=side.SAGURU= 







それは少し前、まるでずっと昔のようだ



黒羽くんの周りにはたくさんの人がいて、彼はいつも笑ってた




マジックを披露して友達と馬鹿騒ぎ


それが日常だった



それが今はどうだろう?



彼に近付くものはおらず、彼から笑顔が消えた






人に温かさを、優しさを与える笑顔だったのに…



「黒羽くん」


「白馬…」



何故君は我慢をする?


人と触れ合うことを

人と関わることを――


「君はこのままでいいんですか?」


「――それが新一の望みなら…」



そう言って、また儚く笑うんですね





元に戻してやれない自分が歯痒い



「それでも僕はまた君に笑って欲しい」



そう言うと黒羽くんは切なげに笑った




狂った歯車は回り続ける――









     

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