うっかり燃えた:媚薬坂田2 | ナノ


「惚れたのは確かにお前が先だったかもしんねぇが、同じ男だってぇのに俺ばっか好き勝手されるってのが気に入らねぇ」

土方に惚れた時、俺はまず自分の正気を疑った。
だって、土方よ?何をするにも気に食わず反りが会わず何かと揉める高給取りのチンピラ警官。大声で子どもみたいな喧嘩を繰り返し、周りから犬猿の仲だと言われる男同士で。
ナイナイナイ。
かぶき町に根を張っていれば男同士に偏見なんか持ってられないし、昔では衆道なんて言葉があったくらいだから男に惚れたのはたいしたことではない。問題はなんでアイツなのか、だ。初めて会った時はテロリストと間違えて斬りかかられ、二度目はゴリラの為にとまた斬りかかられた。女共が漏れなく振りかえる程のクールな相貌にサラッサラの黒髪ストレート。第一印象はこれ以上ないほど最悪だった、筈なのに。

「だから、今日は俺がお前に好き勝手する番な。」

なにがどうしてこうなった。
なんでどうしてと頭で否定しても体は本当に正直なもので、町を歩けば目が勝手に黒い男を探してしまうし煙草の香りがすれば思わず振り返るし会えば嬉しくてついついいじり倒してしまうし怒りで真っ赤になった顔にうっかり可愛いとか思うし胸が高鳴るし口はますます動くし気が付けば呑みに誘ってたし呑み比べの決着着けるぞと誘えば負けず嫌いな土方はあっさり安い挑発に乗ってきた。酒の力を借りて告白してみたら、へべれけに酔った土方は大真面目な俺の告白をあっさり冗談だろと切り捨てた。ガラスで出来た心臓を有する俺はそれはもう粉々に砕け散ったが流石にフラれるだろうと予想してたし覚悟も出来ていたのでむしろ頷かれたら土方を医者に運び込むくらいはしていただろう。すぐさまガラスのハートをガムテ補修で立ち直らせて俺は土方に宣戦布告をし、その後数ヵ月に及ぶ猛アタックの末なんとか奇跡的に土方を落とすことに成功したのだ。その頃にはもうAVも脳が勝手に土方に変換してしまうしどうしたら傷付けることなく土方を抱くことができるか知るためにネット茶屋に情報収集に行きシミュレーションを繰り返すぐらい切羽詰まってた俺は迷わず土方を押し倒したし、男同士の知識もなく実は意外と流され易かった土方は戸惑ったし抵抗したもの巧みに丸めこばなんとかなし崩しに受け入れてくれた。散々頭の中でアレコレしていた土方の体に実際に触れれた事に対して興奮した俺が手加減出来なくなるのはまぁ言ってみれば当たり前で、初めてかってくらい余裕なく土方を抱いたのだ。

「ちょ、土方くんタ、タイム!!」
「駄目だ待たねぇ」

一度致してしまえば成人男性がお手て繋いで満足できるわけもなく仕事に支障が出ない程度で幾度となく体を重ねていたし、マンネリ化を防ぐために多少マニアックなプレイにも及んだかもしれないが上か下かで揉めたのは最初の一回だけだった筈だ。それに最初の失態を挽回すべく2回目以降はそれはもう誠心誠意、真心も下心も込めて抱いているおかげで最近では土方だって後ろをちょっと気に入っている筈で、フォローの鬼は褥の中でもリードされるのがお好きなのねなんて調子に乗ったらヤりすぎてしまって頼むからセーブしろと殴られたけどプレイの内容だって本気で嫌がったことはしてないし、そもそも薄々分かっていたことだがお綺麗な顔してドエムだった土方は何だかんだ言っても多少乱暴に抱いたくらいじゃ嫌がらないし、むしろ悦んでどろどろのきゅうきゅう…いや、ともかくだ、

「そもそも、俺そんな好き勝手した覚えはねぇんだけd」
「ア?」
「なんでもないです」
俺の主張は言い切る前に一言で切り捨てられた。こっえー。ナニあれ絶対恋人にする顔じゃないって。えー俺土方怒らせるようなことなんかしたっけ?つーかさっきまでむしろ機嫌よかったじゃん居酒屋で和やかに杯重ねてたじゃんちゃんと働いた金で懐温かいから今夜は奢ってやるって言ったら珍しいこともあるもんだな明日は槍でも降んのかって笑いながらぶすくれてカウンターに突っ伏した俺の頭こっそり撫でてくれたじゃん。え、もしかして夢?さっきの優しい土方くんは夢だったの?それともこっちが夢?確かにそれなりに呑んでたけど気が付けばベットに半裸で括りつけられてたとかこっちの方がよっぽど夢みたいだよねー

