ピンポーン
インターホンが鳴りユジンはのろのろと家の扉に向かい扉を開けた。
すると目に入る紫色の髪。
しかもこちらを睨んでいる。
「仙道君いらっしゃい」
「…いらっしゃいじゃないよ…扉開けとけってメールしたよね…?」
「メール…?」
「みてないのかい?」
「…鞄の中で…そのすみません…」
べつに、と言い仙道の冷えた手がユジンの首をつかみ引き寄せた。
「せ…!?」
「寒い…」
ぎゅうと背中に手を回す。
「なんで暖房入ってないんだ…」
「すみません…僕も今帰ってきたばかりなんです…」
だからまだスーツなんだな…と肩に鼻先をすり寄せる。
「でも、アンタの方があったかいな」
「そ、そうですか…?」
「ん…?」
「どうしたんですか?」
「アンタ煙草吸ってないよな?」
「吸ってませんよ」
「だよな」
肩に埋めた鼻ですう、と息をすれば少しだけ苦い匂いが広がる。
「あ、何時も乗るのが喫煙所の前なんです…普段は帰ってすぐ匂い取るスプレーかけてしまうので…だからかな」
「なるほど」
「…ところで仙道君」
「何だい?」
「暖房入れたいので、そろそろ玄関から移動しませんか?」
「賛成」
「あのさユジン」
「はい」
「移動しようって言ったのアンタなのに何でまだ俺の背中に手が回ってるんだ?」
仙道はとっくに背中に回した手をといていたが、ユジンは仙道をまだ抱きしめていた。
「す…すいません…」
「まあ別に良いけど」
「…」
「部屋入ったらにしてくれる?」
「! は、はい!!」
本当は煙草の匂いで仙道さんが浮気か?て言うネタにしたかったはずだったのになんでかこうなった。
ところで今はホームに喫煙所ある所ってあるんですかね。
2011/12/14
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