†無自覚な心†





俺には小さな弟みたいな存在がいる。
そいつは俺のクラスの教え子で、兄の恋人の従兄弟にあたる江戸川コナンという少年だ。
まだ俺が中三、今のコナンと同い年の時に出逢った。
兄さんは高一で新一さんが高三だったんだ。
ふたりは付き合いたてで当時コナンはまだ7歳だった。
小さなコナンは新一の後ろに隠れてたっけ。

「しー兄。誰?」
「俺の恋人のキッドの弟の快斗。こいつは俺の従兄弟でコナンってんだ。仲良くしてやってくれな」
「よろしくな、コナンくん」
「よろしく////」

真っ赤な顔で新一の足にしがみつく姿は可愛かった。
それからたくさんの時を一緒に過ごした。
コナンも俺に懐いてくれて楽しかった。
小さな体で一生懸命ついて来るコナンが可愛くて兄が新一さんにつきっきりの間よく遊んでいた。
今でも大切な俺の弟みたいな存在。
けれど最近、いや、もっと前から様子がおかしかった。
それが心配で仕方がない。
最近避けられてる気もするし、どう対処しようか考え倦ねていた。

「江戸川」
「な、何ですか?」

びくりと小さな体が震える。
その様子が小さい頃を思い出させて温かい気持ちになった。
くるりと振り返ったコナンと真正面から見つめ合う。

「最近元気ないみたいだけど、どうした?」
「別に、何でもないです」
「そうか?まあ気楽にな」

受験生だからだと思って快斗はぽんぽんとコナンの頭を叩く。
するとコナンの顔が真っ赤になった。
そしてぱっと振り返って授業に戻っていってしまった。
一瞬、コナンの赤い顔を見て心臓がどくりと音を立てた。
なんだったんだろう?と不思議に思いながら快斗は自分も授業へと向かった。










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