ずっとずっとここにいるよ いつも、きみのすぐとなり

「ミューちゃんの眼は綺麗な紅色だねえ」

美佐がそういってボクのことをほめてくれた。
ボクはうれしくってたまらなくなる。

「美佐、も、きれい だよ?」

そうボクがいえば「そうかなぁ」とこまったようなかおをする君。
ランページにおしえてもらった。あのかおの美佐はてれているんだって。

でもボクはみたことがある。
みず、あめがふっているなかでこまったようなかおをした君を。
なにかがおかしくてボクはくびをかしげてしまう。
みず、そうみずがたくさん美佐のめからでていたんだ。
ボクはあわててそれをとめようと美佐のめをこする。
するときみはわらって、でもちいさなこえで

「ミューちゃんは優しいなあ。私はもう大丈夫だよ」

ボクのあたまをなでるてはつめたくて。
いつもはあたたかいのに、なんで?

「うそ」

「え?」

「美佐のて、つめたい。だいじょうぶ、じゃ ない」

「ミューちゃん」

「なんで?なんで美佐はうそをつくの?」

わらっていた君のかおがまたこまったかおになる。

「…私はね、この世界の人間じゃないの」

「しってる!ランページ いってた!」

「私は、皆に嘘をついてる。…帰りたくないと」

「?」

「でも、帰りたい気持ちと帰りたくない気持ちがごっちゃごちゃなんだ。
あっちには私の家族がいる。でも、会いたくない人達もいる」

「あいたくない?美佐をいじめるの?」

「まぁ…そこまではいかないけど……」

ボクはおこる。美佐をいじめるなんて、ぜったいにゆるさない!

「だったらここに いて!みんな、美佐が大好き だから!!」

「…うん。あはは、ミューちゃんにこんな事言わせちゃうなんて私は悪い子だなぁ」

「美佐わるいこ じゃない!だって……」

だってボクを、みんなとちがっているボクをあたたかくつつみこんでくれる。
ぼうっきれのようなボクにぬくもりをあたえてくれる。
ボクだけじゃない、みんなにえがおをふりまいてくれるんだ。
そういいたいのに、ボクはことばをはなすのがへたっぴだから……。

「ありがとうミューちゃん。大好き!」

「ボクも 美佐 だーいすき!!」

ぎゅうってしてくれる君がとてもすきなんだ。

「ボク、じぶんのめがきらいだったの」

「そうなの?綺麗なのに…」

「だって…わるいひとたちとおんなじいろ だから」

「メガちゃん達かあ…。確かに悪い事してるけども」

「ランページやシルバーボルトがいなかったら、ボクはあのひとたちにけされてたんだって」

そう、きいたから…。
さびしかった、こわかった。でもいまはみんなボクをうけいれてくれる。

「ミューちゃん。君はもうどこでもいけるんだよ、羽ばたいたっていいんだ」

「ボク とべない よ?」

「翼は確かにミューちゃんにはないけど、でも一緒にどこでもいけるんだよ」

「おはなばたけ とか?」

「そう!また一緒に行こうねー」

「うん!!」

美佐のいうことはときどき、とてもむずかしい。
でもいつかボクにもわかるひがくるのだろう。
だからわすれないようにしなくちゃ。君のことば、君のえがおを。









(おい美佐!なにミューちゃんを雨にさらしとるんじゃ!!風邪ひかせたらどーする!?)
(あっそうか!雨降ってたんだ!ごめんねミューちゃん…)
(ボク だいじょうぶだよ!)


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BGM「アルビノ」by.buzzG

タイトルはひよこ屋様より。
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