見えた真実!






新一は最近、つい考えてしまう某怪盗のことを相談にきた。
そこで、逆に追い詰められることになるとは考えもせずに。






見えた真実!





あの事件以来、新一は何をしていてもふと怪盗を思い出していた。
あの紫色の光に包まれた神秘的な光景。
何度もあれは夢だったんだと思おうとした。
でも、違うのだ。
新一の探偵としての勘があれが現実だと言っていた。
信じてもらえるか解らないが、哀には話しても良いだろうと思えた。
だから、この前起きた出来事を洗いざらい話した。

「つまり、あなたは幽霊を見たと言うの?」
「ああ…」
「…………つまり、あの話は本当だったのね」

哀がぽつりと呟いた言葉に、新一は反応した。
哀は驚いていた(笑)
まさか本当だとは思っていなかったのだ。
嘘を吐く人ではないけれど、流石に信じることはできていなかった。
だが、この真実しか見ていない新一が言うからにはこれは現実なのだ。

「あの話ってなんだ?」
「工藤君。怪盗さんを落とすのは大変だと思うわよ。半端な気持ちなら諦めたほうがいいわ」

ゴクリと新一は唾を呑み込み、意を決して頷いた。
それを見た哀は、KIDから聞いた話を包み隠さず新一に話した。
曰わく、KIDが霊感を持っていること。
新一が霊を引き寄せる体質であること。
そのことで、KIDは新一を苦手に思っていること。
新一はそれを聞いてどう行動に移せばいいか迷った。
好きな相手だ。
嫌な思いはさせたくない。

「どうすればいいんだよ…」
「あら?あなたは自分の気持ちを素直に伝えればいいじゃない」
「でも…」
「怖がってちゃ何も始まらないわよ」
「サンキュ!灰原」

新一は晴れやかな笑みを浮かべた。
哀が面白そうだからと密かに思っていたことを新一は知らない(笑)








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