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「「はい?」じゃありません!どうしてあなたはいつもこうなんですか!?真面目に仕事もしないで下らないことばっかり考えて!!…剩え神崎まで巻き込んで、お遊びもいい加減にしてください!!!」
「ッ…、」
嵐のような怒声が室内に響く。零夜は指で耳に栓をしながらそれを聞き流し、未だ険しい表情の要に苦笑を浮かべた。
全く徹える様子もない零夜に、要はそこで深く息を吐き、呼吸を整えると諭すように言った。
「…いいですか?会長。あなたは生徒会の、この学園の全生徒をまとめる立場にあるんです。その自覚を、もっと持ってください。」
真摯な面持ちで話す要のその言葉を、いつしか零夜も黙って聴いていた。やがて、ゆっくりと要に向き直り、「すいません」と小さく頭を下げた。
「確かに、少しお遊びが過ぎました…。」
すると零夜は、要の前にスッと紙の束を差し出す。
それは、生徒会長の記入すべき欄がしっかり埋められた報告書だった。
「!…いつの間に、」
驚く要を前に、零夜はクスッと微笑むと、一つ大きく伸びをした。
「人間、頑張り過ぎるとなかなか上手くいかないものですよ。…要くんも、もう少し肩の力を抜いてもいいと思うのですが…。」
自分の肩にポンッと手を置く零夜に、要は惑う様な表情を見せた。
「が、頑張り過ぎてなど…」
【キーンコーンカーンコーン♪…】
その時、HRの予鈴が校内に響き渡り、要の声を掻き消した。
零夜は胸ポケットから懐中時計を取り出し、時間を確認する。
「もうこんな時間ですか。…では要くん、朝の業務はこの辺にして、そろそろ行きましょうか♪」
「ぁ、は、はい!」
要は慌てて返事をすると、HRに遅れまいと九条の後に続いて生徒会室を出る。
その表情は、先程までと比べると、幾分やわらかく感じられた……。
−−−その頃。
ある一室で、布団がもぞもぞと動き、ひとりの少年が目を覚ました。
「ぅ、んん〜…」
人影がむくりと起き上がり、クアァ〜ッと猫のような欠伸を一つする。
“…………ぁ、じかん………すぎてる………”
「……零哥に…おこられる……」