無印とWの間な話。
ふわり。
いきなりだった。
いきなり横に居た男が私の頭、髪の毛に触れてきた。
「な、何?」
「いや…髪、少し伸びたんじゃないかい?」
え、ああ。とアミは自分で毛先をいじる。
「伸ばそうかな…って」
「なんで?」
マジマジとアミの顔を覗き込む仙道はくるくると彼女の伸びた髪を指に巻いたりして弄んだ。
「なんでって…理由は特に無いけど、私の周りって髪長い女の子多いからかな…」
仙道ははたと考えて思い出せば確かにツインやポニーテール、ストレートなんかもいたな。と口にした。
「一人くらいショートの方が俺は良いと思うけどねぇ」
「さすがにそこまでは伸ばさないわよ」
「そうかい」
「…ところで、仙道はショートとロングどっちが好き?」
「は?」
いきなりの切り出しにこちらが驚いた。
アミが興味深々と言うような表情で真っ直ぐと仙道を見やれば少しだけ後ろにたじろぐ。
「あー。別に。どっちでも。」
目を泳がせつつ。自分では無難な答えをだしたつもりだった。…が、むすりとアミは眉を寄せ怒った表情になる。
「なんで怒るんだい?」
「別に怒ってなんか…」
「怒っているじゃないか。」
「……だって…仙道ってよくミカとか里奈さんの髪、みてるから…」
「…?」
はて、と仙道は顎に手を当てて考える。
確かにみてると言えばみている。
だが、自分の周りの女子がその辺りしかいないから目が行くのは結構自然な事ではないのか。
「だからってなんでそこで俺がロングが好きと言う考えに行き着くんだ」
「え…好きじゃないの…?」
「だから別にどっちでも構わないよ。」
「……本当?」
「ああ、お前がする髪型ならどんなでも。」
ニヤリとした表情で仙道がつぶやいた言葉にひとつ時を置いた後かあ、とアミの頬が赤く染まる。
「仙道ってそう言う事言えちゃう人だったのね…」
意外だわ、とアミは頬を膨らませた。
思っていたよりは短めになったかな…。
Wより無印のショートの方が若干好きです。
2012/05/17
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