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過去から現在(いま)へ祝福を・後篇

柔らかい寝台に沈みこむ程に唇を重ねられてナマエは、ゆっくりと吐息を吐いた。何度もシンドバッドの唇が離れては顔じゅうに触れるように降り注いで最後に再び唇をゆっくりと塞がれる。寝台の上でゆっくりとシンドバッドに呑み込まれていくように緩慢な動作で抱きこまれて乗り上げられると、彼の瞳が優しく細められるのが分かってナマエも静かに瞼を降ろしてシンドバッドを受け入れた。
柔らかく、身体を蕩かす口づけに意識を奪われているうちにシンドバッドの手が、身体を撫でるように優しく這いまわってその暖かい温度に、無意識のうちにナマエの口から熱を帯びた吐息が漏れる。此方の昂りを全て察しているというようにシンドバッドが緩く笑みを浮かべると、夜着として着ていた長めのワンピースの裾をたくし上げて内腿を撫であげた。敏感になっている其処を何度も撫でられる度にナマエは湧きあげる快楽に身を捩る。もどかしい刺激にきゅっと唇を噛みしめると、縋る様にシンドバッドを見上げた。その視線に応えるように、きゅっと、夜着を押し上げていた胸の飾りを摘まれてナマエは大きく身体を振わせる。突然に与えられた強い刺激に、身体を戦慄かせるとシンドバッドがくつくつと低く笑うのが聞こえた。
強めに摘まれたかと思えば、シンドバッドの舌が夜着の上から優しく舐める感覚に胸の飾りがじんじんと疼くのが分かる。痛みと快楽を交互に与えられてナマエの意識が追いつかなくなる。身体が燃えてしまうという程に燻ぶった熱がじわりと腰のあたりに生まれて思わず内腿をすり合わせた。
その様子を見ていたシンドバッドが、待っていたという様に閉じられた足を開かせると先ほどと同じ様に内腿を撫で始める。しかし先ほどよりも明確な意思を持って秘所の近くを指先が掠る度に、びくびくと腰が震えてしまった。
これ以上の曖昧な快楽は苦痛になってしまうと、シンドバッドの髪を強請るように引っ張れば、分かったと言わんばかりに一度頬に唇を寄せた後、秘部に伸ばされた指が敏感な芽を軽く押しつぶされる。望んだ刺激に、溜まらずにナマエは甘い声をあげるともはや止まることのないシンドバッドの指が花芽を何度も擦っては押しつぶして弄んだ。既に多くの蜜に濡れている所為で、確かに響く水音に堪らなく羞恥心を煽られてナマエはぎゅっと瞼を閉じて顔を背けた。
闇に閉ざされた世界の中で、シンドバッドから与えられる感覚だけが身体を支配していく。頭の奥が溶けだすような感覚に呑まれそうになってナマエは縋る様にシンドバッドの夜着を掴んでぐいっと引き寄せた。

「もう、だめなの・・・、熱い・・・」

生理的に流れた涙によって、ぼやけた視界の中でシンドバッドが己の夜着を脱ぎ捨てた後、ゆっくりと熱く滾った物を蜜口に添える感触にナマエは一度身体を振わせる。これからもたらされる甘い衝動に期待を込めて息をつけば、ぐっとシンドバッドが奥へとその身を進めてきた。悦びに震える膣内(ナカ)がシンドバッドを締め付ける度に、シンドバッドが己の中にいるのだと言う事をまざまざと感じ取って、ナマエは細く喘ぎを零してしまう。思わず息を止めて、その感覚に耐えていれば、最奥まで突き入れたシンドバッドが一度ゆっくり息を吐き出してゆっくりと腰を揺すり始めた。
動きに合わせて、漏れる喘ぎが空気に溶ける。
シンドバッドの荒い吐息に混じる甘い声が、自分の耳にも聞こえて其れが一層、心を昂らせた。

「・・・ナマエ、名前を呼んでくれ。俺の名前を・・・」
「シ・・ンっ・・・シン、シン・・・ぁっ・・・んっ、シ・・・ンっ」

ぎゅっとシンドバッドに縋ってただシンドバッドの名前を呼び続ければ、彼の手がさらにぎゅっと腰を掴むのが分かった。激しく突き上げられて、揺れる視界の中で、シンドバッドの煌く様な瞳とぶつかる。その瞳の奥に、燃えつくす様な炎が揺らめいて見えて、吸い寄せられるようにシンドバッドを引き寄せてその唇を強請った。

「んっ、ふぁ、・・シン・・・好きっ・・・大、好きっ・・・」
「っ、・・・・ナマエっ」

一番感じる奥を何度何度も突き上げられて、ナマエは涙を流しながら白い絶頂を迎えた。



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