彼らは女神に呪われた | ナノ

合図、わかるよね?  


















七海さんと別れ、また廊下を歩く

今は龍也さんに呼ばれているんだ

あんなことしてる場合じゃなかったなぁ



「ハニー、リューヤさんの話って…」


「貴方達は気にしなくていいの」


「だけど…」


「レン、美嘉がいいと言っているのです
諦めなさい」


「…ってことは、
トキヤも気にしてるんだ?」


「当たり前です」


「お前ら美嘉を信用しろよな」


「一番イイコは翔みたいだよ?」


「「っ!」」



褒められた翔はぱあっと笑顔になり、トキヤとレンは一気に機嫌が悪くなる

その光景に笑いながらも歩き続ける

そして職員室前



「行ってくるから、貴方達は待っててね」


「……わかったよ、ハニー」


「合図、気がついてね?」






―――――――――――………






「失礼します」


「時間通りだな、如月」


「えぇ、急いで来ましたから」



ニコッと嫌みを言うと龍也さんは顔を引き攣らせる

そんな光景に、近くに居た林檎ちゃんも苦笑い



「それで、お話とは?」


「あ、あぁ…
ここで話すのはあれだから空き教室に行くぞ」


「はい」



龍也さんは椅子から立ち上がり、ついて来い、と言って職員室を出ようとする

私はその龍也さんに着いて行く

が、



「きゃっ!」



―――ドンッ…



私は床にあったコンセントに躓く

ごく、普通に



「!!大丈夫か?」


「えぇ、すみません
コンセントが見えなくて…」


「怪我は?」


「いえ、ありません」



ニコッと笑って見せると安心したように私を立たせてくれる

まぁ、わざとこけたんだから、怪我なんてするわけないし

そして入ってきたドアから職員室を出る






―――――――――――………






「それで、まだ引き連れてるようだな」


「何をですか?」


「一ノ瀬と神宮寺と来栖だよ」


「引き連れてるなんて…
まるで私が強制的に連れ回してるみたいじゃないですか」



ケラケラと笑う私

ホント、笑い話にしかならないな

私は与えられた椅子に深く座り、足を組む



「ここは恋愛………」


「禁止、でしょ?
知ってるよ、そんなこと
だから付き合ってるわけないでしょ、って何回言ったらわかるんですか、龍也さん」


「だがな、周りから見たら…」


「ただ友達が戯れてるだけ、にしか見えないと思いますけど」


「………………」


「友達と一緒に居ることの何が悪いんですかねぇ…」


「はぁ…わかったよ
けどな、悪いことは言わねぇ"やめろ"」


「ご忠告、ありがとうございます
ま、嫌ですけど」



そんな会話をして、私は空き教室のドアを開ける

そこに居たのは…



「遅いですよ、美嘉」


「ま、ハニーを待つ時間なら退屈はしないけどね」


「確かにな
ほら、行こうぜ美嘉」



私の可愛い従者達

ホント、イイコに育ったわ

私は振り返り、
こっちを見ている龍也さんに



「失礼、しました」



と、告げ静かにドアを閉めた












合図、わかるよね?
(今回は音と悲鳴。ちゃんと逃げてよ?)









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