番外編〜黒羽先生の誕生日〜




初めてだから、どんなのがいいかわからなかったけど、一生懸命選んだんだ。
精一杯な想いと共に、受け取ってくれたらいいな。






番外編〜黒羽先生の誕生日〜





今日は、黒羽先生の誕生日だ。ずっと以前から悩んで悩んで悩み抜いたプレゼントだから、頑張って渡したいのだけど…。


「黒羽先生〜。これ受け取って下さい!!」
「あっ、私のも!!」


次々に人が集まってしまってプレゼントを渡すことが出来ない。新一は、意気消沈して机に突っ伏した。
これは、最後の手段しかないだろう。新一は、放課後数学準備室に向かった。


「黒羽先生?」
「…………工藤?」


快斗が驚いた顔をして振り返った。
それに新一は頬を赤くして、縦長のラッピングされた箱を差し出した。


「もらって下さい」
「………………」


沈黙が耳に痛い。新一はぎゅっと目を閉じた。快斗が微笑む。



「ありがとう」
「あっ、それじゃあ////」


真っ赤になった新一は、走って出て行ってしまった。それを見送って嬉しそうにプレゼントを見る快斗。今日もらったプレゼントの中で一番嬉しかった。
家に帰ってからプレゼントを開けて、中身が超有名ブランドものの紅いネクタイだったことに度肝を抜かれたのを追記しておこう。





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