「おお。一人で悩むぐらいなら全然来て欲しい。むしろ迎えに行くから。呼んで? 夜中でも早朝でも行ってやるから、一人で悩むのはなしな?」
「うん……。頼むわ」
「うん。頼まれたわ」

 ここで再び「こういう友達が欲しかった」とか「本当に仲がいいんだな」とかがコメントで流れてくる。そしてそれを読み上げる二人

「仲いい……。うん……。いいのか?」
「そこ疑問符つける? 仲いいわよ。いいですわよ。あたしたち友達でしょ?」
「そうなんだけどさぁ……。俺あんまり、お前以外にプライベートで連絡取ってる奴殆どいないからさ。世間一般で言う『仲がいい』がイマイチよく分からないんだよな」
「あ〜。そっちか。うんうん。そうだなぁ。まあオレちゃんから言わせてもらえば、オレにとってお前はマジで“大親友”って感じだな」
「そうなの?」
「うん」
「……ふぅ〜ん……」
「え? なにその反応。どういう感情?」
「んー……困惑?」
「何故に? Why?」
「だって俺別にお前に優しいわけじゃないし」
「うん」
「隠してることだっていっぱいあるし」
「うん」
「それなのに『親友』でいいのかな、って」
「うん。いいよ。別に」
「そんなアッサリ決めていいもんなのか?」
「おお。だってオレが勝手にそう思ってるだけだしな。てか秘密の一つや二つ、百個二百個あっても別にいいよ。恵が恵なら。別に何も変わらないよ」

 ここで「猿渡さんすげえ」「男前」「懐がデカイ」というコメントがちらほら。勿論「恵はなんでこんなに後ろ向きなんだ」というコメントも来る。

「まー、恵には恵なりに考えがあるだろうし、別にオレが『大親友だから!』って言ったところで、お前もそうである必要はないから、普通に『ダチです』でいいと思うよ」
「……まあ、普通のダチよりは、気心知れてるけどな」
「つーか別に名前つける必要もないと思うんだよね。オレはね。もういいじゃん。恵と猿。猿と恵。で。それ以外の言葉とか、関係性とか、あってもなくても変わんないというかさ。意味ねえんじゃねえかな。実際恵が困惑するだけだしな」
「あー……。まあ、そうだな。昔お前がつけようとした『ハッピーセット』よりかは『猿と恵』の方がマシだわ」
「だはははは! 懐かしいなあ、それ! お前覚えてたの?!」
「今の今まで忘れてた。今ふと思い出しただけ」
「うははは! そうな。そうそう。ハッピーセットって名付けようとしたら、お前に『ふざけんな!』って言われたやつな。懐かしいわ〜」
「忘れたままでいたかったなぁ」
「うはははは!」


 そして動画終了し――数ヶ月後。

「えー……。どうしてこうなった」
「うはははは! まさか同じ台詞を二回聞くことになろうとは!」
「いや、マジでどうしてこうなった? 教えて、猿くん」
「えーっとね、手短に説明すると、オレと、お前の動画が、エグイぐらい再生数がよかったからですね」
「どういうことなの? あんな技術もクソもねえ罵倒と絶叫が飛び交う動画が、何故あんなにも再生数が伸びたのか。俺はそれが知りたい」
「すごかったよなぁ。オレもあんなに再生数伸びると思わなかったわ。知ってる? 一時期トレンドに入ってたんだぜ?」
「もうその時点で理解出来ない。何で?」
「Why? って感じだよな。まあ、オレもお前も楽しんでたのが一番じゃねえの?」
「……そういうもんか?」
「ゲームは楽しむために作られてるから、やっぱそこが一番大事だろ」
「あー……。言われてみればそうだな」
「だろ? だから、ゲームを楽しくプレイした奴が勝ち! それでOK!」
「ってことは、今日も俺とお前でゲームをすると。そういうことだな?」
「そう! で、今回から不定期だけど、正式に『恵と猿』でシリーズ化しよう。って話になって、その第一弾目ってことになるのかな?」
「嫌な予感しかしねえ」
「うん。だって季節は夏だからね! 夏と言えば恵くん! なんでしょう!」
「やっぱりホラーだろ」
「その通りなんだよなぁ。恵くんここでボケてくれないと。オレちゃん突っ込めないじゃん」
「俺ツッコミ担当だから。ボケは全面的にお前に任せる」
「おおっとぉ。たまには交代しようぜ。オレちゃんだっていつも突っ込まれてるだけの可哀想な男じゃねえのよ?」
「御託はいいからゲーム紹介しろよ」
「ヒデエなぁ、もう! あ。そうそう。今回は恵が所用で遅れたから、オレちゃんがゲーム預かってきました。はい。今回はこれです! じゃん!」
「……これも体験版か」
「そう。VR型の、廃病院を巡る、サスペンスホラーだってさ。一応二人プレイも出来るんだって」
「へえ。じゃあやるか」
「ういっす! よろしくお願いしまーす!」

 VRゴーグルとコントローラーを持つ二人

「ねえねえねえ。思ったより怖くない? 怖いんですけど。オレちゃん帰っていい?」
「ダメです。ほら行くぞ」
「うっそだろ?! お前そこグイグイ行く?!」
「だって所詮は作り物だしな」
「いやだこの子メンタル鬼だわ!!」
「メンタルオリハルコンが何言ってんだ」
「空想上の素材で出来てねえよ?! オレのハート!!」

