![](http://img.mobilerz.net/sozai/99_w.gif)
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五月蝿く電話が鳴っていた
昨日からずっとしつこい
出てみると両親からだった――
「もしもし?新一」
「父さん…」
新一は不覚にも父親の声を聞いて泣きそうになった
「泣いてるのか?」
ほら、直ぐに気付く
「泣いてねぇよ…。それよりなんだよ」
「新一、アメリカに来なさい」
「断る」
「お前のどこに断る理由がある」
その言葉に総て知ってるんだと気付いた
カッと頭に血が上る
「快斗は…快斗はそんなんじゃねぇ…!!勝手なこと言うな!!」
ガシャンッと電話を壁に投げつけた
ツー、ツーと壊れた音がする
電話線を抜いて何も聞こえないようにした
そうしてまたうずくまった
「快斗、…快斗――」
お前に取ってもう俺が必要なかったとしても、俺にとってはまだ必要なんだ――
必要なんだよ…、快斗…
お願いだからそばにいさせて――
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