おもいっきり遊ぼうよ!




パンパンッと景気の良い音が響く。
今日は文化祭当日。
黒羽先生と回る約束したけど、大丈夫かな?






おもいっきり遊ぼうよ!





程よく晴れた秋晴れの日。今日は新一たちの学校の文化祭だ。新一は快斗と共に学園内を回っていた。
嬉しくて心が弾む。そんな新一を快斗が愛しげに見つめていた。


「工藤、次は何処行く?」
「うーん…。次は…」


決めかねて迷っている新一にくすりと笑って快斗は足を進めた。それを慌てて新一が追いかけてくる。


「黒羽先生〜!!次はうちのクラス来てよ」
「気が向いたらな」
「酷〜い!!」


ムッと頬を膨らます女子生徒。それを笑って快斗は受け流した。
それに新一はムッとして近くの教室に快斗を連れ込む。さっきからずっと話しかけられている快斗は笑ってそれに受け答えしている。それが嫌だなんて我が儘言えなくて黙って腕を引く。


「新一?」
「何ですか?黒羽先生」
「ここお化け屋敷だけど?」
「「……………」」


はっと気付いたらこの教室はお化け屋敷をしていたらしい。快斗が不思議そうに首を傾げている。


「来たかったの?」
「………はい…」


他に何て答えたら良かったのだろう。新一は繋いだままの手をそっと握り締めた。
快斗が嬉しそうにギュッと手を握ってくる。繋いだ手が熱かった。


「工藤…」
「はい?」
「あのさ、ミスコンのことなんだけど…」


何を言われるのかとドキドキした。真剣な表情の快斗を見つめる。


「実は俺……」
「黒羽君。見つけましたわよ!!」
「「……………」」
「あ、工藤君。ミスコン始まっちゃうよ!!」
「「…………………」」


ばたばたと新一が連れ浚われるのを快斗は呆然と見てた。紅子が快斗の隣に立つ。
それにはあっとため息を吐いて快斗は言った。



「紅子、態とだろ」
「さあ?何のことかしら」


そらっとぼけた紅子に快斗はまたため息を吐いた。






お題配布元→水葬





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