【除夜の鐘】
こく、こく、こく
首が上下に揺れるのを新一は心配そうに見守っていた。
【除夜の鐘】もうすぐ12時だ。
新一は今にも眠りそうな様子で起きている快斗を心配していた。
優しく、優しく、声をかける。
「快斗…無理して起きてなくていいんだぞ」
「や、しーちゃ、起きてるの…」
快斗は勢いよく顔を上げたがすぐにまた下がった。
それに慌てるのは新一だ。
「快斗!!」
その時ボーン、と除夜の鐘が鳴り響いた。
快斗がぴくりと反応する。
「しーちゃん、あけましておめでとうございます」
「あけましておめでとうございます…」
ぺこりと挨拶されてとりあえずぺこりと挨拶を仕返す。
すると快斗はへにょりと笑って新一に凭れた。
「快斗?」
「しーちゃ、眠い…」
うとうとした快斗に新一は眠りを邪魔しないように話しかけた。
「初詣は明日にしようか?お休み、快斗」
「おやすみなさい、しーちゃ…」
すうっと快斗は既に夢の中だった。
それを新一は膝に寝かせながら優しく見守った。
[ 6/6 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]