=side.SHINICHI= 







「かい…と…っ…」


「新一…」



俺はあの事件の日、留学するのを止めた




みんな心配してくれたけど、だって快斗は俺のせいで大事な腕を怪我したんだ



俺のせいで繊細で綺麗なマジックを生み出す腕が傷付いた




もしマジックが出来なくなってしまったらと戦慄した…



新一はそっと快斗の左腕を持ち上げて今では消えかかっている傷口に舌を這わせた


快斗の息を呑む音が聞こえる


新一は上目遣いに快斗を見上げた


「快斗、来いよ」


「しん…いち…」



引き寄せられるように口付けた




激しく抱き合う



こうしてるのは好きだ






だって快斗が俺のものだって実感できるから――



本当は気付いてた


快斗を一番傷つけてるのは自分なんだと



傷付けたくないと願ってるのに




何故俺が一番傷付けてしまうの?









     

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