短い夢 | ナノ


シャルルカンとピスティに酒を呑まされて、すでにへろへろに酔っぱらったイオを腕に抱いてシンドバッドは堪え切れない笑みを顔いっぱいに浮かべながら、大きな足取りで紫獅塔への道を進んでいく。既に祭り自体は締めているので此処から先、広場に残るのは酔っ払いかまだまだ飲み足りない者達だけ。既にドラコーン達は辞していたのに便乗して、イオを連れて部屋に戻る事にしたシンドバッドは、腕の中で赤い顔をしてうっすら目を閉じているイオの姿ににんまりとほくそ笑んだ。イオから色々聞き出そうとしていた二人のおかげで、思いもよらずにイオの本音も聞き出せたし、こうして酔い潰れた彼女も確保出来た。普段、生真面目な性格の所為か受け身に回ることが多いイオだが、酒に酔っている時はいつもよりも少しだけ、いやかなり大胆になる。滅多に酒に飲まれる事がないイオのこういった姿はとても珍しいので、正直今日これからが楽しみでしょうがなかった。

「イオ、大丈夫か?水はいるか?」
「んー・・・、はい。飲みます・・・」

すとんと、自室の寝台に降ろした後、うっすらと目を開いたイオに問いかければ眠たそうな瞳をこじ開けたイオがコクリと頷く。その言葉に、寝台脇の小机に置いてあった水差しにそのまま口を付けて水を含むと、熱く熟れた唇を食べつくすかのように口づけた。
自分も多少なりとも酒を飲んでいるが、今日イオから漂う酒の匂いは自分の物よりも更に強い。甘い、酒の香りに混じって微かに果物の匂いがして蜂蜜酒に付けられた果物の甘さを連想させた。ぐずぐずに溶けて、甘さを纏ったその味は癖になる。水を全て飲ませた後、深く舌を絡ませると一瞬戸惑ったように逃げたイオの舌も直ぐに答えて絡ませてくる。
熱と、豊潤な甘みを伴ったそれに夢中になっていた所で、微かにイオの手が此方の身体を押し返す。ほんの少し。鼻先が触れあう位の距離まで離れて一度イオの赤くなった唇をぺろりと舐めあげればサッと目尻が赤くなった。

「まだ足りないか?」
「・・・・もう、大丈夫。それよりも・・・」

イオの黒い瞳が潤んで、僅かに部屋に差しこんでいる光源がきらりと反射する。その眼が優しく細められて、すっと唇が軽く重ねられた。まるで啄ばむ様な口づけは直ぐに離れて、イオの手がするりと首に回る。ぐっと力を込められて引き寄せてきたイオに、逆らわずに上に乗り上げると嬉しそうにくすくすと笑う声が鼓膜を揺らす。じわりと上がってきた体温に、ばさりと肩布を滑り落とした所で、イオが唇を耳を寄せてきた。

「シンが、いいです」

囁く様な小さな掠れた声で請われた言葉にシンドバッドの心臓も大きく高鳴る。一気に体中の血液が回りだす感覚は、強い酒を煽った時の感覚に似ていた。湧き上がる衝動のままに唇を重ねるとイオの身体を深く寝台に押し付ける様にして舌を絡ませ合う。息をする暇も与えずに、唯此方の思うままに振る舞えばイオの呼吸は直ぐに乱れてくる。苦しそうに顔を背けようとするのを許さずに舌を擽るように舐めあげれば、頬を真っ赤に染めて眉間を寄せて、手で胸を押し返してきた。これ以上やれば、意識を失うかもしれないという所で、解放してやるとイオの胸が大きく震える。喘ぐ様に喉を振わせて、呼吸を繰り返すイオの姿を満足げに見下ろした後、そっと小刻みに震える喉元に噛みつく様に舐めあげた。

「んっ・・・はぁ・・・」

既に肌も熱く色づいていて、甘い香りがしている。ちょうど鎖骨の辺りで結ばれた紐を唇で引っ張って解くと、はらりと胸元の服が緩んで、白い膨らみを覗かせた。ぐっと、服を剥くようにはぎとると、ふるりと丸く膨らんだ乳房が現れて思わずごくりと喉が鳴る。イムチャックでみた白い新雪のように滑らかな丸みの上に、ふくりと立ち上がった淡く色づいた飾りを堪らずに口に含めば、イオの喘ぎが鼓膜を揺らす。悦ぶ様な、そしてどこか媚びる様な声色が耳から頭に染みわたり、鈍い熱を身体に宿らせていった。

「あっ・・・ん、っ・・・ふぁっ・・・シ、シン・・・やっ・・・」

舌と唇で散々に弄んで、最後に軽く甘噛みすれば、びくびくとイオの身体が震える。片方だけは可哀そうかと、もう片方の飾りも指で捏ね回して摘まみ上げれば、イオが唇を噛んで快楽に耐えているのが分かって、シンドバッドはニヤリと口元を緩ませた。

「あまり噛むな、傷になるだろう?」
「っで、でも・・・声、・・んっ・・抑えられな・・・っ」
「抑える必要なんてないさ。その声がもっと聞きたいんだ・・・」
「やっ・・・恥ずかし・・・」

