Cruel encounter
天気のいいある日の朝、フランソワーズは一人で海岸を散歩していた。

彼女はサイボーグに改造され、恐るべき程の視力と聴力を身に付け、40年間眠らされていたが、やはり年頃の女の子。たまには一人で海辺を散歩し、物思いにふけたい時もある。

朝の海辺は朝日にあてられた海がキラキラと光り、とても幻想的でフランソワーズは思わず笑みを溢し目を細めた。
瞬間、ふっと頭の中にある映像が浮かびフランソワーズは思わず身構える。

(何…?何かが漂ってきている…。赤い、服?まさかっ!)

波の音と共にその物体は砂浜付近まで近づいているのがわかり、おもわずフランソワーズは物体に向かって駆け出した。
かなりの距離があったため、フランソワーズは呼吸を荒くしながらもその場所に辿りつく。
そして、その『赤い服』に用心しながら近づきしゃがみ込む。

「…っ!女の子……!?」

それはまだ少し幼さの残る顔をした少女だった。そしてその服装は────

「私達と同じ戦闘服だわ……。まさか、サイボーグ…!」

フランソワーズは少女を水から引き揚げると急いでギルモア邸にいるジョーへと脳波通信で事を伝えた。
少女の瞳は閉じたまま。



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