君に出会ってから、退屈だった毎日が、嘘みたいに思える。




親父が死んで、KIDの役目が終わって…毎日が色褪せて見えた。
そのモノクロの世界に急に色がついた。
それほど、その出逢いは衝撃的だった。






君に出会ってから、退屈だった毎日が、嘘みたいに思える。





初めて出逢ったのは、桜並木の中。華奢な肢体とその整った容貌に目を奪われた。何よりその瞳が、蒼い瞳が目を惹いて離さなかった。その瞬間、モノクロだった世界に色がついた…。
一目惚れだった。
それからはずっと彼を見てた。彼だけを…。
告白された時、本当は凄く嬉しかった。教師と生徒なんて関係なく、想いに応えたいと思った。でも、…俺は犯罪者だ。今は違っても罪を犯したことに変わりはない。それに消えない罪もある。そして、彼は探偵だから。
だから、拒絶した。俺は、たとえ片想いでも構わないと思ってたから…。
でも彼は、俺のことを受け止めてくれた。犯罪者でも関係ないって…。好きだって…。俺の罪もすべて受け止めてくれた。
だから俺も想いを伝え返して、晴れて両想いになった。





「黒羽先生」
「二人きりの時は快斗って呼んでって言ったでしょ、新一」


数学準備室。快斗は苦笑しながら言った。いつまで経っても変わらないんだから。そんなところがかわいいんだけど…。
握り締めた携帯をギュッと掴む。



「で、でも…////」
「好きだよ、新一」


真っ赤になっている新一を、快斗は抱き締めた。まったくほんとに初々しくてかわいいんだから。思わず微笑がでる。



「新一、愛してる」
「ぁっ……////」



そっと頬に手を添えて、キスをする。真っ赤になって震えながらも、応えてくれる新一が嬉しい。


「…んっ……ふ、んっ…」


くちゅくちゅと卑猥な音が響く。鼻から抜けるような声がした。それに気をよくしながら口唇を離した。唾液が顎を伝うのを嘗めとる。蒼い瞳が潤んでいて劣情を誘う。それを抑えながら快斗は新一囁いた。


「…愛してる」
「お、れも…せんせい」



俺のこと、好きになってくれてありがとう。新一。
これからも、ずっと一緒にいよう…。
ずっと一緒に。
ギュッと新一を抱き締めた快斗。
その手の中の携帯には着信履歴が残っていた。
米花総合病院からの――。






お題配布元→水葬





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