低血圧の眠り姫 | ナノ

∴ 低血圧の眠り姫




「私を誕生パーティに
招待しなかったことを
後悔するがいい!!」
お姫様の誕生パーティに
自分だけ呼ばれなかったことに
腹を立てた魔女は
お城に眠りの呪いをかけました。
すると王様やお妃様、
城の者たちすべて、
深い眠りについてしまったのです。

…と思いきや、
一人だけ眠りにつきたくても
つけない者がおりました。
「なんで私だけ眠れないのよ!?
お姫様の私を差し置いて、
ぐーすか寝てんじゃないわよ!!」
そう言ってお城の者に
蹴りを入れたのは
例のお姫様です(笑)
お姫様は極度の低血圧だったのです。
いかに魔女の呪いが強かろうと
お姫様の根強い低血圧には
勝つことができませんでした。

お姫様一人でも
起きていたので、
お城がいばらで
覆われるなんてこともなく、
王子は容易に城に
辿り着くことができました。
邪魔をしてくる
往生際の悪い魔女を
優しいおばちゃん妖精に
手伝って貰いながら倒しました。
すると城の者たちが一斉に
目を覚ましたのでした。

眠ることができなかったお姫様は
始終不機嫌でしたが、
王子と結婚できると聞くと
あっという間にデレを発揮、
幸せに暮らしたようで。


めでたしめでたし。

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<御題配布元>
確かに恋だった
(崩壊する童話5題)

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