『誰にでもスキだらけ』
無防備なきみは、誰に対しても警戒心を抱かない。
きみに恋する不埒な輩はたくさんいるから毎日がはらはらで…。
「なあなあ、キッド」
「なんですか?快斗」
こうやって簡単に懐の中に入ってしまう。
心の中に狼を飼っているとも知らずに。
「これ」
「スノードロップですか?」
「うん」
それを抱えた快斗はキッドにそれを渡した。
反射的に受け取ったキッド。
「やる」
「ありがとうございます」
小さな白い花に、知らず笑みが零れる。
それに快斗がうれしそうに笑った。
「今度は白い薔薇やるよ」
「……?何故です?」
少し前まで歩いた快斗が振り返って言った。
「キッドには薔薇が似合うから」
「…………っ……////」
いたずらっ子のような笑みを浮かべた快斗に、キッドは赤くなってからこほんと咳払いして気を取り直す。
「いいえ、私が贈ります」
「何で?」
「内緒ですvV」
白い薔薇の花言葉は、私はあなたに相応しい。