まだ理性が残っているのか、羞恥に首を振るを姿にシンドバッドの中の嗜虐心が擽られる。理性も、羞恥もすべて快楽で絡め取って、甘く蕩けたイオの表情が見たいと本能が告げて、その思いのままに空いた片手をイオの太股へと滑らせた。そのなめらかな感触を確かめる様に、幾度か撫でた後、内腿、そして熱く蕩けた秘所へと指を進める。

「すごいな、これなら慣らす必要もなさそうだ」
「っ・・・!」

既に蜜に濡れた其処に、指を這わせて入口のあたりをゆるゆると擽ってみせればイオの背中が弾けた様に撓った。十分に指に蜜を纏わせた後、イオが僅かに息を吐いて力を抜いたのを見計らって指を埋める。

「あぁっ・・・!っはぁ、んっ・・ぁ」
「ずいぶんと美味そうにしゃぶるな・・・」

奥まで埋められた指を締め付けて、悦ぶ膣内(ナカ)にからかう様に声をかければイオは目尻に涙を浮かべて頭を振った。まだまだ、快楽に叩き落とすには足りないなと口に出さずに胸の中で呟いて、もう一本指を付き入れるとイオが苦手にしている、一際感じる場所を指の腹で刺激した。

「あッ・・んぅっ、んっ、や・・あっ、ダメっ、いっ・・・」

まるで誘う様に腰をくねらせて、快楽に悶える姿は息をのむほどに官能的だ。普段の彼女からは想像も出来ない程に色めいた姿態を見る事が出来るのは自分だけという優越感に底しれない満足感を感じながら、シンドバッドは更にぷくりと存在を主張していた花芽を親指で擦り上げた。

「ああぁッ・・・ダメっ、もうっ・・・んぅ・・・っ、シ、ンっ・・・」

指を埋めた膣内(ナカ)が更に絡みついて奥へと誘う様な動きを見せて、そろそろイオの限界が近い事を悟って、シンドバッドは指を止める。突然引いていく快楽の波にイオの唇から切なげな吐息が漏れたが、其れを気にせずに指を引き抜くと、小さな喘ぎを漏らした後、イオが大きく息を吐いた。
中途半端に高められた身体は大分辛いはずだ。現に、ほんの少し息を整えたイオが、涙に濡れた瞳で縋る様な視線を寄こしている。じっと、熱い視線を此方に送ってくるイオに目を細めて微笑んでやれば、その瞳が泣きそうに歪んだ。

「どうかしたのか?」
「っ・・・シン、もう・・・」
「ん?」

きゅっと一度唇噛んで、言い淀んだ後、目を逸らして「いれて下さい」と小さく懇願したイオに、どうしようもない程の愛しさを感じてその頬に口づける。ちゅっと音を立てて吸いついて舐めあげれば、気持ち良さそうに彼女も目を細めた。何度か、顔じゅうに口づけを落としていれば、焦れたのかイオが髪を何度か引っ張って強請る。その姿に喉の奥で笑いながら頭を撫でてやった後、限界まで張りつめた己の物を蜜口に添える。その熱を感じたのか、小さく息を呑んだイオが期待に濡れた瞳で見上げてきたのを合図に、ぐっと奥へと押しいれた。

「ん――、っあ、ふぁ、あぁ……っ」
「っ・・・はぁ、あまり、締め付けないでくれ・・・」
「あぁっ、んっ、わかんなっ・・・」

待っていたと言わんばかりに絡みつく膣内(ナカ)の感触に、シンドバッドの額にも汗が浮く。気を抜けばあっという間に上りつめてしまいそうな快楽に、シンドバッドの興奮も際限なく高まっていく。奥まで付きいれた楔で奥を刺激するように突きあげれば、イオの背が撓って、びくびくと腰を振わせて喘ぎを漏らした。

「あっ、あっ、あっ・・・ダメっもう、んっ、あっ・・イ、っく・・・っ」
「はっ、もう限界か?」
「シンっ、シンっ、んっ、あっあっ・・っあぁあッ!」

先ほど、頂点を迎えようとして焦らされた身体が限界を迎えるのは簡単だった。ぎゅっと此方の精を絞り取ろうとするかのような意思を持って、蠢いて絡みつく。一瞬、このまま吐きだしてしまおうかと悩むが、まだまだイオを快楽に沈めたくて耐えることにした。きゅうっと締め付ける中を小刻みに軽く腰を動かしてイオの膣内(ナカ)を擦れば、イオが首を打ち振って止まらない絶頂に啼き声をあげる。

「だ、めぇ・・・ッ、もっ・・あんっ、んっ、あっ、あっ」
「またイクのか?ずいぶんと善さそうで何よりだ・・っ」
「ぅ・・・んっ、っ――、あっ、あッ・・・だめっ、も、うっ・・・」

再び続けて、ぎゅうっと締め付けるイオをシンドバッドは愛しそうに見つめると、そのぼんやりとした融けた瞳に唇を寄せる。荒い息で胸を震わせるイオの身体を一度抱きしめて、腰を押し付けた後、力が抜けた彼女の脚を腕に掛けて上に乗り上げる様にして上から見下ろした。

「さぁ、イオ。まだまだ付き合ってもらうぞ。・・・大好きなんだろう?俺も、コレも」

腰を打ちつける様に、一度震わせるとイオの喉から再び甘い声が漏れる。
背筋を甘く痺れさせるその声を聞きながらシンドバッドは再び、快楽の海へと二人沈んでいった。





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