出会い(Aクラス編)











―早乙女学園 放課後


私は、自分のクラスに行く為の通路にいる

変態一ノ瀬くんに捕まって、うんざりしながら歩いていたら、ぶつかった

誰と?

可愛らしい女の子と



「す、すみません!!」


「あ、ううん。こちらこそごめんね。ちょっとぼーっとしてて」



女の子は大量の楽譜を持っていて、私は散らばってしまったそれを拾った



「…作曲家志望なの?」


「は、はい…」


「七海ぃ〜!!」



私はその子の楽譜を持ったまま振り返ると、男の子が三人こちらに走ってきた



「大丈夫?七海。派手に転んでたけど…」


「怪我などはないか?」



赤い髪の子と青い髪の子が心配そうに近寄る



「あ、はい…。ぶつかってしまったのが女の人で…。」


「あぁ、私は平気よ。はい、楽譜」



拾った楽譜を渡すと、女の子は少し微笑んで受け取った



「あ、お名前教えてませんでしたよね?私、七海春歌といいます!Aクラスで作曲家志望です!!」


「私は月成桜。Sクラスで貴女と同じ作曲家志望だよ」



そのあと、赤い髪の子が一十木音也くん、青い髪の子が聖川真斗くん、黄色の髪の子が四ノ宮那月くんだと教えてくれた

みんなAクラスの成績優秀者だそうで



「作曲家志望なんですか?美人さんなのに」



那月くんが不思議そうに聞いてくる



「美人なんかじゃないよ。アイドルなんて、私には無理だわ。第一、美人なんて、はじめて言われたし」



私は那月くんに微笑みかけた



「そうですか〜?とっても美人で可愛らしいのに」


「……その手はなに?」



私は那月くんから伸びる長い手に違和感を覚えた



「ギューってしていいですか?」


「ダメです」



え?なに?

この子も一ノ瀬くんと同じ種類?



「…ごめんなさい。可愛らしいものを見ると、ついギューってしたくなるんです」


「…だから、手」



また、私に近寄ってくる魔の手

でも、那月くんは一ノ瀬くんと違って、ただ純粋にそう思うみたいだからいいかなって思った



「…ちょっとだけだよ」


「ありがとうございます!…ギュー!!」



那月くんは遠慮なしに抱き着いてきた

身長があるから、私は腕の中に埋まってしまう



「やっぱり可愛いです、桜ちゃん」


「そうかな…?」


「はい!!胸も大きいし、腰も細いし…「ストップ!!」



だめだ!!

やっぱり一ノ瀬くんと同じだ!!



「なななな、那月!!なに言ってんだよ!!」


「どうしました?」


「い、いきなり、あんなこと言うなよ!!
あー、もう、変なこと言うから真斗が黙っちゃったじゃんか!!」


「…いや、お、俺はっ……」


「ほら、真っ赤じゃんかー!!」


「…とりあえず落ち着こう?」



なんか慌ただしくなってきたから、一旦休憩

そして、解放してくれるとありがたいな、那月くん



「いやです」


「エスパー!?」



とにかく、状況が悪い

春歌はあわあわって感じだから、助けてくれそうにない

すると……



「春歌ちゃーん!」



聞き覚えのある声が



「林檎先生!」



林檎先生のおかげで、私は那月くんから脱出できた

と、言うか、あの林檎ちゃんが先生だって事も今知りましたけどね



「シャイニーからお手紙よーって、桜ちゃん?」


「…はい、そうですけど…」


「ちょうど良かったわ!貴女にも用件なのよ!!」



林檎先生は私に手紙らしきものを渡した



「シャイニーから、春歌ちゃんと桜ちゃんと友千香ちゃんにって♪」


「……You達三人は、三人部屋なのデース。言い忘れてマシター」


「桜ちゃんと、友千香ちゃんっていう人と一緒の部屋なんですね!」


「楽しそうですね〜」


「三人部屋かぁ。いいね!!」


「この学園に三人部屋なんてあったのか…」



なんて適当なんだ、学園長…

今、知ったし。と、言うか…



「春歌ちゃんと一緒の部屋なんだよね。これからよろしくね?」


「はいっ!!」



こんなに可愛い子と同室なんだから、挨拶くらいしとかないと

…楽しくなりそうだ















「…さすがに男女で同じ部屋はダメなんですかねぇ〜?」

「「「…!!!」」」






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