メガトロンに添い寝したい
「メガちゃん一緒に寝よう!」
「断る!」
バンっと勢いよく扉が開き、同時に爆弾発言がメガトロンの耳に入ってきた。
美佐の行動パターンにも慣れたもので、すぐ切り返しが出来るようになってしまっている。
「えーなんでー!いいじゃんー!!」
「夜中に男の部屋に入ってきて何言ってるんだお前は!俺様以外の奴だったら襲…われないか美佐だもんな…」
「やだ、メガちゃんのえっち!そして失礼!!」
「いいから自分の部屋に戻れぃ!」
彼女が今入ってきた扉を指差し、さっさと出るように怒鳴る。
しかし、美佐はそんなものお構いなしでメガトロンのの横をすり抜け彼のベッドにダイブした。
「うっわメガちゃんのお布団ふっかふか!ずるい!私の部屋もこうしてっ!」
ごろんごろんと広いベッドを転げまわる彼女にメガトロンは深い溜息をつく。
そして美佐に近づきベッドの端に座った。
「あのさぁ、お前元気じゃない時あるの?少しは落ち着け」
軽く彼女の頭にチョップをすると動きが止まった。
美佐は鈍い打撃を受けた頭を押さえ、寝っ転がったまま彼を見つめた。
「寝てる時は静かだよ!いびきもかかないよ!多分」
「不安要素たっぷりじゃないか…。寝てても蹴らないか?」
「向こうの世界でお泊りしたときは大丈夫だったよー」
本日二回目の溜息。よっこらせっ、とメガトロンは立ち上がり掛け布団をめくる。
「今日だけだぞ。早く入れ」
「本当!?わーいパパ大好き!!」
「いいから抱きつくな!身体冷えてるだろうが!!」
悪の帝王にしては優しすぎる言葉に美佐は頬が綻び、いそいそとベッドに潜り込んだ。
「このベッドは広いからな、あまり近づくなよ」
自身もベッドに入れば彼女が抱きついてきた。聞こえないふりをしたらしい。
ああもう、と仕方なく彼はそれを受け入れることにした。
数分後には静かに眠りについた美佐に、一つ苦笑を漏らすと、メガトロンも目を閉じた。