仙道さんがベタ惚れって感じで若干ネタが最低。

キャラが行方不明かも。









秋葉原の象徴アキハバラタワーのオタクロスの部屋で、レッドことユジンは他の仲間と共にLBXのメンテナンスをしていた。
部屋の主であるオタクロスは居ないようだ。

ガァッとエレベーターの扉が開けばメンバー全員の目線がそこに集中する。

「仙道君?!」

ユジンは被りもの越しに驚いた声を上げれば、仙道は来ちゃったと笑う。
そのままオタレンジャー達の元に歩み寄ればユジンの後ろにしゃがんで抱きつく。

「まっ大胆」

ピンクがきゃっと頬の位置に手を当てる。メンバーは正直見慣れた光景なので驚くだけ。

「しかし、レッドは随分と懐かれているな」

ははは、と笑うブルーを余所に仙道は被りものにすり寄り口を開いた。

「懐いてるんじゃない。惚れてるんだ」

そう言われ、ユジンは被っていて良かったと心底思った。きっと今自分の顔は真っ赤だ。

「でもでも不思議よねえ…仙道くんの周りってジン様みたいな王子様も居るし、郷田くんのように強さ溢れる子もいるのに…」

「はあ?郷田と海道ジン?あんなガキ興味ないね」

鼻で笑えば、確かにレッドは社会人だけど…すごい不思議と言われる。

「そもそも何でレッドなんだな?」

すっかり自分のLBXのメンテナンスを終わらせて横に置いておいたカレーに手をつけていたイエローはキョトンとした感じで仙道を見やる。

「何でって言われても…しいて言うならアルテミスだな」

仙道の口から出たアルテミスと言う言葉にギクリとユジンは強張る。
ユジンは仙道をイカサマなどと罵り負かせた時だ、端からみたらあそこのどこに惚れる要素があるのだと考えが行く。

「山野バンや郷田とかにも負けたけど、あんな負け方初めてだったんだよねえ…今思い出すだけでもゾクゾクするよ…」

ニヤリと口の端を上げればよく分からないと言うようにユジン以外のメンバーは首を傾げる。
ユジンは乾いた笑いを発するので精一杯だ。

「むしろあれぐらい俺の事も壊してくれればイイのにって思うんだけ」

「中学生がそんな事言っちゃ駄目ェ!!!」

そう零しているとユジンはバッと抱きしめられている腕を解いて仙道の口を自分の手の平で塞いだ。

正直口を塞いだのが遅すぎてメンバーに全て聞こえてしまっている。
穴があれば入りたい。被りものをしていて本当に良かった。本日二度目の羞恥に見まわれるとピンクは口を開いた。

「じゃあ、まだそんな感じでは無いのね?」

「ピンク?!」

「仙道くんが押し倒しちゃえば良いのに」

ピンクの発言にこの場の空気が固る。
仙道は口を塞いでいるユジンの手をどける。

「それもイイんだけど、このヘタレを動かしたいんだよね…」




「突っ込むより突っ込まれたいし。」

その発言によりユジン本人がピシリと固まった。
他の男メンバーはあちゃーと言う哀れみが混じった視線をユジンに向ける。

「でも、せめて中学卒業まではーって言うし我慢してる。」

仙道はユジンの背中にまた抱きついて被りものに頬をくっつけた。

「良かったな、ユジン。俺が一途で。」

「はははっ…はあ…」

もう帰りたい。

「まあまあ、仙道くんは本当にレッドが好きなのねえ」

「ああ、骨抜きにされてる」

悪戯っぽい表情をピンクに向けた時にエレベーターが開く音がした。

「おや、仙道氏」

「…オタクロスか…じゃあ俺は帰ろうかねえ」

ため息を付いてユジンを抱きしめた腕を離すとほっとユジンは胸をなで下ろした。

「もっとゆっくりして行けばいいのにいー」

とまだ話足りないと言うようにピンクが残念そうに呟く。これ以上仙道君に余計な事言わせないでくれ…もう、僕が帰りたいんです本当は…。

「あ、やっぱりユジンの家行こうかな、イイか?」

「へ?……………はぁ…別に構わないですが…」

「飯作っとくよ」

「あ、はい…」

そう言って仙道はその場から立ち上がりエレベーターに消えていった。

「やーん、飯作っとくよ、ですって!仙道くん健気ーっ」

きゃいきゃいとピンクがユジンの肩を揺さぶれば被りものの中で苦笑いをする。

「仙道氏レッドの家知ってるんだな?」

「え?ああ、合い鍵持ってますからね。」

ユジンの発言に本日二度目の空気が固まる音がした。
ユジンは今の発言に我に帰りこう叫んだ。

「いや、ちがくて!仙道君がねだって聞かないから!!」

わたわたするユジンにオタクロスだけが来たばかりで話についていけず置いていかれた。












このサイトでは珍しくギャグ仕立て。
ブラック出てないけどちゃんと居ます。ごめんなさい。

書いてる分には楽しかったです。


2012/02/22

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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