これが日常


「やっほー悟! 今日もトランクスと遊びに来たの?悟天が『最近悟が一緒に来ないんだよー』って拗ねてたよ」
「ピッコロさんとの修行が思ったより長引いちゃって……」
「そっか、ピッコロ大魔王に稽古つけてもらってるんだっけ。そんな危ないことするよりボクとポーズの練習しようぜー!」

BAAAAN!と背景に特徴的なエフェクトを出しながらヒーローポーズを決める彼に、悟はおー!と拍手をする。
悟がいつものようにカプセルコーポレーションへ遊びに来ると、ガードマンとして見回りをしているガンマ2号に話しかけられることが、もはや日課となっていた。

「私的にはポーズ練習より2号さんと手合わせしたいなー、とか思ったり……!」
「えー! 悟いっつもそう言うじゃん!ボク、キミのことケガさせたくないし」
「そんなにか弱くないないですって!」
「2号、悟はトランクスに会いに来たのだろう。また引き留めているのか」

そして、それを止めるのが必然的にガンマ1号の日課にもなってしまっている。

「だってもっと話したいじゃん!ピッコロ大魔王と修行してて、半分サイヤ人?の女の子で、変身してヒーローにもなる子なんて気になりすぎるでしょ!?」
「ま、まぁ……、わからなくはない。我々人造人間ともヘド博士とも違うからな……」
「それなら悟天やトランクスくん、あとお兄ちゃんとかの方が強いから、私じゃなくても……」
「悟がいいの!」
「2号、そろそろ……」
「1号だってそうでしょ!? ボクにはわかるんだからね!! 悟ともっと話したいって!!」
「ちがっ!私はっ、なんだ、その、純粋にその強さをとかだな……!」
「違わないじゃん!!」

やいやい!と言い合う1号2号に挟まれた悟は小声で「ごて〜ん……トランクスく〜ん……どうしよう……」とオロオロしていた。
そんな様子を遠くから眺める影が三つ。

「あの二人、悟のこと好きだよなー。いっつも絡まれてる」
「あんな顔する悟、久しぶりに見たなぁ」
「……いや、助けにいかないの?僕が止めようか?」
「いやいや、面白いからさ」
「もうちょっと見てたい」
楽しそうに笑うトランクスと悟天にヘド博士は「そういうものなのかな……?」と少し首を傾げながら見守っていた。

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