赤ずきんお使い放棄 | ナノ

∴ 赤ずきんお使い放棄




「赤ずきん、
おばあちゃんの家まで、
お使いに行ってくれる?」
お母さんに頼まれた。
「いいよ(即答」
「そ?偉いわねー。
じゃあ気をつけて
いってらっしゃい。」
「はぁーい。」
可愛いからって
家に閉じこもってたら
腐っちゃうわ。

「おっ使い!おっ使い!」
「ちょっとそこのお譲ちゃん。」
空気の読めないオオカミが
話しかけてきた。
「オオカミとか怖。」
「そんなに嬉しそうにどこ行くの?」
「…嬉しそうじゃないし。
あんたに何で話さないと
いけないわけ?
部外者は黙っててよ。」
「うぐっ。痛いとこつくねー。
わかった!!
おばあさんの家に行くんでしょ!?」
「何故わかったww
あんたさてはストーカーね!?」
「チ、チガウヨ?」
「あきらかに動揺してるし。
気色悪いことしないでよね!!」
「ごめんごめん。
お譲ちゃんが食べちゃいたいくらい
可愛かったからさ。」
「あらー、素直なオオカミね!!
でもホントに食べないでよ?」
「ウ、ウン(読まれてる!?)
不快な思いをさせちゃったお詫びに
良いところに案内してあげるよ。」
「良いところ?」

オオカミはお花畑に赤ずきんを
引っ張って行きました。
「確かに良いところね。」
「ここでおばあさんに花でも
摘んでいきなよ。」
「ありがとう。そうするわ。」

オオカミは行ってしまいました。
たぶんおばあさんの家に(笑)
赤ずきんはそう知りながらも
お花畑があまりにも
気持ち良かったので、
うとうとと日が暮れるまで
寝てしまいました。

「あ、もう日暮れか。
証拠隠滅!」
おばあさんのためのパンを食べ、
ワインをがぶ飲みして、
証拠隠滅が完了した赤ずきんは
そのまま家へと帰って行きました。


めでたしめでたし。

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<御題配布元>
確かに恋だった
(崩壊する童話5題)

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