「つーかお前よくそんな喋れんな。思わずちゃんと起ってるか確認しちまったじゃねぇか」
「あらやだ口に出てた?やだなー土方くん。これでも中々限界なんだよ?なんか考えてねぇと堪えられねぇってだけで。そもそもおめーなんで薬なんて盛ったわけよ。銀さんの肉体にムラムラして遂に抑えきれなくなった?やだー土方のえっちー。それならそうと言ってくれれば考えてやらないこともなかったのにー」
「お前が俺に掘られる気なんか毛ほどもなかったくせによく言うぜまったく、減らず口ってーのは本当にてめぇの為にある言葉だな。安心しろ。俺はお前と違って野郎抱きたいなんて考えたこともねぇ。ただ、いつもやられっぱなしだからたまにゃ俺もお礼をしてやんねぇとなと思ってな。」
「ぐ、」

どうやら攻守交代を迫られる訳ではないらしいと安心し僅かに息を吐いた瞬間、ぐりぐりと、ズボンの中でガチガチに硬くなっていた股間を踏みつけられて思わず変な声が出た。気を散らしてどうにか我慢していたのに土方が強弱つけて踏むもんだから嫌でも意識してしまうしぶっちゃけもう痛いくらい張り詰めた息子はいつ暴発してもおかしくないくらいで

「ちょ、土方ッ」
「あ?なんだよもう限界か。随分早ぇじゃねぇか、なあ?いつもと違って。」
「ぐ、ァ…も、」
「普段もそれくらいスムーズにイってくれりゃあ痛む腰さすりながら仕事に行くことも何時までもてめぇのやたらデカイもんくわえこんでるみたいな違和感に苛まれることもねぇのになぁ?」

どうやら怒っている原因はこの辺りらしいと真っ赤に染まる視界で土方を伺うと視線に気付いたらしい土方はまぁなんだ、とりあえず一回イっとけ。なんて笑って足に力を込めて。

「ッ、ちょ…ズボンど…すんだ、よ。帰れねー、じゃん」
「ハッ、ぐちゃぐちゃになっちまったなぁ?いやーまさか本当に踏まれてイくとは思わなかったからよー悪い悪い。でも着流しで帰れば関係なくね?そもそも脱がし憎いんだよてめぇの服」
「…前に隊服汚したのがそんなに気に食わなかった訳ね。でも何だかんだでそんな怒ってなかったじゃんお前。結局そのまま俺んちで洗濯したじゃん。何まだ根に持ってたの?」

明日は非番だからと隊服のまま万事屋に訪れた土方をうっかり襲ってしまったのは記憶に新しい。手でもみ洗いさせられて乾くまでの間俺の着流しにくるまって拗ねてた土方のご機嫌とりが大変だった。にしても一字一句間違えずに覚えてるなんてすげぇな土方くん。そんなに根に持ってたのか。お詫びのマヨ丼で許してくれた訳じゃなかったのか

「それだけじゃねぇ。」
「わ、ちょ、やめろって」

濡れてしまったらしい靴下を舌打ちし脱ぎ捨てた土方は漸くベットに膝をついた。ギシと派手な音を立てるスプリングに萎える様子のない息子が煽られピクリと震える。それに気付いてかニヤリと口角をあげた土方は何を思ったか俺のぐちゃぐちゃになったズボンのホックを外し、ジッパーを下げはじめる。男くさい表情でじりじりとジッパー下げる様がエロすぎて興奮した息子が角度を上げて、裏筋を掠めた指先に思わず呻けば土方は一層笑みを深め、憎たらしいほどゆっくりとズボンを寛げパンツをずらしてナニを取り出した。

「てめぇのコレには毎度毎度世話になってるからな、きっちり礼をしねぇと俺の気が収まらねぇ」
「や、ちょ、ほんとどうしたの土方くんなにその不穏な紙袋!待って待ってその中身見たくない!絶対良くないモノだろ!」

漸く解放されたナニを一撫でした土方はサイドボードに無造作に放られていた紙袋を手繰り寄せた。本能が警鐘を鳴らす。思わず必死に拘束を外そうともがくもぎっちぎちに縛られているらしいそれはびくともしない

