ガチャン


「あーっ!」

秋葉原のゲームセンターでぬいぐるみが敷き詰められたUFOキャッチャーの前でアミは叫んだ。

たまたまふらりと立ち寄ったゲームセンターで敷き詰められたひつじのぬいぐるみに可愛いなあと一目惚れをして挑戦したのはいいが、全くとれない。


ああ、バンやカズが居ればな…。


あの二人ならとれたかもしれない、二人はさっさと新作のパーツを見に行ってしまった。
自分もやっぱり行けば良かった。とアミは溜め息を付いた。

「何やってんの?」

「ひっ」

上から声が降ってきた。
あまりにも聞き覚えがある声にアミは眉を寄せた。

「仙道…」

「あの二人は?お前一人じゃないだろ?」

「うん、新作のパーツ見に行った」

「ふーん」

「アンタこそなんでこんな所に」

「ユジンとバトルの約束していてね」

「そう」

仙道はアミの後ろにあるUFOキャッチャーに目を向ける。

「こんなの欲しいの?」

「可愛いから…つい」

「ふーん、やっぱり女だね。こう言うの好きだなんて」

「やっぱりって何よ」

「いくらつぎ込んだの?」

仙道はアミの話を聞かず質問を浴びせる。

「せ…1000ちょっと…」

「ヘタクソ」

「む…ミソラタウンのゲームセンターにはUFOキャッチャーないもの、しょうがないじゃない」

どけ、仙道はそう言ってアミを脇にどかせば自分がUFOキャッチャーと向かい合わせの形になる。
ポケットから小銭を取り出し、UFOキャッチャーに入れた。

さくさくと仙道はUFOキャッチャーのボタンを押し進め、アームに命令をする。
すると



ぽす。



下の景品口から音がした。

仙道は景品口に手を入れぬいぐるみを取るとアミの頭の上に置いた。

「やる」

「…?」

「欲しかったんだろ?」

「仙道…?」

「いらないのか?」

むすっと眉を寄せアミを睨んだ。

「…くれるの?」

「俺いらないしね」

アミは頭に手をやりぬいぐるみを胸の前に持ってきた。
そして、口を緩ませてぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。

「ありがとう仙道!」

「…」

「大事にするね!」

「アンタはそう言う顔の方が良いんじゃない?」

「え?」

「…っと長居しすぎたな、あの二人によろしく、じゃあな」

「…うん…」







(アミぬいぐるみとれたんだ!良かったね!)
(仙道がとってくれたの)
(仙道が?!マジかよ…)
(しかも仙道のおごり)
(へー…意外だね)
(明日雪降るんじゃねえの?)







多分さりげない両思い。
ついったお題で出たのに沿って書いてみた。

仙道さんなんでもできそうなのできっとUFOキャッチャーも出来る。


2011/12/14

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