ニンゲンとして生きる術を見つけるにはおれはちいさすぎた。生き延びるために生きていた日々。いつしかニンゲンの言葉を話す術を忘れていた。 足元に転がったまま冷たくなっていく敵だったモノ。自分達をオトナだのブシだのというニンゲンは俺をガキだのコオニだの言って冷たい目をしてバカにしたように見下して、カタナをちらつかせておれが怯えるのを見たがる。おれが睨み返すとナマイキだと言ってカタナを振りかざすのだ。だから殺した。痛いのはいやだから。殺されたくないから。生きて いたい から。 で も 生 き て い た と し て お れ は ニ ン ゲ ン か ? ずっと話す相手がいなかったからコトバもしゃべれない、殺されないために殺す、生きるために殺した奴から食い物を奪う、おれはいったい――? 「強くなりたいなら、ついておいで」 手を伸ばしたのはきっと、ずっと望んでたから。 おれはきっと、ずっとずっとニンゲンになりたかったんだ。 |