 チュートリアルに従って動きを確認する二人

「ああ、アイテムに近付くと、このコマンドで『取る』になるのか」
「うっげえ。もうやだ〜。雰囲気ありありすぎてあたしちゃんちびりそう」
「ちびったら置いていくからな」
「本当に血も涙もねえな。おめえはよぉ」
「安心しろ。足手纏いは俺が殺す」
「フレンドリーファイアの申し子かよ!」

 ここで何故か銃を見つける二人

「ねえねえねえねえねえ。病院で一番見つかっちゃいけないものが目の前にあるんだけどさ、これどういうことなの?」
「サスペンスホラーじゃなくて、シューティングサイコホラーの間違いだろ。コレ」
「やだーもー、FPS苦手だって言ったじゃ〜ん。スタッフゥ〜、スタッフゥ〜?」
「こっちがサブマシンガンで、こっちがショットガンか。威力を選ぶならショットガンだけど、連射性で選ぶならサブマシンガンだな」
「ええ……。オレちゃんどっち持てばいい?」
「お前はとりあえず『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』作戦でサブマシンガン持ってろ。俺がショットガンの方が効率よさそうだしな」
「うい。……え? ってことは、もしかしてお前の準備が出来るまでオレが頑張らないといけない感じ?」
「頑張れ前衛! ワンショットキルは俺に任せろ!」
「頼もしいのに怖さが薄れな〜い!!」
「ナイフで戦うよりマシだと思えよ」
「もうナイフを使うぐらいなら近接ファイトでもなんでもするわよ」
「頼もしいことだな。じゃあ行くぞ」
「はーい」

 病院内を進むとすぐに敵(ゾンビ系クリーチャー)と遭遇する二人

「出たああああああ!!!」
「撃て撃て撃て撃て撃て! とりあえず撃って距離稼げ!」
「いやもうこっち来ないで! なんでゾンビの血の色って緑か青なの?! もっと可愛い色にしてよ! ピンクとか!」
「ピンクの血が流れるクリーチャーってイヤだろ。イチゴミルクでも流れてんのか」
「ぶっは! じゃあオレンジだったらトロピカルジュースかよ! 色んな業界に土下座決定だな!」

 恵の「イチゴミルク」発言に対する「やめろw」「笑ったw」などのコメントが増える。その後も「青果店に土下座」や「ジュース業界に謝罪決定」などのコメントも来る。

 そして体験版を終えた二人。いつものように反省会

「ホラーか? コレ」
「パッケージ見る感じではホラーなんだけどなぁ。完全にシューティングゲームだよな、コレ」
「売り方っていうか、ジャンル間違えてないか? 大丈夫か、コレ」
「シナリオも、体験版だとよくわからなかったよな。とりあえず廃病院にやべえクリーチャーがいっぱいいるから気を付けて逝ってこいよな! みたいな話ってことしか分かんなかった」
「もうそれが全てな気がする」
「うん。オレはさ、恵より理解力ないからまだしょうがないとしてもさ、恵もそう感じるならやっぱりそうなんだと思うよ」
「うん……。面白くないわけじゃないんだけどな。操作性も悪くなかったし、カメラワークもちゃんとしてたから、遊び辛さとかはなかったと思う」
「ただクリーチャーがキモイ。もうグチャアってしてたじゃん。顔とか腕とか、体とか」
「もうそれ『全身』って言った方が早くねえか?」
「そうなんだけどぉ。特にキモかったやついたじゃん。最後」
「ああ、一面のボスみたいな、ワーム系のゾンビな」
「あれさあ、苦手な人すごい苦手だと思うんだよね。しかもビチャビチャ血を浴びるわけじゃん? VRだから余計にダメな人はダメだと思うんだよな、オレ」
「そこは俺も思った。実際これ系は界隈でも賛否両論なんだよな。ゲーマーたちの間でも視界に問題が出るから嫌がる人もいるし」
「リアル思考が求められてるから、業界もプレイヤーも大変だな」
「うん。お前ならこれ、正規品買う?」
「買わない。オレちゃん絶対に一人じゃクリア出来ない。キモすぎるもん」
「俺は買ってもいいと思う。ホラーじゃなくてシューティングゲームとしてだけど」
「ああ、お前やっぱりうまかったもんな。普段エイムしてっからかな」
「あとはクリーチャーの動きが鈍かったのと、的が大きかったから狙いやすい、ってのもあったな。ただあくまでも今回のは体験版だし、シナリオを進めていくうちに面倒な敵も出るとは思うから、実際に買ってみないとなんとも言えないな」
「じゃあ恵は購入するけど、オレちゃんはパス! ってことで。オレみたいな苦手なタイプでも、興味ある人は買ってもいいと思う」
「ああ。難易度もEasyがあるから、苦手な人でも大丈夫じゃないかな」
「因みに恵はNormalでプレイすんの?」
「最初にNormalでプレイして、あとでHardでやる」
「猛者かよ」
「一応プロだからな。やらないわけにもいかないだろ」
「おー。流石です」
「今度は純粋にホラーがやりたいけど、大体シナリオ重視のホラーは一人プレイ専用だから、二人だと出来なさそうだな」
「どっちかがプレイして、どっちかが解説とか、感想を言うだけになっちゃいそうだな」
「うるさい助手席になりそうだな」
「オレが? それともお前が?」
「お互いに」
「だははは! 言えてらあ。オレがプレイだとお前が「下手くそ!」ってキレて、お前がプレイだとオレが隣でずっと叫んでる、って感じになりそうだもんな」
「絶対うるさいやつだ。お互いに」
「それはそれで楽しそうだけどな」


 こんな感じの動画を見たい。っていう話でした。

 最後までお付き合いくださりありがとうございました!



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