†守るために†




戻って来れた
それが何よりも大事なことで
うれしくて、うれしくて
うっかり敵だったことを忘れてた…



†守るために†



「その様子だと快斗君の瞳のことも知っていそうだね」

優作の言葉に、快斗とユダの間に入ろうとしていた新一と哀は固まった。
新一と哀はふたりを凝視する。
全員の視線が集まったことで快斗が不思議そうな顔で聞いてきた。

「知ってるも何もユダから聞いてないの?」
「アルフだ」
「えっと、アルフから聞いてないの?」

窺うように此方をみる快斗に新一と哀はうっと息を呑んだ。
それにため息を吐いて優作が快斗の疑問に答える。

「彼からは何も聞いてないよ。そうだろ?アシュフォード君」
「話す必要もないだろ」

名前を呼ばれたことが嫌だったのか、ユダは盛大に顔を顰めている。
さっき快斗に見せていた慈愛の表情は何処に行ったと聞きたくなるくらいだ。
それにはまったく気づくことなく快斗が口を開いた。

「知ってますよ。すべて。この瞳のことも。何処で知ったかは知りませんが…」
「少し調べただけだ」

優作は目を丸めた。
膨大な情報の中に隠した真実を、彼は見つけ出したのか。
まったく予想していなかった展開に、優作は内心頭を抱えた。
盗一、君の息子は本当に凄い子だよ。
思わず遠い空の彼方を見てしまっても仕方あるまい。

「それじゃあ、アシュフォード君。君に話があるんだ」
「話?」
「快斗君を守ってくれるんだろう?」

ウインクして言った優作に快斗以外全員が度肝を抜かれた。
暗殺者を怖がらず、それどころか遠慮なく使おうとする男工藤優作。
一番不思議なのは…。







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