雪夜のぬくもり


「ねー、ドニー」

「んー?」

「私さ、クリスマスよりクリスマスイブの方が盛り上がると思うんだよねー」

「あぁ、それはななしが子供だって証拠だね」

「そうかぁ…、って何かさり気に馬鹿にした!?」

「気のせいだよ」

「………」


今、私はドナテロの部屋にいる。皆と下水道パーティ(酷い)をやった後、皆に変に気を利かせていただいて、ドニーと二人っきりだ(てか、一応恋人同士だから気を利かせてもらわなくても…)

さっきからドニーが机に向かいっぱなしでつまらないので、私はそこらへんにある椅子の上で体育座りをしていた。

「ドニー、外に行こうよー。イルミネーション綺麗だよきっと」

「明日でもいいじゃないか」

「いや、ほら!イブの方がなんか盛り上がる感じしない?」

「しないね。てか、似たような言葉さっきも聞いたよ」

「うぅー!ドニーの馬鹿ヤロー!オタク亀ー!!」

「オタクでけっこう。外寒いし」

「(あれ、馬鹿のところはスルーされた?)この部屋も十分寒いじゃん!」

そう、ドニーの部屋には暖房がない。てか、この家の中で暖房を見たことがない(なぜか皆集まるところは暖かい。)

だから、部屋の中でもコート着用中。

あぅ…、眠くなってきた…
眠…く







「ななし…ななしっ!」

「へ?はっ!私寝てた!?」

「うん。ぐっすり。それとね…」

「ん?」

「パンツ丸見え」

「へ…ぎゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!変態ー!!!!」

「ななしが体育座りしてるのがいけないんじゃないか…」

私は慌てて立ち上がった。スカートで来るんじゃなかった!

「はっ!今何時!?」

「12月25日0時12分37秒」

「そんな正確じゃなくていいから!あぁ…、イブ終わっちゃった」

ガックリ、と肩を落とすとドニーが何か機械を持ってきた。

「ななしここのスイッチ押してみて?」

「……なんで?」

「いいから」

ドニーはにこやかだった。まぁ、いいかと思いながら押してみる。

すると…────


「なにこれ…雪…?」

「ご名答!」

機械の煙突部分から雪が溢れ出てきたのだ。そしてそれはポップコーンのように弾けて降ってくる様な形になった。

「わぁ…。綺麗!」

「ななし前に言ってたじゃない。クリスマスイブは雪が降るといいなって」

「あ……」




-「今年雪は降らないんだって」-

-「えー。楽しみにしてたのになぁ…。クリスマスイブに雪…」-」






「覚えてて、くれたの…?」

「そりゃあ、可愛い恋人の為だからね」

「で、でもこんなに降ったら掃除大変じゃないの?」

「大丈夫。スイッチ一つでこの雪全部消えるから」

「すごっ!どんな仕組み!?」

「教えなーい」

「あはは、まぁ、説明された所でわかんないけどね!」

「僕、天才だからね。そういえばクリスマスイブってさ」

「うん?」

「24日の夕刻から25日の朝までの事を言うんだって」

「そうなの!?」

「うん。だからまだイブだよ」

ちょっとピンとこないなぁ、とか思ってたらドニーが私の肩を優しく掴んできた。

「お気に召しましたか?」

「もうお腹いっぱい!」

「これが僕からのプレゼントだよ」

素敵なプレゼントを貰ってしまった!すっごく嬉しいんですが!!

「じゃあ後もう一個ね」

「ん?……っ!」



雪が降り積もる中で

幻想的な

キスを

されました




「愛してる。これからもずっと君を手放したりはしない。僕が一生守ってみせる」

ぎゅう、と抱きしめてきたので私も抱き返した。

「ねぇ、ドニー。私、今すごい幸せ…」

「僕もだよ」

「ありがとうドニー。私も愛してるよ」


と、私からもキスをした


「あ!私ねマフラー編んできたの!!それが私からのプレゼント」

「え?何言ってるの?もちろんマフラーは貰うけどななしもプレゼントだよね?」

「ええぇぇぇ!!??」

「じゃあ、ご馳走になります!」

「…もういいや、慣れたから」






深夜のイブに

ぬくもり ふたつ


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