聞いてください、ほんの少しだけ





本当の気持ちを聞かせて。




聞いてください、ほんの少しだけ




「し〜んいちvv」

がばりと後ろから抱きついて、新一に話しかける。新一は本を読んだままこちらをちらりとも見ない。

「新ちゃ〜ん」

それでも、粘って話し掛けていると、やっと新一から反応が返ってきた。

「うるさい」
「Σ酷い!新一」

一言で切って捨てられて、快斗は酷いと悲しそうな顔をする。
ねえ、聞いて。少しだけでもいいんだ。俺の気持ちを聞いて。

「ねえ、新一。好きだよ。大好き」

快斗の様子が変なのに気づいて、新一は本を置いて快斗に話し掛けた。

「どうしたんだよ、快斗」

新一の肩に顔を持たせ掛けて快斗は返事を返さない。

「快斗?」

新一は快斗に辛抱強く話し掛け続けた。

「新一は、俺のこと好き?俺は新一が好きだよ」
「何言ってんだよ。俺もお前のことが好きだ。当然だろ」

そう言って、頭をポンポンと撫でてくれた。


少しだけでいいから、俺の気持ち聞いてください。少しだけでいいから、君の気持ち聞かせて……。


END


お題配布元→Rat Of Snow