ショタ銀時と教育実習生土方 | ナノ

くしゃり。跳ね回った銀髪を撫でる指先と同じくらい柔らかく、その人は笑った。

「ふわふわだな。この髪地毛か」

周囲より少し成長期が来るのが早く、小学生で170越えてしまった俺は体が大きい分、力も強かった。自分でもうまく制御できない体は暴走気味で。ツッコミで軽く叩いただけで怪我をさせてし まったり、ちょっとぶつかっただけで窓を割ってしまったり。小柄で年のいった女の担任は何かある度にヒステリックに俺を叱り、見た目も生い立ちも普通と違っていた俺はあっという間に周囲から孤立した。

「なにすんだよ」

そんな時にやってきた、教育実習生。無視も、嫌がらせも、陰口も散々やられて、 声をあげることすら面倒になって、空っぽな気持ちで全てを投げ出した俺の前に、ある日降って湧いたらイレギュラー。

「土方先生、ダメだよっ、坂田くんはあぶないよ!」
「そうだよ、オヤナシだからきょーぼーなんだってうちのお母さん言ってたもん!」

頭を撫でられる、という慣れない体験に一瞬呆けてし まったのが気まずくて手を払いのけるときゃあと遠巻きに女子の悲鳴があがる。危ないってなんだよ。そんなこと吹き込むような親なんていらねーよと思ったけどめんどくさくなりそうだったから口にはださず。代わりに好き勝手言いやがってと睨み付けようとして、

「は?」

上から降ってきた地を這うような恐 ろしい声に固まってしまった。

「…コイツが今までに何したかは知らないが、随分ひでぇ言いようだなオイ。」

今さっきまで爽やかで胡散臭い笑みを浮かべていたヒジカタ先生とやらは媚びた声を上げていた女子を一瞥し鼻で笑った。

「つーか覚えとけ。お前らがしてんのはいじめと一緒だ。タッパはでかいが、お前ら と同じ下の毛も生え揃ってないガキだろうが。そんなこと言われて傷つかないわけねーだろーが」

ポン、と再び頭に乗せられた手のひらはやっぱりあたたかくて、真っ直ぐこちらを見てくれる人はひどく久しぶりな気がしてなんだか鼻の奥がツンとした。

「…てめーもだ。言いたいことがあんなら声に出せ。 言わなきゃ誰にも届かねーぞ。理解されたいなら自分で動け。ガキの癖に諦めてんじゃねーよ。泣いて喚いてはお前らの専売特許だろう」

しょうがない奴だと笑みを含んだあたたかい言葉に、よく頑張ったなとでもいう様に優しく頭を撫でる手に、俺は、そこまでガキじゃねーよと一言返すだけで精一杯だった。











で、こっからやたら土方に懐く銀時くん。土方は適当にお前でかいし力もあんだろ、剣道してみろよーなんて薦めて消える。で、駄目元で道場行ってみたら先生やバカやれる悪友と出会い、下宿おkとか言われて施設でて学校も移り環境も変わって中学なってそういやアレが初恋だったのかなーなんて笑っていつ かお礼言いたいななんて忘れられずにいた坂田くんは高校でなぜか高校教師してる土方に再開して、あっちもあの時の。そっかダチはできたかなんて覚えててふって笑って。その瞬間に改めて心臓ぶちぬかれる銀時くん。そっから始まるぜっさん。
刷り込みのごとく土方に懐く銀時くん。小学生の 時の不器用で意地っ張りで寂しがりな銀時を知ってるからどうしても甘くなっちゃう土方先生。押して押して押して押して引いて押して土方先生をおとす銀時くん。

「いつまでもガキだと思って甘くみてんなよ。下の毛はとうに生え揃ってるぜ。なんなら確かめてみる?ね、土方センセ」なぜっさん。どうすか。