「大丈夫だって。別にナニちょん切ろうとか言ってるわけじゃねぇんだし。」
「怖いこと言うなって!」
「だから冗談だって。まぁてめぇのその無駄にデカイ息子には普段世話になってるからな、まぁちったぁ縮めと常々思っちゃいるが…見逃してやる。武士の情けだ」
「何言ってんのこの人。一切理解したくないけど何言ってんのこの人」
「それよりも問題は、だ。てめぇが遅すぎる事だろ」

ぎゅうとナニを握りこみ、ちょっと悔しそうな顔で、土方は言った

「俺が早いわけじゃ断じてねぇ。お前が遅すぎるんだ。」

ちょっと可愛い顔した土方に再び呆気なくイかされて、段々話が読めてきた。つまりアレか。俺が所謂遅漏な方で、加えて普通よりちょっぴり精力が強いから、普段土方を先にイかせてからもう嫌だやめろとと啜り泣くくらいまで延々と腰を振っているのがいけなかったのか。でも、土方だって何だかんだで文句言いつつノってきてくれるし、気持ちいのは嫌いじゃないみたいなのに。それなりに満足して解放するとベットでぐったりしてしまう土方を甲斐甲斐しく世話するのは俺の役目で、体を綺麗にしたりシーツを変えたりしたあとやり過ぎだと今度こそ怒られるんじゃないかと恐る恐るベットに潜り込んでみてるけど軽く小突かれるくらいで後は甘えさせてくれてたのに。

「指先すら動かないほど疲労してたんだよ気付けよ…つうかアレだけやってまだ満足してねぇのかよマジかよ…」
「マジでか。あの程度でへばってたのかよそんな体力で大丈夫なのか警察官」
「何度も言うが、俺は、普 通 だ。てめぇがおかしいんだよ絶倫通り越して底なしじゃねぇか付き合わされる方の身にもなれ。と、いうわけで、だ」
「どういうわけで何が始まるの!?」
「大丈夫だっつってんだろてめぇも俺にしたことだろうが。我慢が効かねぇように薬飲ませたからな。コントロール出来るようにすんだよ」

土方が取り出したのは、見覚えのある革のバント、と何故か精力剤。イき過ぎて辛そうな土方を見かねて何回か試したことのあるコックリングというやつだ。イかせてくれって懇願する土方が可愛すぎてうっかり理性が吹き飛んでしまい外さないまま腰振っちゃって土方がドライでイったのに止められなくて結局気絶させてしまって以来没収&封印されていた筈なのに何故って、え、もしかしてそれつけんの待って待ってマジ勘弁ってい"?!

「ッ…てぇー」
「普段散々早漏呼ばわりされてんだ。今日こそてめぇにイかせてくださいって懇願させてやらァ」

抵抗する前に巧みに足を押さえつけた土方はまず根本に革のバントを装着し、痛みに身もだえる俺を尻目に栄養ドリンクのようなものを立て続けに三本程あおった

「はっ、流石は天人製。速効かよ」
「土方、待って、手の取って。俺も、俺も触りたい」
「駄目だ。今日はてめぇに主導権はやんねぇ」

ぐいと口元を拭った土方は挑発的に笑う。

「精々そこで、指くわえて見てな。そんでイきたかったらちゃんとおねだりしてみせろよ」

おねだり、なんてさせるのは好きだけどするのはちょっと攻めとしてのプライドがなーなんて考えてたら、ちゅ、と可愛らしい音を立てて形のいい唇が先端に触れた。フェラなんて自分からしてくれたことないのに。どうやら土方も形振り構ったままで俺が降参するとは思っていないらしい。いいね。じゃあどっちが先に参ったっていうか、勝負だね。

「まぁ、土方くんのが、先に我慢できなくなると思うけどねっ」
「ハ、ぬかせ。手も足も、出せねぇくせに」
「だって、お前、俺のこと大ッ好きじゃん。手と足、封じたくらいで…本当に俺を我慢出来ると思ってる?」
「…上等じゃねぇか。ぜってぇ先に参ったって、言わせてやんよ」
「それは、こっちのセリフッだよね。…ほら、はやくお前の大好きなコレ、美味しそうにしゃぶって見せてよ」
「ッ」

そうして二人の長い長い天国のような地獄の我慢大会が幕を開けるのだった。