![]() 心からの笑顔が見たいんだ。 笑ってください、心から 「快斗、花火しようぜ」 快斗は、普段から笑顔を絶やさない。それは、ポーカーフェイスだからだと分かっているけど…。でも、だからこそ本当の笑顔を見たいんだ。 庭で花火をしながら、快斗は笑っている。本当に楽しそうに。色とりどりの光に包まれて笑っている快斗の姿に、目が釘付けになった。綺麗だと思った。心から。 「新一?」 声をかけられて、花火が終わっていることに気づく。最後に残ったのは線香花火。光がキラキラと輝いている。パチパチと灯る線香花火。それを見ながら、快斗は切なそうな顔をした。 「線香花火って、人の命みたいだな。いつかは、消えて無くなる」 「快斗」 そんな切ない顔をして欲しくなかった。快斗には明るい笑顔が似合う。だから、言った。 「なら、人は一生懸命光って最期まで輝いて生きていくんだな」 その言葉に快斗はびっくりしたような顔をして、ついで破顔した。 「うん…、そうだね。新一」 その笑顔に新一はみとれた。 そして線香花火の火が消える瞬間、快斗と新一のシルエットが重なった。 いつも笑っている君だから…、本当の心からの笑顔が見たいんだ……。 END お題配布元→Rat Of Snow |