†よろしくね†




誰かがいる空間
心地よくて温かい
心配かけるかもしれないけど
これからもよろしくね…



†よろしくね†



ふと目が覚めると、隣に誰もいなかった。
新一は起き上がろうとして腰に走った痛みにベッドに逆戻りするはめになった。
今度は刺激を与えないようにゆっくり起き上がる。
誰もいない空間に哀しみを覚えたその時、部屋のドアが開いた。

「あ、新一起きてたの?おはよう。ご飯できてるよ」
「快斗…」

ほっとした新一は快斗に抱きついた。
抱き締め返してくれる快斗が嬉しかった。
快斗が不思議そうに新一に声をかける。

「新一?どうしたの」
「何でもない」
「そう。あ、哀ちゃんとユダが来てるよ」
「灰原とアイツが?」

嫌そうに表情を歪める新一に、快斗は早く降りてくるようにと促して出て行った。
パタンと閉じたドアに哀しくなる。
新一はいつの間にか着せられていたパジャマを着替えてリビングに降りていった。

「よ、灰原」
「おはよう。もう昼よ」
「ああ」
「昨日は上手くいったみたいね、工藤君」

くすりと笑う哀に新一の顔は赤くなった。
絶句する新一に哀の笑みが余計に深くなる。
そこで快斗が声をかけてきた。

「みんな、ご飯できたよ」
「今行く」
「わかったわ」
「ああ…」

朝昼兼用の軽い食事を食べて、騒がしく食事の時間は過ぎて行った。
みんなで過ごすことができる奇跡。
死んでたらきっと味わえなかったこと。
今生きていることを幸せに思う。
これからもたくさん色んなことがあると思う。
だけど、みんなだから乗り越えていける。
これからもよろしくね…。







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