【お月見】







「しーちゃん」


とてとてとて




快斗がススキを持って駆け寄って来た。




「どうした、快斗」


「しーちゃ、おつきみしよ」



快斗がにっこり笑って言った。







【お月見】






快斗が持って来たススキをコップに生けて、団子を飾って窓から月を見上げた。


月が空に輝いている。




「しーちゃん。月きれいだね」


「ああ、そうだな快斗」




楽しそうに月を見上げる快斗をくすりと見やる。




「どーしたの?しーちゃ」



不思議そうに見上げてくる快斗に新一は笑った。




「何でもねーよ快斗。月見ようぜ」


「うん。しーちゃん」



二人そろって月を見上げる。雲が少し掛かっていて綺麗だ。






「しーちゃ。らいねんも、いっしょに月みようね」



快斗が満面の笑みでそう言った。
新一は一瞬唖然として、ついで笑った。



「そうだな。また見よう快斗」




ぽんぽんと頭を撫でてやると、嬉しそうにまた笑う。



来年も再来年も、これから先ずっとこうして過ごせたらいいな。


願いが同じことを二人はまだ知らない。








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