ちょっと事後っぽい話なので注意。
ペタペタとフローリングに足が吸い付く。
生乾きの髪の毛をバスタオルで拭きつつ、自分の部屋に戻る。
ガチャリと自分の部屋のドアノブを開け部屋の中に入ると脇にある鏡に背中を向けている人物が目に入る。
「…何してんだ郷田」
「お?おお」
鏡に背中を映し手で肩付近を撫でる郷田に溜め息を付いた。
「つか、服着ろよ…それか風呂行け…?」
鏡に映された郷田の背中を見て目を見張る。仙道は郷田の所まで行き肩を引っ張りぐるりと自分の方に背中を向かせた。
「おい?!引っ張るんじゃねえよ!」
「郷田…これ…は」
良く見ると郷田の背中にはひっかき傷が多数ある。
郷田の肩から手を取り仙道は自分の手、指先を見た。
「…仙道?」
「郷田…ごめん」
「何が?」
「だって、これどう見ても俺が付けたやつだろ」
仙道がそう言えば、郷田は仙道から目を逸らし天井を見ていた。
少し苛立ってそのまま肩にまた手を置いて爪を立ててやれば、短く郷田は痛いと悲鳴を上げる。
「なんで、何も言わないんだ?」
「何がだよ」
「…」
軽くかさぶたになっている傷もある。
確かに自分は爪は伸びてる方だ、何時も何も言ってこないから全く気が付かなかった。
「っ?!」
細かい傷を仙道はゆっくりとなぞれば郷田くすぐったいとばかりに肩を震わせる。
「仙道…こそばい、やめろ」
「じゃあ引っ掻いてやろうか」
「ワザとは許さねえぞ?」
「へえ」
郷田は鏡越しに仙道を見れば、何時もの意地悪い笑みをしていて明らかに今の行動を楽しんでいる。
まあコイツが楽しいなら少しくらい我慢してやろうか、と思った矢先に背中に冷たい感触があらわれる。
「仙道…?」
「本当にごめん」
仙道は傷の辺りで頬ずりをする。
生乾きの髪の毛が背中をくすぐる感触に、くすぐったさと共に先ほど出した熱がまた自分に戻ってくる気がした。
「そうだねえ…爪は切った方が良いかな、」
郷田の背中から頭を離し爪きりを求め部屋の扉に向かおうとしたその時、郷田が仙道の腕を取り引っ張りそのままベッドに押し倒された。
「郷田?」
「お前ワザとなのか今の?!」
「何の話…っ」
言葉を言い終わる前に仙道は唇を塞がれた。
触れるだけのキスをした後郷田は頬をほんのりと赤くして少し怒っている。
「今ので欲情したのか、お前もお子様だね」
「悪かったなお子様で」
「…風呂、入ったばっかりなんだけどね」
「知るか、お前が煽るからだろ」
また唇を塞がれ、今度は舌も入ってくる。
元々抵抗する気もなく、仙道は背中に腕を回す。
郷田はキスをしながらするりと仙道の服の中に手を入れ脇腹を撫でてやるとびくりと仙道の体が震える。
何時もと少し違う仙道に郷田は顔をしかめた。
「どうしたんだい郷田」
「…爪、気にしてんのか」
「…っ」
仙道は肩が震えれば自然に爪を立ててしまう。なのに今回は背中に腕は回っているのに、爪を立ててこない。
何の話だかと顔を赤くして言われれば、ぎゅっと抱きしめてやる。
「別に爪立てても良いんだぜ?」
「痛くないのか?」
「お前がくれる痛みならどんなでも」
「郷田…お前…」
マゾだったのか。と言われたのでとりあえず唇を塞いどいた。
これサイト作る時から元々書きたかったネタだった。
ユダイでも良かった気がするんですけど、郷仙でどうしても書きたかったんだ。
仙道て爪を伸ばしヤスリで磨いてそう。なのと部屋に全身が映る鏡がありそう。と考えた結果の話でした。
2012/01/10
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