白雪姫はりんごアレルギー | ナノ

∴ 白雪姫はりんごアレルギー




「このりんごをお食べ。
おいしいよ。」
フードを深くかぶったおばあさんが
小人の家に訪ねてきて、
私にりんごを差し出した。
「ごめんなさい。
私りんごアレルギーなの。
おばあさんが食べて?」
「むぐっ!」
おばあさんは何故か
食べたくなさそうだった。
もしかして食わず嫌いなのかなー?
と思い、食べさせてあげた。
「おいしいでしょ?おばあさん。」
「ぐあああああああああぁ!!!」
おばあさんが歓喜の声をあげた。
「もうやだあ、おばあさんったらー。
そんなにおいしかったのぉ?」
気絶するおばあさん。
ちょっと悪いことしちゃったかしら…?

そこへ小人たちが慌てて帰ってきた。
「白雪姫!
無事だったんだね!!」
「私は無事よ?
どうかしたの?」
「悪い魔女が白雪姫の美しさを妬んで、
毒りんごを食べさせようとしてるって
聞いて急いで帰ってきたんだ!」
「毒りんご?
りんごならおばあさんがきて
差し出してきたけど、
私りんごアレルギーだから
いらないって言って、
おばあさんに食べさせてあげたわ?」

「………マジで?」
「白雪姫怖い。」
「魔女が哀れ。」
「魔女の遺体は放置っすか…
白雪さん。」

小人たちが次々と感想を述べる中、
場違いな声が響いた。
「なんて美しい人だ!
私と結婚してください!」
白馬に乗ってやってきた王子が
白雪姫に求婚した。
「よろこんで!」

こうして白雪姫と王子の
盛大な結婚式が行われ、
小人たちとも仲良く幸せに
暮したそうな。


めでたしめでたし。

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<御題配布元>
確かに恋だった
(崩壊する童話5題)

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