「ただいま!仙道君!」
「…おかえり」
元気よく言われて不可抗力で返事を返してしまった。
案の定何時ものように、ユジンの家に転がりこんでいた仙道は満面の笑みを浮かべるこの家の主に目を見開いた。
「買ってきましたよ仙道君!」
「……………何を?」
これです!と何時もより高めのトーンで彼が愛用しているスーパーの袋からガサガサとプラスチックの容器をとりだした。
それをみて仙道は眉を潜める。
「? ………海苔巻き?」
「恵方巻ですよ!知らないんですか?」
恵方巻…少し首を傾け、少し考える。そして思い出したように壁に掛かっているアニメ柄のカレンダーに目を移す。
「あー…二月三日…」
「はい!まだ売れていなくて良かったです!」
「…俺、豆派だけどね。」
「えっ」
「半分冗談。別にどっちでも良い」
「よ、良かった…」
ちゃんとプラスチックの容器には二本入っていて、実はユジンの家に来る前に軽食をとっていた仙道は食べない訳にはいかないよな、とため息をついた。
ほんとは仙道さんとの年齢差を気にして豆じゃなく恵方巻にしたって言うネタをぶっこみたかったけど入りませんでした。
今は豆は年齢分食べるって風習はないのかしら。
2012/02/03
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