「相変わらずすげー人だなぁ…ミカ平気か?」
「はい」
秋葉原は休日になると観光客もいるために人混みが多い。
―――郷田さんと一緒ならどこでも平気。
なんてねとミカは心でこっそりとつぶやく。
「わっ」
「ミカ?!」
ミカが人混みにのまれそうになったのを郷田は見逃さず腕を掴み、人混みから出してやった。
「大丈夫か?」
「はい、ありがとう、ございます…」
人混みを2人でかき分け歩いていく…――が郷田はミカの腕から自分の手を解こうとはしない。
「あ…の、郷田さん?」
「なんだ?」
「あの…手…」
「…はぐれたら困るだろ?だからこのまま、嫌か?」
そう言われミカは体温が内側から上がっていくのが分かった。
「嫌じゃ、ない、です…」
「ん、じゃあ行くか」
―――心臓持つかな…
(もう少しゆっくり歩くか?)
(いいえっ大丈夫です!)
ブーストで仲間になるならこんぐらいの妄想があったって良いと思うんだ。
2011/12/02
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