それは、止めることのできないモノ。 6月30日の午後10時に 月の涙を頂きに参ります 怪盗KID 怪盗KIDから予告状が届いた。 それは、止めることのできないモノ。 怪盗KIDからの予告状で警視庁はてんてこまいだった。KIDは20年くらい前に活動を止め、一度消えた。そして11年前に突然活動を再開して、8年前また忽然と消えたまま今まで現れていない。世間でも死亡説や廃業説などが飛び交っていた。 それが、実に8年振りに突然の予告である。怪盗KID復活と大々的にスクープされていた。 だから警視庁の方も大忙しである。 新一は警視庁に資料を返しに来ていた。 「工藤君」 「白馬刑事」 新一は白馬に呼び止められていた。 白馬は警視庁捜査2課の警部補だ。 新一も何度か面識がある。 「事件かい?」 「いえ、資料を返しに。大変そうですね」 「ええ、まぁ」 二人は話しながら歩いていく。 「そういえば、工藤君の学校に黒羽快斗って先生がいるだろ」 「…ええ、それが何か?」 内心ばくばくしながら聞き返した。まさか俺が黒羽先生が好きだってバレた!? どきどきしていると意外なことを言われた。 「僕は彼が怪盗KIDだと思ってるんだよ」 「えっ……」 新一はびっくりした。まさか黒羽先生が怪盗KIDだなんて…。確かに先生はマジックが上手いし運動神経も良いけど、そんなわけ…。 でも、もしかしたら…。 知りたいと思った。謎に満ち溢れた怪盗KIDの正体を。そして、本当に黒羽先生がKIDなのかを…。 横で白馬が何か言っている。それを聞き流しながら新一は思った。 それが止められない探偵の性だから…。 お題配布元→水葬 戻る |