【除夜の鐘】







こく、こく、こく


首が上下に揺れるのを新一は心配そうに見守っていた。







【除夜の鐘】






もうすぐ12時だ。


新一は今にも眠りそうな様子で起きている快斗を心配していた。



優しく、優しく、声をかける。




「快斗…無理して起きてなくていいんだぞ」


「や、しーちゃ、起きてるの…」



快斗は勢いよく顔を上げたがすぐにまた下がった。

それに慌てるのは新一だ。


「快斗!!」


その時ボーン、と除夜の鐘が鳴り響いた。


快斗がぴくりと反応する。


「しーちゃん、あけましておめでとうございます」


「あけましておめでとうございます…」



ぺこりと挨拶されてとりあえずぺこりと挨拶を仕返す。
すると快斗はへにょりと笑って新一に凭れた。


「快斗?」

「しーちゃ、眠い…」


うとうとした快斗に新一は眠りを邪魔しないように話しかけた。



「初詣は明日にしようか?お休み、快斗」


「おやすみなさい、しーちゃ…」



すうっと快斗は既に夢の中だった。

それを新一は膝に寝かせながら優しく見守った。








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